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任天堂のインディーサポートってホントはどうなの? "Nindies"なデベロッパーが語るトークセッション

日本でも"Nindies"と名付けてインディータイトルを推すようになったほか新しいデベロッパーポータルでは個人開発者にも門戸を開き、プラットフォームへの参入が容易になった任天堂。しかしその内情はどうなのでしょうか?

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ここ数年、インディーデベロッパーの支援に力を入れている任天堂。日本でも"Nindies"と名付けてインディータイトルを推すようになったほか、新しいデベロッパーポータルでは個人開発者にも門戸を開き、任天堂プラットフォームへの参入が容易になりました。しかしその内情はどうなのでしょうか?

BitSummit 4thの初日に行われたパネルでは、"Nindies"を代表するデベロッパー3社が登壇し、その実情を語りました。登壇したのは『蒼き雷霆ガンヴォルト』を大ヒットさせたインティ・クリエイツの會津卓也社長、『ショベルナイト』ではamiiboも登場したヨットクラブゲームスのIan Flood氏、そして『Year Walk 最後の啓示』を開発したDakko DakooのRhodri Broadbent社長です。


■任天堂プラットフォームを愛するユーザーの存在

最初に語られたのは、他のプラットフォームとは異なるユーザーの存在です。

「任天堂のハードを愛するユーザーというのが確実にいますので、そこに相性が良いというタイトルはあると思います。我々のタイトルも、発表したら凄くファンが盛り上がってくれました。また、任天堂プラットフォームならではの味というのもあると思いますね」(Rhodri Broadbent氏)


「任天堂のハードは他にはない雰囲気があると思います。それに『ショベルナイト』はとても合っていると感じました。実は海外では任天堂のファンはとっても情熱的で、たぶん『ショベルナイト』が他のプラットフォームでしか出なかったら怒られていたでしょうね(笑)。それくらい『ショベルナイト』は任天堂のハードにフィットしていると思います。バーチャルコンソールで『スーパーマリオブラザーズ3』を遊んで、その後に『ショベルナイト』を遊んだら、全く違和感ないでしょ?」(Ian Flood氏)

■インディーをサポートする姿勢

いま全てのプラットフォームがインディーデベロッパーを囲い込もうと支援を強めていますが、任天堂はどうなのでしょうか? 3社からはサポートの質についての言及もありました。

「任天堂のサポートでE3に出展させてもらって、しかも試遊台が置かれた場所は"インディーコーナー"などではなく、普通の超大作と並べてもらったんです。そこで差別をしない姿勢はとても良いと思いました。多くの場面でサポートしてもらい、さすが任天堂だと感じましたね」(Rhodri Broadbent氏)

「(ヨットクラブゲームスでは『ショベルナイト』のamiiboをリリース)amiiboをインディーデベロッパーに作らせてくれたのは本当に凄いと思いました。amiiboが発表された時から、どうしても作りたくてお願いに行ったのですが、数カ月後に"本当にやりますか?"と返事がきました。僕らのゲームが認められたとも感じましたし、本当に嬉しい瞬間でしたね。」(Ian Flood氏)

「任天堂を一番リスペクトしているのは、ゲームの価値を信じて、安く売らない、という姿勢です。eShopでもセールはありますが、その値段決めでも適切な金額を設定しようという姿勢が感じられます。そこに強く共感していて、だから任天堂ハードでやっているのだと思います」(會津卓也氏)


■マーケティング面でのサポート

インディーデベロッパーにとって苦手なケースが多い、ゲームを"売る"という側面。ここでも任天堂からのサポートがあると3社は語りました。

「セールをやるときは必ず声をかけてくれますね。先日のeShopの5週年セールにもお声がけをいただき、参加したのですが、とても良い結果がありました。あまり具体的な数字は言えませんが、全体の10%くらいがセールによる売上になっています。そのセールの際の価格設定についてもサポートをしてくれます」(會津卓也氏)

「開発サポートだけでなく、マーケティングやセールについても世界中で支援してもらえるのはインディーにとっては有難いですね。『ショベルナイト』をリリースした時はeShopの壁紙を『ショベルナイト』に変えてくれたんです。こんなサポートは他できなかなか受けられないと思うので、"Nindies"になれて良かったなと思いました」(Ian Flood氏)


「日本のデベロッパーとして嬉しかったのは海外のレーティング取得をサポートしてもらえたことですね。世界各国でレーティングを取得する必要があるのですが、取るのが難しい国もありますので、それを各国の任天堂を通じて支援してもらえたのはとても助かりました」(會津卓也氏)

■開発者登録も飛躍的に簡単に

このように高い評価を受けている任天堂のインディーサポート。さらに嬉しいことに、BitSummitに合わせるように、任天堂のデベロッパーポータルがリニューアルし、オンラインからの登録受付や、個人開発者の登録にも門戸を開きました。

講演の最後には任天堂 業務部の担当者から本件について説明があり、「昨年秋から一部のデベロッパーさんに活用していただいていましたが、広く使っていただく準備ができました」とコメント。司会者からは来年3月予定の「NX」にも"Nindies"が参加できるのかという質問がありましたが、「いまコメントできることはないのですが、来年3月の発売予定ですので準備自体は進めています。デベロッパーポータルでも遠くないうちに案内できると思います」との回答でした。

BitSummitに初出展を果たしたように、着実に前に進んでいる任天堂のインディーサポート。他のプラットフォームとは異なるユーザー層を持つ任天堂プラットフォームを検討されている方は是非新しいデベロッパーポータルをチェックしてみてください。
《土本学》


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