気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、James Patton氏開発、PC/Mac/Linux向けに2月1日リリースされたサイバーパンクシミュレーション『Spinnortality | cyberpunk management sim』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、大企業が大きな力を持つ未来を描くサイバーパンクシミュレーション。プレイヤーは企業を創設し、恐ろしい製品を作り、メディアを操作し、暴動を引き起こし、株式市場を破壊し、政府を倒し、不死身となります。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Spinnortality』は1,499円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
James Patton氏(以下Patton氏)James Pattonです。イギリス出身ですが、8年前に彼女と一緒に住むためにオーストリア・ウィーンに引っ越しました(彼女がここの大学に行きたかったということと、私もここに来るのが楽しそうだと思ったので)。大学では英語とインタラクティブメディアを勉強しました。ゲームは美しく力強いアートの形だと思っています。あと、飼っている猫が大好きです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Patton氏長い間、私はオーストリアで英語をアルバイトとして教えながら家計をやりくりしつつ、ゲームプロジェクトを進めていました。ある日、英語の未来形を教えていたのですが、生徒たちに「最も未来的でひどい製品」を考え、私がそれを使いたくなるように説得してほしいと頼んでみました。すると、彼らが思いついたのは「あなたがいつ死ぬか具体的にわかる装置。そうすればお金の管理がもっと上手くできます!」というものでした。この奇妙なロジックが、一本のゲームになるんじゃないかと思ったのです。当初は今と比べてもっと小さな構想で、数個の要素があるだけでしたが、様々な要素を増やし続けた結果、本作はより複雑で面白いものになっていったのです。本作のテーマは今日における寓話であり、未来への不安を表すものでもあるでしょう。
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――本作の特徴を教えてください。
Patton氏本作はサイバーパンクであり、企業が強大な力を持つディストピアな未来を舞台としています。サイバーパンクとは、1980年代に人々が未来の資本主義が持つ止まることの無い権力への不安を表現するために作られたSFのサブジャンルです。私は本作を作るにあたり、サイバーパンクの本質を突く作品にしようと決めました。プレイヤーは月で新たな体を育て、巨大なレーザーを作ります。しかし政治家に賄賂を渡したり、軍事クーデターを起こしたり、PRにお金をかけることで自分の身を隠すこともできます。本作は未来的でサイバーパンクなゲームですが、実際は現代の政治、テクノロジー、資本主義、文化に関するものなのです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Patton氏リサーチとして、たくさんのサイバーパンク作品を読みました。「ニューロマンサー」はもちろん、「Mirrorshades」「Islands in the Net」「オルタード・カーボン」も読んでいます。「Islands in the Net」という本はキャリアウーマンが社内でのランクアップを目指して危険なタスクにつくというもので、特に興味深かったです。これと比較し、「ニューロマンサー」はハッカーと犯罪に関するものです。「オルタード・カーボン」は脳移植テクノロジーの点でとても参考になりました。この本のおかげでスクリーンがどのような見た目になるか、アイデアを得ることができたのです。また、私は「攻殻機動隊」の大ファンでもあります。しかしその影響は微々たるものでしょう。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Patton氏まだ対応していませんが、もし多くの日本人の方から連絡があれば、検討したいと思います!翻訳にどれぐらいの費用がかかり、それが回収できるかという問題でもあります。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Patton氏ゲームというものは美しく、楽しく、人を惹きつけ、考えさせます。楽しく、視野を広げることができるゲームが、これからもたくさん出てくるといいですね!
――ありがとうございました。
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