◆ Zavix Tower
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開発:Batholith Entertainment 販売:Indie Voyage
発売年:2016
潜って・戦闘して・また潜る。この基本ルーチンを突き詰めた自動生成マップのハック・アンド・スラッシュ系タイトル
「ハック・アンド・スラッシュ」。現代では主に『Diablo』に代表されるアクションRPGの様式を示すことが多いですが、もとを辿れば『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』などでひたすら探索とモンスター退治、それによる宝の入手やキャラクターの成長に重点を置いたものとして利用されていました。
本作はそんな原点に立ち返るかのような3DダンジョンRPGです。ストーリーもほぼ皆無で、プレイヤーはただひたすらにレアアイテムを求め終わりなき自動生成のダンジョンを突き進んでいくことになります。ある程度の段階までは本特集でも紹介した『Heroes of a Broken Land』に近しい部分もありますが、本作の真の特徴はキャラクターのレベルに限界がある代わりに、アイテムのランクが上がり続けるということ。ランダム性能の武器と相まって延々と終わりなきトレジャーハントを楽しむことができます。
◆ The Fall of the Dungeon Guardians
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開発・販売:Mana Games
発売年:2015
リアルタイム制ながらも独特の戦闘や、自作キャラ同士の会話も魅力の骨太ダンジョンRPG
パーティーベースなリアルタイム3DダンジョンRPG。本作の魅力である、その戦闘システムはアクションゲームというよりはターン制に近く、MMOのようなヘイト管理も重要となっていくもの。戦闘ではポーズも掛けられる他、行動予約もあるためリアルタイム制ながら戦術性の高い戦いが展開するのが特徴です。敵のリスポーンや必要以上のレベリングはないので、ある意味ではパズル的な要素でもあります。
また本作の特徴としては、プレイヤーパーティーはキャラメイクにより作成するのですが、その各キャラクターに各々会話がある、ということ。通常キャラクターメイク型のゲームでは仕方ないとは言え、掛け声など以外では無口なキャラクターが大半を占めるため、ゲームに彩りが生まれる意味で、プレイヤーに好き嫌いこそあれども、嬉しいところではないでしょうか。ゲームのボリュームもかなりのものがあるのでじっくりと骨太な探索を楽しんでいくことができます。キャラクター画像には指定の方法で、256x256ピクセルのjpg画像が利用可能です。
◆ The Bard's Tale Trilogy
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開発:Krome Studios 販売:inXile Entertainment
発売年:2018
名作は色褪せない。リマスターかくあるべしな作りの一本
『Tales of the Unknown: Volume I The Bard's Tale』。当時有名クリエイターRoe Adams氏が開発に携わっており、Adams氏が同じく関わった名作シリーズ『Wizardry』や『ウルティマ III』のキャラクターのインポートなどに対応するなど野心的であった同作は、その時間経過の概念や、味方モンスターの召喚の要素や、時に数百体の敵をなぎ倒すことになる戦闘、バード(吟遊詩人)を重視したシステム、アニメーションするグラフィックなどと共に、人気を博し、『The Bard's Tale』としてシリーズ3作目までが作られました。
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その後シリーズはジャンルを替え一度リブートされたものの、再び停滞に。そして2018年に発表されたのが本作『The Bard's Tale Trilogy』です。特徴としては初期3作全てのリマスターであることが挙げられ、すべての作品でキャラクター男女の選択や、オートマッピング、クイックセーブの搭載などが行われた統一のシステムで遊べることが挙げられます。それだけでは勿論なく、当時のUIの雰囲気はそのままに、ダンジョンはしっかりとしたフル3Dに、キャラクターやイベントグラフィックはアニメーションのコマ度合いも含めて古い雰囲気を残した手書きへと変更。音楽も勿論現代のクオリティになっています。リマスターではどうしても「コレジャナイ」となりがちですが、本作に関してはその問題を回避することに成功したようです。なお、記事執筆時点では三作目『Thief of Fate』パートのみはベータ版での実装となっています。
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余談ながら『The Bard's Tale』といえば、新作『The Bard's Tale IV: Barrows Deep』も2018年にリリースされました。こちらは『The Bard's Tale』らしさこそ薄れているものの手堅い作りの硬派な洋RPGに仕上がっています。なお、同作の版権を持つinXile Entertainmentは2018年11月にマイクロソフト傘下となったため、同シリーズの日本語展開にも少しながら期待してみたいところではないでしょうか。
◆ Sakura Dungeon
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開発・販売:Winged Cloud
発売年:2016
肌色たっぷりモン娘ハーレム構築計画、目指せ百合ハーレム女王!
特にSteamでの美少女ゲーム解禁初期のタイトルで知られたWinged Cloud。通常はビジュアルノベルのみを手がけていた同社が送るダンジョンRPGが本作『Sakura Dungeon』です。長い眠りから目覚めた妖狐Yomiと、Yomiを目覚めさせた騎士のCeriとの、モン娘に溢れかえったダンジョン攻略の珍道中が展開します。
最大6人パーティーの本作では、敵を捕らえて味方メンバーにすることができるのが特徴。装備類はありませんが、味方はアイテムでの追加の強化を施すことができます。ノベル用のエンジンを用いて制作されている本作ですが、基本的な便利システムなどは完備しており、バランスが比較的簡単目なのも相まって比較的気軽で快適にゲームを進行することが可能です。
しかしながら、本作は美少女ゲームとして知られる『Sakura』シリーズ。登場するモン娘も肌色たっぷりなら、主人公2人には様々な肌色たっぷりな着せ替え要素まで。戦闘ではダメージなどで服が破れる要素も完備しています。英語のみなのが難点ですが、比較的容易でキャッチーグラフィックのタイトルだけに触れやすいプレイヤーは多いことでしょう。
なお、本作のバグフィックスなどがなされた、恐らくは最終バージョンである1.05は公式にはリリースされておらず、利用のためにはSteamのベータタブからベータ版を利用する設定にする必要があります。