
ついに来た。ついに来てしまった……。僕が大の苦手ジャンル、ホラーゲームが!
「次はこのゲームなんてどう?」と編集者にすすめられて「あ、いっすね!リアルで面白そ~」なんて顔していたが内心では

怖くてオネェみたいになっていた。

今回プレイするのはソニー・インタラクティブエンタテインメントのVRホラーアドベンチャー『The Inpatient -闇の病棟-』です。
サブタイトルの「闇の病棟」からしてももう怖い……「The Inpatient」の意味(入院患者という意味らしいです)はよくわからんけど何だか怖い……まさに恐怖の欲張りセット……!

設定画面では字幕や音声操作、視点移動の角度調節などの設定が可能。操作はPlayStation Moveモーションコントローラー(以下:PS Move)とDUALSHOCK 4の両対応。
PS Moveでの操作はボタンを押しながらコントローラーを傾ける事により視点変更や移動が出来る。独特の操作性なので慣れが必要。DUALSHOCK 4の方は、FPSのような操作感だ。
さてさてゲームスタート……

どうやら僕は、どこかの部屋に監禁されていて、手足が拘束されているようだった。
そこに胡散臭い謎の老人がやって来る。
「さて 私のことを覚えているかね?」

老人の言葉に反応するような選択肢が目の前に表示された。今回は「あなたは医者ですか?」と「ここはどこ?」のふたつ。
なんと、このゲームでは、表示された選択肢を実際に声に出して読み上げる事により、読み上げた方の選択肢を選べる!「え?読み上げて選ぶだけ?普通にボタンで選んだ方が早いんじゃないの?意味あんの?」と思う人もいるだろうが、実際に声に出す事により、目の前にいる人間と会話しているような感覚になり、没入感が高まるのだ。
つまりは……めっちゃ怖くなるのだ……!(設定により音声認識のオンオフ切り替え可能)

まあ1番怖いのは、中年男性が1人でゲームに話かけている姿なんだけどね。

そういえばこんな事があった。
「このジジイ、おそらく病院の先生なのかもしれないけど、いけ好かない顔してんな。もうちょっと顔をよく見たろ!」と僕は思い、現実の自分の身体を前のめりにさせるが――その時、偶然にもジジイ先生も身体を前のめりにさせて来て……

誤キスしちゃったでごわす。
心に深い傷を負ったが気を取り直していこうと思う。

どうやらこのジジイ先生、主人公の過去の記憶を探っているようだった。ただし、主人公は記憶喪失の状態になっていて、断片的なシーンにしか思い出せない。そのシーンをジジイ先生に伝えるとこう言ってきた。
「大変だと思うが できるならもう一度試してみたい。やってくれるかね?」
一瞬「キスをか!?」と勘違いしたが、もう一度、過去の記憶を思い出せって事ね!

ただ、僕はジジイ先生の事をあまり信頼していなかったし、とっとと先に進みたいので、あえて挑発的な選択肢を選んでみた。

すると、注射器を持ち出すジジイ先生。

その注射器に焦りまくる吉田おじさん。
必死の謝罪も虚しく注射器を太ももにぶっ刺され、意識を手放す……

おじさんが「勘弁してくれ…」と思った恐怖ポイント その1
「グラフィックが実写さながらのリアルさで、登場人物に愛嬌一切なし!」
今まで発売されたVRゲームの中でも1、2を争う実写寄りのリアルに描かれた人物。その表情に一切愛嬌はなく、無表情で迫り来る彼らは恐怖そのものだ……!
描写範囲内ギリギリまで近寄ってみるとよくわかる、作り込まれたジジイ先生のシワ。本当にリアルで驚いた。

実写寄りのグラフィックで、微塵も可愛くない看護師のビクトリア……ただただ恐怖。

閑話休題。深い眠りから覚めると、そこにはエイブという男が立っていた。「エイブだよ。忘れたのか?」どうやらこの台詞から察するに僕とエイブは知り合いのようだ。僕の担当主治医だろうか?
エイブに車椅子を押してもらい、病院の中を移動する。

「やあ えっと スザンヌ?いつも元気そうだね」どうやらこのエイブ君、チャラ男なのかすれ違う看護師さんをナンパしている。しかし、スザンヌは「チャラ男はお断り」と言わんばかりにエイブをスルーした。
その際、「君じゃスザンヌ落とすの無理やで」的な選択肢が表示されたので

僕は上から目線でそれを選んだ。

「寝間着姿のくせに偉そうだぞ」と、エイブ君にマジギレされてしまった……。ごめん。

僕の病室に辿り着くと、エイブ君がいきなり僕のベッドで寝そべる。えっ、この人、僕の担当主治医的な存在じゃないの?僕と君はどんな関係なの?
先ほどのジジイ先生とキスした記憶がフラッシュバックし、もしかしてこれから「お前もベッドにこいよ」って言われる展開なのか?と勝手に邪推してしまう。「ジジイ先生キス事件」の心の傷も癒えないまま、さらにハードコアな世界に足を踏み入れるなんてごめんだ。

僕ほんとそういうの無理やから!
万が一本当にそういう展開になったら怖いのでエイブ君を追い出す事にした。

そういえば、エイブ君が寝ていたそばにメモ帳が落ちているのに気付く。手に取ってみると、それには「エイブとスザンヌのデート。軽い食事、緊張するな……」と書かれていた。
どうやらエイブ君のデートプランらしい。スザンヌってさっきスルーされた子だよね?

先ほど追い出したエイブ君があわてて部屋に戻ってきた。どうやらあのメモを探しているようだ。「なあ俺何か落とさなかったか?そのなんだ…メモみたいなやつ」と、エイブ君に聞かれたので

エイブ君を煽りまくった。
本作はホラーゲームだが、こういう楽しい選択肢もあるみたいでおじさんは安心した。
その後ベネットという同室の男性もやって来て、エイブ、スザンヌ、ビクトリア、ベネット、そして僕の5人が繰り広げる「闇の病棟 青春白書」がスタート!するわけもなく、茶番はここまで……

おじさんが「勘弁してくれ…」と思った恐怖ポイント その2
「時折フラッシュバックのように見る悪夢」
突然、あかりが消えて荒れ果てた病棟内に舞台が移り変わる。寝ている時に視る悪夢なのか、過去にあった事を思い出しているのか、投薬による幻覚を見せられているのかわからないのが精神的に非常にくる。
ネタバレになるので詳しく書けないが、主人公とベネットは病室内に監禁され、徐々に精神を蝕まれていき、悪夢を見る頻度も増えていく……

薄暗い病院の廊下。
モヤの中に佇む男の影。
男の後を追い病室に入ると

「もしかしてベネットか?」
声をかけようとすると突然男の姿は消え
ドアのそばに瞬間移動する。

背を向ける男に再び声をかけようとすると…

体は背を向けたまま、顔だけがキリキリキリと、首を捻りながらこちらを向い……

大変ショッキングな映像の為、代わりにおじさんの首がくるくる回る愉快なgif動画をご覧ください。
ネタバレになるのでプレイ絵日記はここまでです。この段階で30分くらいのプレイ状況で、クリアまでは大体2時間半かかりました。分岐ポイントでは「何も答えない」という回答を加えて3つの選択肢を選ぶ事が出来、ストーリーが分岐していくので、何周も繰り返し遊ぶ事によって物語への理解を深めていく事になります。
冒頭でも触れた音声認識システム、オンオフが選べるのだが是非オンにしてやって欲しい。没入感が半端ないです。さらに、例えば「ここはどこ?」という選択肢を選ぶ時、「ここはどこ?お前は誰や!」と会話口調にしたり一言付け加える事によって没入感はさらに高まりますよ!
『The Inpatient -闇の病棟-』は、PlayStation 4を対象に発売中。価格は4,212円(税込)です。
吉田輝和のプロフィール:17年以上にわたって自画像の絵日記を書き続けているおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」をはじめとした人気漫画のモブキャラとして登場しており、日々その存在感が高まっている。ちなみに、巨大な食べ物を作っていく企画でカルト的な人気を誇る個人ホームページ「吉田が巨大な物を作ってますよ」も運営中。