美しいアニメアートスタイルで仕上げられている『東京ダーク』は、刑事である伊藤絢美を主人公とした横スクロールミステリーホラーADVです。映画のようなストーリーを綴る『HEAVY RAIN-心のきしむとき』や『シェンムー』、2D横スクロールポイント&クリックアドベンチャーの名作として名高い『クロックタワー』に『The Blackwell Legacy』、また『ひぐらしのなく頃に』や『コープスパーティー Book of Shadows』などのビジュアル・キネティックノベルからも影響を受けています。
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影響を受けた各タイトルからも分かる通り、欧米の会話選択ゲームと日本のビジュアルノベルを融合させた独特のスタイルを持つ本作は、スタイリッシュな薄闇の近未来・東京を舞台に物語が進行。現実と非現実の狭間を行き来するストーリーは複雑に展開し、「ジュニアアイドル」「自殺」「女性差別」といった、現代社会が抱える問題も大胆に取り入れています。
また本作は、プレイヤーの選択がストーリーに大きな影響を与え、会話分岐と10種類に及ぶ異なるエンディングが用意されています。手がかりを集めて謎を解く場面もありますが、それぞれのパズルには様々な解決方法があるので、よりプレイヤーの意思が介在しやすい作りになっている模様です。
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パートナーが行方不明となった一件に端を発し、はじめは単純かと思われた事件が複雑かつ怪奇な様相を見せ始めた時、伊藤刑事はやがて自身の正気をも疑わざるを得ない深みへと誘われます。この、猫をも殺すような好奇心を刺激する本作は、キックスターターにてクラウドファウンディングを開始しており、幅広く協力を求めています。
2011年の東日本大震災と福島原発事故を目の当たりにしたジョン・ウィリアムズ氏が、本作品のクリエイティブディレクターを担当。「日本の人々がどのようにトラウマと向き合うのか、そのことを表現したかった」「この悲劇を直に体験したことで、『東京ダーク』という物語をより深く掘り下げることができたように思う」とウィリアムズ氏は語っており、伊藤刑事の正気度(SAN値)が本作を進める上で重要なポイントになるとも明かしています。
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「プレイヤーの選択ひとつひとつが意味を持つ」という点が重視されている本作は、インディースタジオのゲーム開発資金調達をサポートするための、インディー支援プロジェクト「Square Enix Collective」において、コミュニティーから94%のサポート率という非常に高い評価を受けました。
現時点では、約25分のゲームプレイが楽しめるプロトタイプが開発済みです。今回のクラウドファウンディングで支援を受けることで、「全てのキャラクターアート・バックグラウンドアートを仕上げる」といったビジュアル的な面から、「キャラクター動作を改良し新たなものを付け加える」「ゲームのスクリプトを編集・翻訳する」とのプレイ環境に及ぶものまで、様々なポイントに臨みます。
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またストレッチゴールを達成することで、新たなチャプターやより素敵なエンディング、ボイスオーバーといった要素の追加が行われるので、「興味が湧いてきた」「本作を遊んでみたい」という方は、まず日本向けの『東京ダーク』キックスターターページをご覧になってみてはいかがですか。
■東京ダーク・キックスターター 日本語ページ URL
http://www.tokyodark.com/kickstarterjp.html
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記事提供元: インサイド