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「中華ゲーム見聞録」第61回目は、たった一人で開発した高クオリティFPS『Bright Memory』の、11月21日の大型アップデート後のプレイレポートをお届けします。
本作は1月12日にFYQD-Studioによって、早期アクセス版がSteamで配信されました。FYQD(飛燕群島)氏というたった一人の開発者によって作り出された本作のクオリティは、筆者も含め多くのゲーマーたちを驚かせました。当時の状況については「中華ゲーム見聞録」第18回目や、FYQD氏へのインタビューを参照してください。
前回お届けした記事の時点では売上が2万本でしたが、今では20万本を突破したとのことです。また前回はパブリッシングも個人で行っていましたが、今回はPLAYISMがパブリッシャーとなり、中国を除く全世界への販売サポートを実施することとなりました。
それに伴い、11月21日の大型アップデートにより、日本語と英語の音声がサポートされました。これで言語の壁でプレイをためらっていたゲーマーたちも、本作に手が出しやすくなったかと思います。また今回の大型アップデートによって、コントローラーへの本格サポートやゲームの最適化など、細かい点への対応もされています(詳しくはこちらの記事を参照)。
本作は、今回の大型アップデート以前にもさまざまなアップデートが入っており、前回の記事でプレイしたときからだいぶ変わっているかと思います。それらのアップデートもひっくるめて、前回からどう進化したかに注目しながら、さっそく本作をプレイしていきましょう!
日本語字幕に日本語音声!
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開始すると表示が英語になっていました。日本語にしたい場合は「Options」→「Sound」から「Language」と「Audio」を変更してください。コスチューム変更ができるので、前回と違うコスチュームでいきましょう。髪型もツインテールに変わり、「若き日のシア」という様相になりました(べつに今が若くないというわけではないですが)。
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最初のムービーでは日本人声優による音声が入ります。中年の男が独白で語るような中国語音声とは違い、日本語版は長老が重々しく語っているような感じです。音声が違うと雰囲気がだいぶ変わりますね。
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そして登場した我らが主人公のシア。声優は石川由依さんで、『NieR:Automata』の2B役やTVアニメ「進撃の巨人」ミカサ役を務めています。クールなシアにはぴったりな声です。
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前回はキーボードとマウスを使ってプレイしましたが、今回はコントローラーに正式対応したとのことなので、Xboxパッドを使ってのプレイです。銃を撃ったときの振動にもちゃんと対応していますね。左側のニュースが流れる掲示板も、しっかり日本語にローカライズされています。もちろん兵士の声も日本語。
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シアのスキルの一つである「電磁パルス」。敵を空中に打ち上げることができ、続けざま剣や銃撃で空中コンボを入れられます。パッドの場合、十字キーの左を押さなければならないので慣れが必要。それにしても前回の記事以来プレイしていないので、操作方法を含めていろいろ忘れていますね。パッドを使うのも初めてですし、初見プレイのような気分で遊んでいます。
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打ち上げたあとに、RBで剣撃を入れていきます。このときに十字キーの上で衝撃波を飛ばす「光刃斬」、下で地面の敵を打ち上げる「地裂斬」になります。キーボード操作だとマウスのホイールを上か下に回すだけだったので、ちょっと戸惑いますね。
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敵を倒して目的地にたどり着くと、宿敵のカーターが登場。声優は利根健太朗さんで、洋画吹き替えのようなやけにかっこいい声です。ストーリーや演出自体は同じで、このあと森へワープさせられます。
前回とは違う敵
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パッドでのエイムに不安を感じながらも、ワープさせられた森の中を進んでいきます。注意書きは見やすい色になっていますね。たしかここを抜けて下へ行ったところに、最初の大型敵である狼が登場するはずです。
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そして現れたのは……誰やねん。狼じゃなくてライオンになってますね。しかもヒレのようなものを生やしています。前回よりも明らかに強そうです。
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突進してきました。背中にアルマジロの甲羅みたいなのが付いているし、なんだか怖いのですけど。攻撃が効いているのかどうかもよくわかりません。というか、本気で怖いのでこっちに来ないでほしい。
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キメラライオンを倒したのち、今度は剣を持った敵が現れました。以前はもっとゾンビチックな外見だったと思いますが、なんだかスタイリッシュになっていますね。あと全体的に敵キャラが見やすくなっています。
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ロープを木の枝に射出しての空中移動。パッドの場合はLBになります。前回よりもマーカーが見やすい。実はこの場面、前回はどうやって進めばいいのかわからなくてしばらく迷っていました。ユーザーフレンドリーなのはいいことです。
思った以上に苦戦
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どんどん先へと進んでいき、謎解きの場所までたどり着きました。しかし敵の攻撃が激しく、さらにパッドになかなか慣れないこともあって大苦戦。あえなく殺されてしまいました。うーん、難しい。
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能力強化画面。パッドだと、左アナログスティックでポインタを動かします。移動速度が遅かったので、足の速くなる「機能解放」を取っておきましょう。
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それと今回の新機能として、オプションの「コントロール」の項目にFOV(Field Of View。視界の広さ)が追加されました。デフォルトは90度ですが、酔いやすいという方はここの数字を上げるといいかと思います。
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さらに進むと出てくるラットマン。こいつも以前とちょっと違って、肩パッドが強化されています(以前は丸っこい形だったかと)。あと目が光っているので、見やすくなっていますね。
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前回は暗いところだと敵が見づらかったのですが、今回は目が光ることによって視認しやすくなりました。とはいえ、敵の猛攻に晒されてまた死亡。やはりなんだか難しくなっているような……。下手になっただけかもしれませんが。
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某ゲームのパロディも健在。この先はたしか、筆者がもっとも苦手としていた中ボスが登場します。今のスキルで勝てる気があまりしません。
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「迷いの森の領主」という日本語名を引っ提げて現れた中ボス。鎧を着ているのでダメージがなかなか通りません。主人公・シアは果たしてどのように立ち向かうことになるのか……この続きはぜひとも自身でプレイしてみてください。
よりユーザーフレンドリーになった本作
前回と比べて、プレイのしやすさや画面の見やすさが格段に上がっていました。特に敵の目が光ることから、暗いところでも見やすくなっています。インディーゲームは尖ったところがある反面、ユーザーのプレイアビリティがなおざりにされているものも多々見られますが、本作はAAA作品を意識して開発されているため、プレイのしやすさや視認性にはかなり気が遣われています。筆者は何回も死にながらもクリアしましたが、最後のボスのビジュアルも見やすいように工夫がなされていました。
本作は売れ行きがよかったことから『Bright Memory: Infinite』として、さらなるクオリティで再開発されています。現在は20%ほど開発が進み、あと一年ほどで完成するとのこと。Steam版だけでなく、PS4/Xbox Oneも対象にリリース予定です。すでにSteam版を購入したユーザーは『Bright Memory: Infinite』への無料アップデートが予定されています。本作は11月27日まで33%オフの482円になっていますので、日本語サポートされたこの機会にプレイしてみるのもいいかと思います。
製品情報
『Bright Memory』
開発・販売:FYQD-Studio、PLAYISM
対象OS:Windows
通常価格:720円
サポート言語:日本語、中国語(簡体字)、英語
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/955050/Bright_MemoryEarly_Access/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。
■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら。