◆ Heroes of a Broken Land

開発・販売:Winged Pixel Inc.
発売年:2014
ランダム生成の世界を舞台に、多数のパーティーを組み上げ無数のダンジョンを制覇せよ。複数パーティーで挑むダンジョンやボス、制限少なめのキャラ育成も魅力
本作の舞台は、かつて「クリスタル」の力を用い神の如く君臨した6人の魔法使いが存在し、平和だった世界。しかし「クリスタル」の暴走により、世界は無数の“かけら”へと別れた土地へと変貌してしまいます。
プレイヤーは、実体を失った6人の魔法使いの1人となり、無数の“かけら”の内1つで、様々な英雄たちを集め、魔物たちが住む迷宮の掃討や街に攻め込んでくる敵の迎撃の傍ら、世界の探索を行い“かけら”にそれぞれ存在する、火・氷・土・風の4種の精霊を制し、悪しきものと化した「クリスタル」の正常化を図ることになります。

本作の特徴として、本作の冒険の舞台である各々の世界も、世界に存在する多数の迷宮も全てがランダム生成であるということが挙げられます。ランダム生成と言うと無味乾燥なものになりがちですが、本作のダンジョンは複数の階層や隠し通路、罠やダークゾーンなども備えた本格派。勿論手動で作り込まれたものには勝てませんが、十分ダンジョン探索に彩りを与えてくれます。

どうしても繰り返しになりがちなダンジョン探索だけにオートマッピング済みの指定地点までの自動移動やクリア後のボタン一つでの退出など便利機能も充実している本作。手に入る魔法のアイテムの性能もランダム性があるのが嬉しい所です。なお、世界の広さですが、最小でもクリアに10数時間、それ以上では広さ自体が倍々になっていくという大ボリューム。更にニューゲーム開始時には様々な難易度調整も行えます。
また、本作の世界は非常に広く、1つのパーティーではとても手が足りません。そこでプレイヤーは最大6パーティーを組織し、並行して活動をさせていくことが可能です。また、一部のダンジョンでは複数のパーティーを別の箇所から同時に突入させ、それぞれ異なるルートの道を相互に切り開いていく必要も。更に一部のボス戦は複数パーティーでの同時戦闘となり、最大6x4、24人での戦いになるのは必見です。

本作の成長要素は、レベルアップでの基礎値の追加と、ボーナスの振り分け、特定レベルでの選択式でのスキル取得や、特定条件でのクラスチェンジなど一般的なものが揃っていますが、特筆すべきは「スキル本」の存在。キャラクターに制限なく魔法やスキルを取得させることが可能で、比較的制限なくキャラの育成が可能となります。また、拠点となる街自体もお金などを利用して様々な機能拡張を行っていく要素があります。
一見DOS時代かと思うほどにオールドスタイルなビジュアルの3DダンジョンRPGである本作。青い全裸の人間が並ぶ特異なイメージイラストも異彩で、ページを見た瞬間に一瞬で回れ右、というユーザーも少なくないのかも知れません。しかしながらその初見のインパクトさえ乗り越えてしまえば、UIデザインや超高レベル帯での一部バランス、コンテンツ種類の不足、といった小規模インディーならではの問題点こそあるものの、心ゆくまで遊び続けられる、実にオススメの一作です。
なお、キャラクターの顔は自作画像が使用可能。オフィシャルではわずか40x40ピクセルの正方形png画像が推奨されていますが、実際は画面の解像度に合わせたサイズに拡縮されており、本作のHD環境での実質の最大解像度である1280x960(画面比率4:3以外は黒帯が左右に出るだけのため、実質役割を果たさない)では、160x160ピクセルの画像がジャストフィットするため意外と美麗なキャラの画像で遊べます。
◆ Legend of Grimrock シリーズ

開発・販売:Almost Human Games
発売年:2012(1)、2014(2)
高いレベルでまとまった、リアルタイム形式3DダンジョンRPGの傑作
3DダンジョンRPGには大きく分けて2種類の系統が存在しています。片方は非リアルタイムで進行するタイトル、そしてもう片方は名作『ダンジョンマスター』に代表されるリアルタイムでゲームが進行するタイトルです。
本作は、そのうちでも後者、リアルタイム進行となる作品。1、2それぞれに異なる物語が展開する本作では、プレイヤーは最初にメイクした4名のパーティーを率い、様々な謎と危険を秘めた迷宮や、2では複数の迷宮のある島で冒険を繰り広げることになります。

『ダンジョンマスター』をリスペクトし、現代風のタイトルとして練り上げた趣の本作は、ダンジョンの雰囲気や謎解きなどもバッチリ。リアルタイム形式作品の魅力である、気を抜けない緊張感や手に入ったアイテムリソースの管理などの要素も備え、現代にオールドスクールの楽しさを伝える作品として非常に高品質にまとまっています。謎解きはあるものの、本格的なストーリーRPGに比べれば言葉自体は少なく、遥かにわかりやすいのも嬉しい所です。
なお1・2ともにSteamワークショップに対応している他、キャラ画像も128x128ピクセルの自作のものが利用可能です。
◆ Infinite Adventures 無限の冒険

開発・販売:Stormseeker Games
発売年:2018
日本産作品へのリスペクト光る「JRPG」スタイル3DダンジョンRPG
非リアルタイム形式の3DダンジョンRPGである本作は、謎の迷宮「無限の迷宮」へと挑む主人公ら冒険者達を描いた作品。日本の有名3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮』や、その源流である『Wizardry』に強い影響を受けているだけでなく、その上で記憶喪失の主人公を主軸としたストーリーもフルボイスでしっかりと展開していく、「JRPG」スタイルに近い姿となっているのが特徴です。また、ダンジョンも通常のものに加え自動生成エリアも用意されています。
キャラのクラスも多数が用意されておる他、スキルツリー形式で様々に性能を分化させていけるため、十分にキャラ育成の魅力を味わえる他、人物キャラクターの立ち絵は口パクなどもするため見た目以上には満足感があるのも嬉しい所。なお、キャラ画像の自作への対応は記事執筆時点では検討中、とのことです。
Game*Sparkでは開発者へのインタビューも掲載中です。