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『地球防衛軍』シリーズが20年以上も愛される理由は?プロデューサーが明かす制作秘話と開発体制、スピンオフの狙い

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家庭用ゲーム PS5
『地球防衛軍6』
  • 『地球防衛軍6』
  • 『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』
  • ディースリー・パブリッシャーの岡島信幸氏
  • クラウディッドレパードエンタテインメント代表取締役・陳 云云氏
  • 『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』
  • クラウディッドレパードエンタテインメント代表取締役・陳 云云氏(左)、ディースリー・パブリッシャーの岡島信幸氏(右)
  • 『地球防衛軍』シリーズが20年以上も愛される理由は?プロデューサーが明かす制作秘話と開発体制、スピンオフの狙い
  • 『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』

無数の巨大生物から地球を守る3Dアクションシューティングゲーム『地球防衛軍』シリーズは、2023年6月26日に20周年を迎えました。地球防衛軍の一兵士として武装し、アリやクモなどの侵略生物、巨大兵器、機械生命体、エイリアンなどを撃破する爽快感は格別の一言で、最新作『地球防衛軍6』(2022年発売)の発売に留まらず、『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』(2024年発売予定)のようなスピンオフシリーズも誕生しています。

そのどちらもアジアでの発売を予定しており、1月に開催された「台北ゲームショウ2024」では、アジアでのグローバルパブリッシングを手掛けるクラウディッドレパードエンタテインメントのブースで試遊台が展開されたほか、『地球防衛軍』シリーズのプロデューサーを務めるディースリー・パブリッシャーの岡島信幸氏の合同インタビューも実施されるなど、注目の高さが伺えました。

ディースリー・パブリッシャーの岡島信幸氏
クラウディッドレパードエンタテインメント代表取締役・陳 云云氏

◆2,000円の廉価版シリーズとして産声を上げた

アジアでも人気作でありながら、その第1作『THE 地球防衛軍』(2003年)はPS2向け廉価版シリーズ「SIMPLE2000シリーズ」の第31弾という異色の経歴でした。第1作のヒットを受けて『THE 地球防衛軍2』(2005年)が誕生し、「廉価版でなく、もっとお金を出してもいいからボリュームアップして欲しい」というユーザーの声を受けてフルプライスとして、Xbox360向けに『地球防衛軍3』(2006年)が発売されました。

フルプライス化について岡島信幸氏は、「フルプライスタイトルとしては、素直にPS3で発売すればよかったかもしれません。どちらかといえばコアなゲームユーザーがいるXbox360に入っていきました。しかし、そこで高評価を得られたことがシリーズにとって自信に繋がりました。『地球防衛軍4』(2013年)からはPS4でも発売しましたし、『地球防衛軍3』はPSVitaにも移植しました。おかげさまで、これまではPC、ニンテンドースイッチも含めてさまざまなプラットフォームを選ばず、ユーザーに遊んでいただくことができています」と開発秘話を明かしています。

◆20年以上も面白さが続く要因は、同じクリエイターが手掛けていること

クラウディッドレパードエンタテインメント【台北ゲームショウ2024】

ここまでシリーズが長期に渡ってヒットした理由としては、20年以上ものあいだ開発陣がほぼ同じ顔ぶれであることを大きな要因として挙げています。

「巨大な昆虫がものすごくたくさん出てきて迫る中、生身の人間が武器を持って戦うというシンプルなのが刺さったと思っています。私も20年関わっていますが、いまだにデベロッパーのスタッフもほぼ同じ顔ぶれです。同じクリエイターが手掛けている強みとして、次回作はこうするとユーザーが喜ぶ、これは絶対にやっちゃいけないなど、蓄積された経験値からやっていい変化とやってはいけない変化の見極めができます」(岡島信幸氏)

◆スピンオフが生まれたのは、対象年齢縛りがあったから

『地球防衛軍』シリーズは非常に人気で、ワールドワイドでファンがいます。ユーザーの期待に応えるために表現が過激になり、レーティング(対象年齢)も上がっていきました。現在、日本では17歳以上対象のゲームになっています。

一方で、巨大な敵に対して生身の人間が戦う非常に単純なゲームシステムなので、「17歳以上じゃなく、もっと若い世代にも遊んでもらうためにはどうしたらいいかをずっと考えていた」と岡島信幸氏は明かしました。

そんな時、ワールドワイドで“四角いゲーム”が流行っていると聞いた岡島信幸氏は、「なるほど、子どもは四角が好きなのか」と、地球も四角、隊員も四角、ナンバリングシリーズとは世界観が明確に異なるスピンオフ『ま~るい地球が四角くなった!?デジボク地球防衛軍』(2021年発売)を開発した経緯があります。

『地球防衛軍6』と比べ、最新作『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』はプレイアブルキャラが多いのが特長。最大4体までのチームで出撃するため、局面に合わせてキャラを変えられることが最大の違いになっています。1人のプレイヤーが4体のキャラをプレイするので、オンラインでユーザーが4人集まると、16体ものキャラが同時に並ぶことになります。

「第1作が発売した時は、ゲームとしては『地球防衛軍』の大量の敵が迫ってくる緊張感はしっかり再現した上で、ナンバリング作品とは似て異なるシステムとして差別化されており、ユーザーに良いスピンオフ作品だと想定以上の評価を頂けた」(岡島信幸氏)

四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2』ではさらにボリュームアップしており、ミッション数も前作の約60から、ナンバリング作品と同程度となる100以上が用意されているとのこと。

また、ナンバリングシリーズ第1作目の『THE 地球防衛軍』から最新作『地球防衛軍6』までの兵科たちが登場。例えばレンジャーであれば、もともと4作目から陸戦兵がレンジャーに変わった経緯があり、1~4作までのレンジャーは走れないが、5~6作のレンジャーは走れるといった細かい能力の差を再現ししつ、基本パラメーターやアビリティー、必殺技などでうまくバランスが取られています。

さらにアルファ、ベータ、ガンマと色違いの個体がランダムで入手でき、初期値のパラメーターが違うだけでなく、パラメーターの伸びも変わります。

◆ナンバリング作品の楽しみ方

岡島信幸氏によれば、ナンバリングシリーズは、1作目と2作目、3作目と4作目、5作目と6作目で、それぞれ一つの物語となっているとのこと。『地球防衛軍6』がきっかけで初めて同シリーズを遊ぶユーザーは、ストーリーを楽しむならば『地球防衛軍5』からプレイすることがおすすめです。

日本においても新型コロナウイルス感染症の蔓延やPS5発売などによる開発の停滞や路線変更などで、大きな影響を受けた『地球防衛軍6』。それでも同作は「日本ゲーム大賞2023」で優秀賞を受賞しており、「アジアのファンの皆さんにもきっと楽しんでいただけると思います」と岡島信幸氏は太鼓判を押しています。

今後の展望については、「もっと世界各国のEDF隊員を増やしたい。それに尽きます。“地球を守るため~大勢の兵士が必要だ~”と隊員が歌っていますからね」と回答する岡島氏。アクションが持ち味のナンバリング作品がしっかりとした幹としてあるからこそ、枝葉であるスピンオフもこれから広がっていきそうです。


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《乃木章》
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