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2020年5月27日、『エルダー・スクロールズ・オンライン(以下ESO)』の新拡張「グレイムーア」が配信されました。本記事では『スカイリム』ファンの『ESO』初心者がこの拡張を機に同作をプレイした感想を中心に、同拡張の序盤の見どころとなりそうなポイントをお届けします。
チュートリアルが『The Elder Scrolls V: Skyrim』
「グレイムーア」インストール後、新規キャラでスタートする場合、新規実装のチュートリアルシナリオがスタートします。開始直後、馬車で見知らぬ誰かに話しかけられるイベントはまさに『The Elder Scrolls V: Skyrim(以下:スカイリム)』。チュートリアル全体が『スカイリム』のセリフオマージュとなっているのです。
最初のイベントシーンだけでなく,シナリオ全体の構成、演出、マップのオブジェクト、敵、それら全てが「なんとなくどこかで見た」という非常に既視感を発生させるような絶妙な作りになっています。『スカイリム』プレイヤーであれば、新しいのに懐かしく思うこと間違いなし。チュートリアルを進めて行くうちに、いつの間にかゲームに慣れているハズです。
1000年前のソリチュード
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「グレイムーア」の最大の魅力は、『スカイリム』の舞台の1,000年前の姿が見れること。1,000年前……と言われると現代人にとってはあまりに昔過ぎます。日本なら平安時代。普通なら、歴史遺産であり痕跡すら残ってないかも、となるわけですが、魔法文化の存在する『ESO』世界では、文明の停滞現象が起こっているのか、建設途中的な面影がバッチリ。「ああ、この街はこうして作られていったのか……」という原形を留めており、非常に感動できる仕様となっています。
特に、今回最初に訪れることになる街、ソリチュードは『スカイリム』でも地形が特徴的であり、見た目で判りやすい作りになっていました。王城は岬の突き出した崖上に。港はその下の少し離れた場所に。その位置関係はまさにそのまま。迷宮のようになっている各連絡通路などはどこまで作られているんだろうか? 想像が止まりません。
城壁や倉庫などの、構築物の建材の「まだできてない」感もたまりません。非常に丁度良い拙い感じに仕上がっていて、ああ、ここから進化していくのかと思える構造になっているのです。
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オンラインRPGの新エリアとして
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「グレイムーア」では西スカイリム地方を舞台に、まずは、ダークな一族……吸血鬼を巡るシナリオが展開していきます。チュートリアルシナリオでもその一端は垣間見えており、残酷で醜悪な敵の存在がチラつかされます。細かいセリフに至るまで全て日本語訳、日本語音声が実装されている本作ではその重厚な物語をじっくりと楽しめることでしょう。
チュートリアルで同行するのが吸血鬼の魔術士。既に吸血鬼という時点で何か事件の予感。彼を助けて捕まってしまったエリアから逃げ出すのが最初の目的となります。当然、チュートルアルクリア後に、闇の一族に関係した連続クエストが発生します。この連続クエストが新規プレイヤーにクリア出来る難易度なのかは謎ですが、相当血みどろの展開が予想されます。ダークです。
新規プレイヤー、西スカイリムへ
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チュートリアル終了後は正直、まるでオフラインRPGである『スカイリム』かの様なノリでソリチュード近辺に放り出されます。その感覚はプレイ時間をある程度重ねた現在でも継続中です。最初からバンバンパーティを組んで、なんて無理なシャイなプレイヤーにとって、ゲーム自体に慣れるまではソロ。それが普通です。
しかし、ソリチュードから離れた場所はそれほどでもないですが、近辺はなんとなく覚えているレベルで『スカイリム』のランドマークが点在しています。そこで、馬車&厩や、特徴的な岩、祠や洞窟などを見て「ああ、そういえば、この辺に○○があったなぁ」と思いながら探索を開始。当シリーズではお馴染みの「方位にロケーションがうっすら表示される」システムを使用して、西スカイリムをソロの冒険者として堪能できています。
違和感は新規エリアということで、既存の熟練プレイヤー達が非常に多いということくらいでしょうか?「いつかあの人たちとパーティを組んで~」と思えるので頼もしい限りでもあります。
システム等は6年分の洗練を経て快適
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本作のレベルアップのシステムなどは非常に洗練されています。これはそもそも、同作が2014年のリリース以降、既に6年もの年月を経て、バージョンアップを繰り返してチューンされてきたため。オンラインゲームではあるものの、非常に細かい説明がちりばめられており、新規プレイヤーでも何の問題もなく遊べるようになっています。
と書くと、オフラインのソロRPGの様に思えるかもしれませんが、本作はオンラインゲームとしてサービスしてきた実績があります。当然、他のプレイヤーとの交流のためのシステムも多数用意されていますし、冒険しやすくなるアイテムの購入など要素も豊富。自分のプレイスタイルにあわせた多種多様なカスタマイズが可能です。
さらに月額制のESO Plusメンバーシップに加入すれば、常時多くの恩恵を受けることができます。フレンドをつくり、ギルドに加入し……と本格的に始めることになったのなら、その価値も理解出来るハズです。
PvP&他のプレイヤーとの関わり
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とはいえど、折角のオンラインRPG。「オンラインならではの楽しみは?」と思う人も多いと思います。本作でのPvPはエリア限定。シリーズプレイヤーには『オブリビオン』などで知られるシロディールエリアで大規模戦争(シナリオ)を楽しめます。
まあ、つまりはその他のエリアではPvPは行えません。今回追加され、新規で始めた場合そこを中心にプレイすることにある西スカイリム地方は共闘はあっても対戦は存在しないのです。熟練プレイヤーが襲いかかってくる恐怖がないのは嬉しいところでしょう。
自分が狙っていた獲物を先に倒されてしまう、といういわゆる“横取り”はやろうと思えばできますが、その際に、一撃でも敵を攻撃していれば戦利品を得ることが可能です。逆に「倒してくれてありがとう」という形になるのです。
本作はあまりオンラインRPGに慣れていない、オフライン専門のプレイヤーにも非常に優しいシステムになっています。
初心者用Tips
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ここからは、筆者がプレイして気づいた、初心者向けに役立ちそうなTIPSをお届けします。
・コントローラーを使用する場合、ゲームを一度起動し、ESCキーを押して「設定」を起ち上げ、「ゲームプレイ」の中の「ゲームパッド」をオンにする必要があります。さらに使用可能なコントローラーはXinput対応のもの限定です。
・各種装備をして、敵と戦い、勝利することで初めて得られるスキル種類が存在します。とりあえず、様々な武器や防具を装備して戦ってみることをオススメします。
・細かいチュートリアル、説明文が添付されているのでクエストなどで迷うことは少ないと思いますが、何か判らないコトがあれば、判らない項目の上にカーソルをマウスオーバーさせてみましょう。さらに細かく各種説明、解説を読むことが可能です。
タイトル:『エルダー・スクロールズ・オンライン:グレイムーア』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年5月27日
価格:4,719円(<グレイムーア>ベースセット通常版 エルダー・スクロールズ・オンライン 日本語版 7,139円)