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イラク戦争を題材にしたサードパーソンシューターとして発表されたSix Days in Fallujah。政治的な議論を呼ぶことも多い現在進行形の戦争をゲーム化するのは、開発元のAtomic GamesやパブリッシャーのKonamiもリスクは覚悟の上だったかもしれませんが、早くも各界の関係者から発売禁止を求める批判の声が相次いでいるようです。
UKのDaily Mailは、2003年に英国海兵隊の息子をイラク戦争で亡くしたReg Keys氏の声を掲載。
無数の命が失われたことを考えれば、ビデオゲームでイラク戦争を再現するのはお粗末で悪趣味な決定だ。このような恐ろしい事件は、歴史的な資料として記録されるべきであり、スリルを求める娯楽としてわい小化すべきではない。
このゲームをイスラム教徒が買う可能性も当然ある。彼らにとって大いに悲痛なものであることを証明するだろう。それどころか、もしこのゲームが狂信的な若い信者の手に渡れば、何らかの報復行動へ駆り立てるかもしれない。
私はこのゲームが少なくとも英国内では発売禁止されるべきだと主張する。
元英国軍の大佐でイラク戦争の勲章を持つTim Collins氏も、同様にゲームを批判。
現在も続いている戦争を題材にしたゲームを作るのは時期尚早で、近代史において最も重要な出来事の一つに対して、非常に軽率な反応である。ファルージャでどんなことが起こったかを考えれば、大いに無神経。このゲームの発売に私は断じて反対だ。
最後は平和団体“Stop The War Coalition”のスポークスパーソンTansy Hoskins氏のコメント。
2004年にファルージャでアメリカ軍とイギリス軍が実行した大虐殺は、モラルのない違法な戦争で行われた最悪の犯罪。民家の襲撃や爆撃によって最大で1000人の民間人が命を落としたと言われている。
(中略)
多くの死者や負傷者を出した戦争犯罪をゲームにするのは病的。ファルージャでの大虐殺は、見せかけの美化されたエンターテインメントではなく、不名誉で恐怖の出来事として記憶されるべきである。
(ソース: GamePolitics: Outrage Over Konami's "Six Days in Fallujah", イメージ: LA Times)
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