11月28日にGame*Sparkでお伝えしたPS4『DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Fortune』およびPS Vita『DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Venus』の「欧米リリース中止」の噂。『DOA』公式Facebookアカウントではフェミニズム的観点や「ゲーマーゲート問題」を考慮したと思しきメッセージが投稿されていましたが、コーエーテクモゲームスは12月2日未明に新たなコメントを発表。いわく、「Facebookに掲載された内容は担当者の個人の意見にすぎず、企業としての意見やビジネス戦略を反映しているものではない」とのことでした。あわせて、『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』の欧米向けリリースは検討されていない旨も伝えられています。
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これを受けて、海外フォーラムNeoGAFの『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』スレッドではユーザーからの反響が多数寄せられています。中には「ゲーマーゲート」やフェミニズムの影響下にある一部の「Social Justice Warrior(SJW: 社会の正義を守る戦士)」を指しながら、「SJW達の隠密作戦が上手くいったみたいだ」「SJW達がコーエーテクモに侵入していてSNS担当者を検閲してるのかも」と、一連の騒動を揶揄する動きも見られていました。
「ゲーマーゲート」渦中の人物である「Feminist Frequency」運営者Anita Sarkeesian氏は、これまでに『DOA』シリーズを問題視する映像を投稿していました。強い語気で「ゲーム内の女性描写」を非難する彼女の姿勢は一部のゲーマーから更なる反感を買っていましたが、海外フォーラムでは「例の声明文はゲーム自体とはあまり関係ないように見える。それに、“SJW”なんて侮蔑的な言葉を扱う人とは関わりたくない」と、今回の件の本質は別にあり、「ゲーマーゲート」との議論を隔てようとする声も見られています。
しかしながら『Assassin's Creed Syndicate』のような例を見るに、ゲーム業界の一部において「性の描写」がセンシティブなものとなっていることに疑いようはありません。本件の火蓋を切った「ビデオゲームに関わる女性を巡る問題」への言及は、あくまで「SNS担当者による個人的見解」と説明されていますが、海外版『零 ~濡鴉ノ巫女~』水着コスチューム削除のように、ゲーム業界全体が社会性を意識した結果、一部のゲーマーの期待を裏切ってしまう可能性にも疑惑が残ります。フォーラムに投稿された「ポリティカルコレクトネスはビデオゲームを破壊する。最近のゲームでゾンビやエイリアンとしか戦えない理由を考えてみよう」とのコメントは、『DOA』シリーズファンや議論に参加しているユーザーのみならず、多くのハードコアゲーマーが熟考すべきポイントであると言えるのではないでしょうか。