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『METAL GEAR』シリーズの最新作であり、タイトルにある通り“生存”が大きな軸となる『METAL GEAR SURVIVE』。本作が発表された際、その新たな方向性に対する賛否が沸き起こり、ファンを中心に大きな話題となりました。
反響の大きさは、すなわち注目度の高さとも言えます。様々な意見が飛び交うのは、小島秀夫監督が関わらない開発体制への不安視もありますが、本作の情報量の少なさも大きな理由のひとつ。具体的なゲーム内容や、『METAL GEAR SOLID V』の開発スタッフは関わっているのかなど、取り巻く環境の不透明さがシリーズファンの気持ちを揺らしています。
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ですが、このたび行われた東京ゲームショウにて、全世界初公開となるプレイ映像のお披露目も含めた『METAL GEAR SURVIVE』ステージイベントを実施。しかも、『METAL GEAR SOLID V』を含め多くのシリーズ作に関わりを持つ是角有二氏が、本作のプロデューサーとして舞台に登壇しました。
是角氏は、『METAL GEAR SURVIVE』に対する反響の大きさや、厳しい声があることも承知していると発言し、しっかりと受け止める姿勢を見せます。その上で、今回のステージイベントで、本作の更なる情報を発信しました。
このイベントでお披露目された映像は、現在Youtubeにて一般公開中。まだ未見の方は、協力プレイの全体的な流れや敵への対処法、また協力プレイは「潜入フェーズ」と「防衛フェーズ」からなる二部構成といった、最新情報の数々を映像で直接チェックしてみてください。
YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=gmoviUmHP0I
映像が終了した後は、MC・森一丁氏からの質問に答える形で、『METAL GEAR SURVIVE』の本質に触れていきます。まず本作は、『METAL GEAR SOLID V』のスピンオフ作品ですが、その性質はゲーム性やアクション性をアセットするという方向性で、物語としては『METAL GEAR SOLID V』にまったく影響を与えないとのこと。ゲームプレイのスピンオフ作品と言えるのかもしれません。
敵を、人間ではなく“クリーチャー”にしたのは、映像でも活用されている「クラフト」で生み出したトラップやフェンスとの兼ね合いが大きな理由のひとつとしています。相手が人間の場合、障害物があれば避けるのが当然で、見えているのに突っ込むのは不自然。是角氏曰く「違和感がある」ため、「防衛」というゲーム性を豊かにしつつ不自然さをなくすよう、敵を人間ではなくクリーチャーにしたと明かします。
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またクリーチャーを選んだ理由はもうひとつあり、本作の世界は物資が乏しく銃の弾も貴重なので、必然的に近接戦の比重が増しています。そのためゲームバランスの上で、敵の視界が良いと近接戦闘を挑む前に発見されやすく、かといってバランス重視で視界を悪くすると、「人間なら普通気づくだろ」という鈍さになってしまい、これも違和感のひとつになってしまいます。この問題を解決するため、近接戦闘を組み込むバランスにした上で、相手の視界を悪くしても違和感がない存在としてクリーチャーを選んだとも述べました。
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協力モードは二部構成で、「防衛フェーズ」は主にウェーブ制で襲い来るクリーチャーを迎え撃つのが軸となります。ですが、ステルス要素が皆無ということはなく、防衛拠点から少し離れた場所のワームホールから素材が落ちてくることもあるので、それを回収するためクリーチャーに気づかれず行動すべき場面も。なお下手に見つかり対処を誤れば、防衛拠点に多くのクリーチャーを引き寄せる結果になりかねないので、「防衛フェーズ」時でもステルスは重要な要素になっています。
素材を無視するという手もありますが、クリーチャーの進行を阻止するフェンスやバリケードを作るには素材が必要。防衛拠点をバリケードで囲むといった設置方法も出来るので、素材はやはり魅力的な存在です。
ちなみに弱点をついてクリーチャーを倒すと、クリーチャーを素材にすることも可能。公開された映像では背後から弱点を狙うシーンもあるので、気づかれずに背後を取るのは素材獲得の意味でも有用な手段となることでしょう。そのためには、音などで注意を引き付けるとやりやすくなります。
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映像では、プルトンキャノンを使って羊に注目を集めさせ、一気に駆逐する様子も描かれていました。なお羊は、ワームホール回収装置で送った後は、飼って育てることが可能。育てることで、素材獲得の一助となる模様です。
ここからは個別ごとの話となりますが、武器は色々なものを用意すると明かしており、特に近接武器のバリエーションが多いとのこと。また最初は原始的な武器ですが、最終的には「どんでもないもの」もあるそうです。加えて、「いろんなシリーズの武器を登場させたい」との展望も述べました。
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クリーチャーから怪我を負わされると、アクション面などで不利になり、治すには怪我に応じたアイテムが必要に。また治療には時間がかかるため、仲間が治療を始めたら援護に回ってフォローするのも大事な役目となるでしょう。
操作性に関しては、本作のルールに合うよう少しだけ手を加えたものの、基本的には『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』と同様とのこと。『TPP』経験者なら、すんなり操作に馴染めそうです。
また本作には、一人で挑むシングルミッションも用意。協力プレイよりもいっそう「サバイバル要素」が強くなるため、歯ごたえがありそうな予感を覚えます。協力プレイにひとりで挑むこともできますが、是角氏の反応からするとかなり無謀な挑戦のようです。少なくとも、相当に強くなった後で挑む方がいいでしょう。
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シングルミッションも含め、情報を随時発信していくと語った是角氏は、世界の人たちに喜んでもらえるように邁進する姿勢を見せ、イベントを締めくくりました。これまでのシリーズ作が好きだからこそ、大きく変わったように見える本作に厳しい声も集まるこの状況を、是角氏がどのように「SURVIVE」していくのか。今後の動向に更なる注目が寄せられることでしょう。
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記事提供元: インサイド