オンライン対戦で負けるとイライラしてしまい、そんな気持ちのままプレイしてさらに負け続けてしまうことはありませんか。アメリカとポーランドの大学の共同研究で、「怒り」などネガティブな感情はポジティブな感情よりもゲームのパフォーマンスが低いことがわかりました。
スタンフォード大学とアダム・ミツキェヴィチ大学の共同研究では、EAのタイトル『FIFA 19』を用いて、18歳から37歳までの男性241人を対象にゲームプレイと感情の関係性について調べています。
調査は各プレイの前に特定の感情を誘発するよう調整された映画のクリップを見てもらっています。例えば怒りの感情を煽るための映画として、黒人差別やネオナチ問題を扱ったエドワート・ノートン主演の『アメリカン・ヒストリーX』が用いられ、ポジティブで熱狂的な感情を煽るためにはオリンピックの映像などが用いられました。
調査の結果、プレイヤーのゲームプレイのパフォーマンスと事前に感じていた感情には相関関係がみられ、楽しさや熱狂的な感情を煽られたプレイヤーは、中間の感情に比べてゴールやシュートの数、ボールの運び方など、ゲームプレイが向上していました。
逆に、怒りの感情を煽られたプレイヤーのゲームプレイは、ポジティブな感情のプレイヤーよりもパフォーマンスが低いという結果となりました。
研究論文の著者らは、感情を引き出すプロセスについて、主観的なものであるため特定の感情のみを引き出すことは不可能であること、今回の結果が他のスポーツにも当てはまることを示すものではないことなどに注意を促しています。
こういった研究が行われているのは、毎年20億円を超える規模のe-Sportsトーナメントが開催される中、多くのチームが最高のパフォーマンスで選手がプレイできるために専門家を雇用するなどした動きが背景にあるようです。
オンライン対戦で良い結果を出したいなら、深呼吸などしてイライラの感情を鎮め、楽しい気持ちになってからプレイした方が良いのかもしれません。
※UPDATE(2020/1/17 14:00):本文を一部修正いたしました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。