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米国で開催中のゲーム開発者向けイベント「D.I.C.E.サミット2016」にて、コジマプロダクションを率いるゲームクリエイター小島秀夫監督がギレルモ・デル・トロ監督と共に基調講演を実施しました。これにあわせて、複数の海外メディアが小島監督にインタビューを実施。「Oculus Rift」や「PlayStation VR」で注目を集めるVR技術について、興味深いコメントを見せています。
20年前から注目されていたVR技術について、小島秀夫監督は「これまでずっと興味を持っていた」と述べており、今日になりいよいよ到来しつつあるVRの時代に強い好奇心を持っている旨をコメント。数年前にVR開発キットに挑んだ際には強い“3D酔い”に陥ったとのことですが、現在の技術力で開発された新たなVRデバイスを使用した際には“3D酔い”もそう感じられなかったらしく、「何かを開発するための更なる確信が得られた」と語っています。
小島監督はVRデバイスとシューター作品の親和性を認めながらも、自身のモチベーションは「人々にユニークな感覚を提供すること」にあると発言。彼はVRデバイスに「気持ち悪いもの」や「恐ろしいもの」を表現するツールとしての可能性を見ており、「グロテスクだったり血まみれだったりするものではなく、何か異なる種類の恐怖」を描くするための力を感じたようです。
小島監督は「実際の世界」と「VR世界」をそれぞれ認識、そして“錯覚”する人間の脳に面白さを見出したらしく、『P.T.』や『Silent Hills』、そしてホラーゲーム作品の開発に直接言及しなかったものの、VRデバイスには「これまでのビデオゲームに存在しなかった何か」があると、新たな時代の流れを感じさせるコメントを述べています。