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EA、Ubisoft、Activision、2K Games、Warner Bros.と大手パブリッシャーの巨大ブースに囲まれるBethesdaのE3ブース。今年同社がメインで展示しているのが、今や数少ない“国産トリプルA級タイトル”のサバイバルホラー『サイコブレイク(英題: The Evil Within』です。まるで最後の砦のような存在感を放っていました。
『The Evil Within』はE3開催前のタイミングで、欧米でのリリースが10月下旬に決定しており、会場では関係者のみのプレイアブルデモが展示。内容は、以前お届けした国内向けハンズオンと同じでしたが、筆者は初プレイということもあり、簡単なインプレッションをお伝えしたいと思います。海外向けの絶叫リアクショントレイラーを見ても、半端ない怖さであることが伺える本作。怖気づきそうになります。
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プレイの順番を待つ間、本作のシンボルである脳味噌の前で心を落ち着ける。
デモは2つのチャプターがプレイ可能で、クリエイター三上真司氏のおすすめだという、チャプター4から選択。セバスチャンが博士と共に、とある村で失踪した患者を探すところから始まります。ステージ構造は一本道ではなく、辺りには古びた民家が点在していて、探索要素があります。ちょっとした裏道や小部屋で意外なアイテムが見つかることも。
戦闘システムはシビアかつ独特な印象。デモで多く見られる本作のクリーチャーは非常にタフで、普通に銃で撃ったり近接武器で殴っても、すぐに倒れてくれません。頭部や脚を狙う必要があります。弱点を狙って地面に倒しても、しばらくすると起き上がって再び襲いかかってくるので、マッチを投げて火葬するのがセオリーです。一般的なTPSやアクションゲームと同じノリでプレイすると、すぐに行き詰まってしまうはずです。
また、『サイコブレイク』のゲームプレイに捻りをきかせているのが、トラップの存在。ワイヤーやセンサーで爆発するタイプが確認できました。トラップは、そっと近付いてミニゲームを行うことで解除できたり、解除せずにうまく敵をおびき寄せて爆発させれば、弾薬の節約になるでしょう。
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忘れてはならないもうひとつの重要な戦術は、逃げること。
難易度設定にもよりますが、ステージ中で手に入る弾薬やマッチ、回復アイテムの数は限られているため、如何に節約して戦うかが鍵。否応なしに初期の『バイオハザード』シリーズを連想させると同時に、トラップや特殊ボウガンなどをからめた戦闘におけるプレイヤーが取れる行動の多さ、それによって生まれるラーニングカーブ、様々な状況下で機転をきかせて乗り切れた時の快感が、本作の大きな魅力だと感じました。
次にプレイしたチャプター8は、洋館を舞台に、戦闘よりも謎解き要素にフォーカスした構造。建物内の三箇所の装置を作動させて、巨大な扉をあけるという仕組みで、あちこちに手がかりが散りばめられていて、気味の悪いロボトミー手術的なパズルがあったりと、飽きさせません。頭を悩ませて油断した隙にクリーチャーに襲われることがあるので注意が必要。
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『サイコブレイク』は本当に怖いのかどうか、海外記者たちの間でもトピックになっているようですが、筆者の感覚では、少なくとも今回したプレイした部分だけを見る限り、映画的な演出面で恐怖を覚えることはありませんでした。それよりも、「弾がなくてヤバイ」「敵とトラップに囲まれてパニック」「ベッドの下に隠れようとして見つかる」というような、自分のプレイが介入する、ゲーム的な恐怖・焦りを感じることが多いのは、ある意味でホラーゲームの正しいあり方と言えるでしょう。いや、単に筆者が下手なだけなのかもしれませんが……。
Tango Gameworksが開発する『サイコブレイク』は、PS4/PS3/Xbox 360/PC/その他の次世代機を対象に、2014年発売予定です。