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無機質と有機質とセクシャルを融合させた恐怖感がありながらも格調高いギーガースタイルと、映画『エイリアン』の「エイリアン」を生み出したことで知られるデザイナーH.R. ギーガー氏。同氏が自宅の階段から転倒し、その際の負傷が原因で死去していたことが複数の海外メディアの報道より明らかとなりました。
海外メディアの報道によれば、現地時間5月12日にスイスのチューリッヒ自宅の階段にて足を滑らせ転倒。チューリッヒ内の病院に運ばれたものの、その後死亡が確認されたとのこと。ギーガー氏は1940年2月5日にスイスのクールに生まれ、今年で74歳を迎えていました。
チューリッヒの大学でアーキテクチャや産業デザインを勉強したギーガー氏は、英国ロックバンドEmerson, Lake & PalmerのアルバムBrain Salad Surgeryを筆頭にジャケット・デザインを担当。自身が描いた絵画Necornom IVからインスパイアされデザインが生まれた映画『エイリアン』では、1980年にアカデミー視覚効果賞を受賞しています。ほかにもエロティックSFホラー『スピーシーズ』およびカルトホラー『キラー・コンドーム』の製作に参加したことでも有名です。
ゲーム分野では1995年にセガサターンやプレイステーションにてリリースされたアドベンチャーゲーム『ダークシード』および『ダークシードII』のデザインを担当。その高い難易度と共に、あの強烈なオープニングシーンを未だ忘れられないプレイヤーも多いでしょう。国内では『帝都物語』の映画版にて使い魔「護法童子」をデザインしたほか、PCエンジン向けタイトル『邪聖剣ネクロマンサー』のパッケージイラストに既存のギーガー氏のイラストが許可を得て使用されていました。