Frontwire Studiosが、非公式のスター・ウォーズゲームとして開発していた『Galaxy In Turmoil』。非営利での配信を目指していた本作ですが、ライセンス元であるLucasfilmより開発停止要求を受けたと報告されています。
これはFrontwireの社長であるTony Romanelli氏が公式ブログで報告したもの。それによると、2016年6月22日にLucasfilmより、スターウォーズIPを使用する『Galaxy in Turmoil』の開発を停止するようメールで連絡を受けたとのこと。Romanelli氏は連絡を受けた後、自分達のプロジェクトについて議論するために、Lucasfilm社幹部との会談を要請。同氏は交渉する場が持てることを期待していなかったようですが、Lucasfilmの幹部は会談の場を設けることを承諾し、1週間後に話し合いが行われたと伝えています。
会談は電話で行われ、Romanelli氏とLucasfilmの意思決定権を持つ2人の幹部との間で行われたとのこと。その会談の中で、Lucasfilm幹部はスター・ウォーズIPのゲームはElectronic Arts(EA)と専属契約が結ばれていることを説明した上で、EAが『Galaxy in Turmoil』のプロジェクトの継続を望んでいないと伝えたとのこと。Lucasfilmの立場としてはEAとの契約に基づいて『Galaxy in Turmoil』がスター・ウォーズIPを使用することを停止、あるいは拒否する義務があるということです。ちなみにRomanelli氏はEAに『Galaxy in Turmoil』を売り込みを試みた経験があるそうですが、成功しなかったことを明かしています。
Romanelli氏は開発停止が要求されたことについて、EAとLucasfilmには何の恨みも持っていないと語りました。同氏はスター・ウォーズブランドが貴重で収益性の高いブランドであると説明し、EAとLucasfilmが非常に高価で収益性の高い契約を結んでおり、FrontwireにIPの使用を停止するよう求める正当な権利を持っていると理解を示しています。一方で『Galaxy in Turmoil』という無料のファンゲームをパックアップすることは、ブランドを効果的に引き立てる方法であると、EAが理解してくれることを望んでいると伝えています。なお、開発停止の要求は最終決定事項であり、事業として、そしてコミュニティとして尊重しなければならないと報告しています。
また、同氏はLucasfilmとの法廷闘争に持ち込んだ場合、「フェアユースの法理」の観点から開発が認められる可能性があると説明。しかしながら、Lucasfilmと法廷闘争を繰り広げてお金を得ることを求めていないと伝えた上で、実業家として、他の企業と、その知的財産に十分な敬意を持っていると述べています。

なお、Lucasfilmは『Galaxy in Turmoil』がスターウォーズIPを使用しない、『Star Wars Battlefront』にインスパイアされたゲームであれば全く問題ないとの見解を示したとのこと。Romanelli氏は、この見解を「新たなる希望」と称した上で、『Galaxy in Turmoil』を新しい宇宙を舞台にしたオリジナルゲームとして開発する予定であると伝えました。地上から宇宙までを収めた64人の大規模なマルチプレイ、シングルプレイヤーキャンペーンを収めたゲーム性は変わらず、予定通りSteamで無料ゲームとしてリリースされるとのことです。
本作についてはクラウドファンディングで開発資金を集める計画もあるそう。しかし、クラウドファンディングが持つ問題点を把握しており、少なくとも1つのシングルプレイヤーミッションと2つのマルチプレイヤーマップを含むデモ版がリリースされるまでは実施しないと明言しています。