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既報の通りPlayStation VR(PS VR)の価格発表が行われた3月15日のSCEAプレスカンファレンス。会場には試遊可能な最新コンテンツが25本登場し、華やいだ雰囲気を醸し出していました。限られた時間ではありましたが、そのうちの何本かをプレイできたので、感想を紹介しましょう(カッコ内は開発スタジオ、またはサードパーティ名)。
◆Social VR demo(ワールドワイドスタジオ)
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今回新しく登場したタイトルの一つで、個人的にもっとも楽しめたものです。PS VRを装着して楽しむアバターソフトで、両手にPlayStation Move モーションコントローラ(PS Move)を持ち、サムアップやサムダウン、グーパンチのハンドジェスチャーで感情を伝えたり、PS VR内蔵マイクを通してボイスチャットが楽しめます。
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デモでは4人1組となってスタッフの指示に従いながら南国風の島をツアーし、PS Moveで両手を動かしながら楽器を演奏したり、ブロックをつかんでキャッチボールしたり、ボール遊びをしたりといったアクティビティが楽しめました。中でも驚かされたのはボールを地面にバウンズさせて空高く舞い上がることができたことで(若干の不快感がありましたが)、名作『ジャンピングフラッシュ』のジャンプを彷彿とさせました。
バーチャル世界の中で、PS VRによって拡張された身体を用いて、さまざまな体験が直感的にできる楽しさは想像以上。通常のチャットソフトとはまったく異なる体験で、一緒に体験したメンバーからは「これヤバい!」「おもしろい」と笑い声がたえませんでした。筆者も空高く舞い上がりながら、「気持ち悪いけど楽しい!」と口に出してしまいました。
◆ジョシュア・ベル インタラクティブテックデモ
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新作デモの一つで、グラミー賞ヴァイオリニストのジョシュア・ベルがピアノ伴奏で演奏する「ハンガリー舞曲第1番」を、間近で体験できるというノンゲームコンテンツです。PS VRを装着するとそこは教会内。体験者の目前3メートルくらいの距離で演奏するベルの姿が、360度パノラマ動画と3D音響で再生されます。頭を左右に回転させると、ちゃんと音源の位置も左右に移動し、自然な聞こえ方で楽しめました。
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ただし、筆者の感覚では若干、現実世界よりもジョシュア・ベルが小さめに表示されているように感じました。そして、これが若干の不快感に繋がっているようにも感じられました(これには個人差があると思われます)。いずれにせよ、ライブ会場でコンサートを楽しんだり、スポーツ中継で実際にグラウンドに立ってみたりと、さまざまな可能性が感じられるテックデモでした。
◆User Experience
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本会場ではPS VRを用いた既存コンテンツや映像作品の楽しみ方も紹介されました。PS VRにはPS4の画面をそのまま表示する「シネマティックモード/メディアプレイモード」があり、プレイヤーはPS VRを装着したままメニュー画面を操作できます。暗闇の中に映画スクリーンが表示されるようなスタイルで、ちょうどゴーグル型動画プレイヤーを装着して映像を楽しむようなイメージです。
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デモではブルーレイディスクによる映画の上映と、PS4版『Flower』のプレイが楽しめました。このようにPS VRではPS4のコンテンツをそのまま楽しむことができるとのこと。スクリーンの大きさは3段階に調節できるとのことです。PS4搭載のメディアプレイヤーも360度パノラマ動画の再生に対応する予定で、ゲーム以外のエンタテイメント用途でもPS VRが楽しめそうです。
◆DRIVECLUB VR(Evolution Studio)
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発売中のレースゲーム『DRIVECLUB』のPS VR対応版です。ハンドルコントローラー+フットペダル+PS VRの組み合わせにより、史上最強のドライブシミュレーター体験が味わえました。なにより自然だったのは、首を左右に回しながらコーナーの出口を見つつ運転していくコーナーリングの感覚です。視界を左右に向けるとバックミラーやサイドミラーで後続車の様子もしっかりと確認できます。いずれも、これまでのレースゲームには乏しいもので、VRコンテンツならではだと改めて感じさせられました。
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また筆者はレースゲームを遊ぶとき、通常はビハインドビューを選択するのですが、今回はドライバーズ視点で挑戦してみました。すると立体視によって表現されたハンドルやコンパネと、車の外に広がる道路の奥行き感が自然に表現されていることもあり、とても自然な感覚で運転できました。
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もっとも、VRレースゲームはクラッシュやスピン時などに不快感を覚えることが多いのですが、今回は低難度でプレイしたこともあり、目立つクラッシュなどもなく、快適に走り終えることができました。この点、リリース版ではどのような対応が行われるのか、VRでレースゲームを作る開発者には良いお手本になりそうです。
◆RIGS(Guerrilla Games)
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PS VRのお披露目時から「esports風ゲーム」として注目を集めていた本作。筆者もようやくプレイすることができました。
ロボットに乗って敵を倒しながら、エネルギーボールを3個集めてゴールにたどり着けばポイントゲット。制限時間内での点数を競うFPSライクなスポーツシューティングです。ゲームは3対3のチーム戦で行われ、チームワークが鍵を握ります。
ゲームとしてのおもしろさもさることながら、驚かされたのはHUD類の表示です。画面の中央にでかでかと表示され、通常のゲームでは邪魔としか思えないデザインです。しかし、これらはコクピットと共に、すべて立体視で表示されています。そのため、いざPS VRを装着してゲームを始めると、これがまったく気にならない、優れたデザインだと感じられたほど。VRコンテンツのUI/UXは、既存のゲームと文法がまったく異なることを予感させます。
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しかし、本作は激しい回転や急加速などが繰り返されるためか、筆者はかなり「VR酔い」をおこしてしまいました。もっとも「まったく気にならない」という記者もいたほどで、体質や慣れの問題も大きそうです。いずれにせよ、最注目タイトルの一つであることは、間違いないでしょう。
◆Rez Infinite(Enhance Games)
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ドリームキャストとPS2で2001年に発売された『Rez』が、満を持してPS VRにも登場します。ワイヤーフレームで描かれたゲーム内世界は、当時からプレイヤーの中で360度に広がるバーチャル空間へと脳内補完されていました。それがいよいよ実際に体験できるということで、終始多くの体験者でにぎわっていました。会場にはクリエイターの水口哲也氏も登場し、ひっきりなしに取材を受けるなど、人気の高さが感じられました。
ゲーム内容はまさにPS VRによって拡張された『Rez』そのものという感じで(ボディソニックがないのが残念でしたが)、古くて新しい印象です。ワイヤーフレームも立体視によって奥行き感が演出され、使い古された表現ですが「サイバーワールド」の中にいるのだという実感を強固なものにしてくれます。操作も頭をふって照準をつけられるようになり、より直感的にプレーできるものに。多くのメディアが音楽にあわせて、ノリノリでプレーしていました。
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ただ、頭の回転ではなくコントローラのアナログスティックで照準をつけてみたところ、急にVR酔いを自覚することに。頭部での照準ではまったく気にならないため、なにか理由がありそうです(もっとも、まったく気にならないという人もいました)。いずれにせよ、発売が楽しみなタイトルであることは間違い有りません。