『Counter-Strike: Global Offensive』といえば、リアル系FPSにしてe-Sportsにおける花形の一つ『Counter-Strike』シリーズの最新作です。今回『CS:GO』で問題となったのは、カナダのBerri-UQAM地下鉄駅を再現するべく9ヶ月にもわたり製作されていたカスタムマップ。開発はDiego Liatis氏とFrédéric Denis氏の二人組です。
さて、「だいたいできた」の段になって場所をゲームに使用する旨を伝えにモントリオール市交通局(STM)に問い合わせたところ、返事はNoどころではありませんでした。STMが伝えたところによると要求は開発中止、すでに公になってしまっている場合は5万ドルの罰金にくわえ諸経費を求める、とのこと。決して軽くはありません。また、市議会でも門前払いにあっています。
真っ先に問題視されたのが知的財産にかかる問題。すでにゲーム開発者や弁護士などから当該事例が商標違反にあたる可能性があるとされています。当然といえば当然の話でしょう。
この件について、開発者の1人Liatis氏は「もし私が充分に権利使用料を払えるような、たとえばUbisoftか何か他の大企業であれば、彼らも心変わりするだろうかな?」と述べています。また、STM関係者がLiastis氏に「このゲームにより公共交通機関利用者がパニックを引き起こすかもしれない」とも語ったのも興味深いところです。つまるところ、テロの道具にされかねないと危惧したものと思われます。
じつはこのカスタムマップ制作、STMにより初期段階で拒否されています。にもかかわらずプロジェクトを続行したのは、パブリックスペースをゲーム内で再構築する行為が法的に制限されるはずがないとLiastis氏が主張したため。Denis氏も、「STMの反応は話にならない」とし、本当にテロを起こそうという奴は本物の駅に行って電車に乗って確かめるものだろう、としています。
STM側・開発者側それぞれに一理ある状態です。ただ、初代『CS』以降星の数ほどリリースされてきたカスタムマップのなかで本当にこれだけが問題だったか、については疑問符が浮かびます。権利問題を完全にクリアするように修正してしまえば、de_train_cnができあがるだけでしょう。誠実に対応した開発者だけが損を被るような流れだけは今後のためにも避けてもらいたいところです。
しかしながらただ似せるのはともかく、時勢的に似せると冗談でなくなる性質の映像というものもあります。たとえば2007年の『Resistance』vs英国教会の激闘も記憶にまだ鮮明なころ。現実のエッセンスをどこまでゲームに織り込んでよいのか、未だ境界線はいささか不透明です。
今後の動向が気になる問題ではありますが、とりあえずそれは別件として、マップ自体のデキがCSプレイヤーのお眼鏡に適うものだったのかどうか、ならびに開発者は問題になった駅に実際に足を運んで「ここが、A。ここが、B。ルートがこれとこれとこれ。完璧!」と着想したのかどうかが気になります。(ソース: PC Gamer, CBC News)【関連記事】Linux版Steamが正式ローンチ!記念セールの実施や『TF2』限定アイテムも
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