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三和とセイミツ。アーケードゲーマーなら当然、一度は聞いたことのあるメーカーでしょう。事実、日本のアーケードゲームのスティックやボタンはほぼこの2社の製品で占められています。日本のアーケードゲームやアミューズメント施設の展覧会であるJAEPOでも、当然、これらの周辺機器メーカーは参加しています。今回はアーケードゲーマーなら誰でもお世話になっている三和とセイミツのフォトレポートをお送りします。
多種多様なニーズにこたえる三和電子
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周辺機器メーカーとしてはかなり大きいブースを構える三和電子。ブースの中には様々なアーケードゲームのパーツがところせましと並んでいます。特にカラフルなレバーボールやボタンは見ているだけでも楽しくなります。一方、何に使うか素人にはまったくわからないパーツもたくさん。マニア心をくすぐられます。
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一般のお客さんにオススメなのはジョイスティック型のイヤホンジャックマスコット。スマートフォンのイヤホンジャックにかぶせるとおしゃれなアーケードゲーマーとしてアピールできます。色は白と黒の2色。できればもっとカラフルな種類もほしいところです。
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また変わり種としては参考出展されていたホバリング機能搭載をした照光式押しボタン。こちらは手をかざすだけでボタンが発光、さらに押し込むこともできます。どういった使用を想定しているのかをうかがったところ、例えば手をかざしてルーレットが回転、さらにボタンを押し込んで回転を止めるといった二段階の操作に利用できるそうです。またシューティングゲームでは手をかざして通常ショット、ボタン押し込みでボム発動といった使い方もありえるそうです。
スティックへのこだわりを感じるセイミツ工業
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セイミツ工業のブースは三和電子に比べると小規模です。しかしながら、その名の通り精密に作られたパーツの数々が小さなスペースに密集しており、これまたマニア心が駆り立てられます。三和電子のような遊び心があるアイテムは少ないですが、本気の業務用製品としての渋さにあふれていました。
特に気になったのは新作ジョイスティックのブラインドテストコーナー。二人用のコントロールパネルに刺さっている2本のジョイスティックの一方は現行の旗艦製品LS-31、もう一方は新製品のプロトタイプ。アーケードゲーマーなら当然、この2本を見分けられるはずということでテストとともに製品へのフィードバックを募っていました。
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アーケードでシューティングゲームをやる人間として筆者は本気でブラインドテストに挑戦。見事、新旧2本のジョイスティックを見分けることに成功しました。感覚としては現行のLS-31がカチカチとしたセイミツ独特の硬さがある一方、新作はどちらかというと三和のスティックにも似た柔からさがありました。
実際にセイミツの方にたずねてみたところ、これまでのLS-31はパナソニック製のスイッチを部品として使用。そのパーツが生産終了となるためオムロン製のスイッチに置き換えた新製品を開発中。三和のスティックもオムロン製のスイッチを利用しているため、感触が似てきたのではないかとのこと。
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シューティングファンとしてはあのカチカチとした感触がセイミツスティックの魅力。セイミツとしてもLS-31に似た感触の新製品を目指しているため、今後は使える部品を様々に検討しながらセイミツらしいスティックを開発していくそうです。