~前回までのあらすじ~
『FINAL FANTASY VII REBIRTH』(以下、『FF7 リバース』)に登場する要素「アイテムクラフト」の素材に、現実との共通点を見出した筆者。
「ポーションをこの手で作れるのではないか?」との思いから、素材となるハーブの知識を得るべくハーブ園を訪れ、その植生や効能を体感する。
園を後にし、ハーブをその手に携えた筆者は、いよいよポーション作成に取り掛かろうとしていた……。
「『FF7 リバース』のポーションを作ろう!」後篇は「Materialize(具現)篇」と題し、前回知識を得たハーブを素材に「ポーション」「メガポーション」「やまびこえんまく」「エーテル」の4種類のアイテムを実際に作成していきます。
「FF」で回復と言えばこれ!ポーションをクラフト!
まずは基本のポーションから。ポーションはHPを350回復させるアイテム。材料は以下の通り。
セージ×5
星の恵み×2
初歩的なアイテムだけあって素材の量は少なめです。
“セージ×5”とは5グラムなのか5房なのか、ひとまず5枚の葉を苗から採取しました。
おそらく「蒸留」や「抽出」といった技術が必要なのでしょうが、もちろん筆者はそのようなことができる設備は持ち合わせていません。すりこぎを使って地道にセージを擦っていきます。
葉の繊維が筋張って擦りづらく、団子状になってきました。
擦りやすくするために少量の水で溶いてかき混ぜていくと、抹茶を思わせる深い緑色の液体ができあがりました。この液体を鍋に空け水と混合させます。
さて、実はここまで懸念しつつも目をそらしていたことがあります。それが素材のひとつである「星の恵み」というアイテム。
アイテムの説明欄には抽象的な説明が書いてあるのみ。粉状のものが小ビンに入っていることだけはわかりますが、これはいったい何なのでしょうか…。
「恵み」という言葉の響きから、おそらく海の恵みである「塩」のことだろうと筆者は判断。レシピには“星の恵み×2”とあるのでふたつまみ程度が妥当でしょう。
ここから蓋をして弱火から中火で15分ほどで煮出していきます。
熱し終えた鍋がこちら。色は先ほどと同様、お茶に似ていますね。セージは強い香りを持ったハーブですが、この時点で香りはほとんど立ち昇ってきません。
筆者が前もって用意したポーション的な雰囲気を持つビンに、中身を注ぎ込めば……
ポーション、完成。
完成しました!これがポーション…だいぶそれらしい仕上がりになったのではないでしょうか…!
ポーションと比較。色味は作中のものとまったく異なるようですが、これはきっと『FF7 リバース』で神羅カンパニーが製造しているビンが青色だからに違いありません。
かつて『FF7』10周年の時には、神羅カンパニー製ポーションを再現した商品が限定販売されたことがありました。中の液体は無色透明となっていましたが、あれはおそらくいっとき出回った無色透明コーラのようなもので、きっと神羅カンパニーが自社の技術を誇示するために作ったのでしょう。
ポーションの薬効を試してみる
さて、では肝心のポーションの薬効や味はどうなのでしょうか。今回は筆者自身を実験体にその効力を試してみたいと思います。
飲んだ時の率直な感想は「これ白湯?」というものでした。ふたつまみ程度の塩ではしょっぱくもなく、色味やセージの葉の香りから、なんとなくほろ苦い液体を想像していたのですが驚くほど味がしません。
飲んで少し経ってから「どこか遠くからセージの声が聞こえるような……空耳か……」くらいの感じです。同量の水に対し、5枚ではなく5房のセージを入れていたらまた事情は変わってきたかもしれませんね。
ただ、当たり前ですが悪い気分にはならず、漠然と身体に良さそうではあります。でもそれって白湯も同じなのでは、と思わないでもないですが。
筆者はかつて『FINALFANTASY XII』がリリースされた際に販売されたポーションを友人から飲ませてもらったことがありますが、そちらはなかなか甘味料のパンチが効いた味付けだったように記憶しています。この自家製ポーションの味はその対極にあるといえるでしょう。ちなみに販売されていたポーションの原料には、セージやマジョラムといったハーブも含まれていたようです。
続いて、ポーションの効力を更にアップさせたメガポーションを作成します!