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PC向けオンライン対戦型FPS『Cosmic Warfere:BattleZone』の悪質プレイヤー対策システム「MNTS」を利用して、生き別れた母親と再会を果たした青年が話題になっています。
本作は、個性的なスキルを持つ魅力的なヒーロー達が互いに連携を取りながらチームを勝利へと導いていく『オーバーウオッチ』ライクなオンライン対戦型FPSシリーズ最新作。本作では、『エイペックス レジェンヌ』ライクなバトルロイヤルモードを導入しただけではなく、切った木が物理演算によって倒れていく新要素も追加されました。この要素は本作の唯一の魅力としてプレイヤーから高く評価されています。
本作は、2021年初頭からサービスが開始されたものの、ファンメールや複数回にわたる屈伸、女性プレイヤーへの執拗なナンパ、詐欺などの悪質行為を行うプレイヤーが多発し、ゲームが快適にプレイできないほど治安が悪化します。この問題についてはlGN Jaqanなどのゲームメディアでも詳しく報道されていました。
そして本作の開発元であるEwin Studiosは、前述の悪質プレイヤー対策システム「MNTS」を2月に急遽導入。このシステムは、ゲーム内にて悪質行為を働いた対象者の保護者に、その行為の詳細が自動的に報告されるものです。プレイヤーからは「ママに通報システム」と呼ばれています。
全てのプレイヤーは、アカウント登録時に登録者本人の個人情報と、保護者の個人情報“あるいは”SNSアカウントの連携が求められます。もし悪質行為を行った場合、前述したとおり保護者に連絡がいくようになっているのですが、なぜかSNSアカウントの連携のみを行っていても保護者に連絡がいくのです。「ママに通報システム」の開発者によると、悪質行為を働いたプレイヤーのSNSアカウントの情報をもとに、AIが保護者を探し当てているとのこと。
このゲーム内の悪質行為が保護者に通報されるシステムは、悪質プレイヤー対策として見事に機能し、悪質行為の発生数が激減。この結果に開発者は、「全てのオンラインゲームは『ママに通報システム』を導入することになるだろう」と豪語していました。
しかし、「ママに通報システム」の対象者の中には、デタラメな個人情報を入力した「捨て垢」でSNS連携をしているにも関わらず、なぜか保護者が探し当てられ、通報されたと証言する人が多く存在します。
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一部報道によると、「ママに通報システム」のAIがインターネット上のあらゆる情報にアクセスし、多岐にわたるプロファイリングを行うことによって対象者の保護者を探し当てているようです。ただ、その過程で法に触れている可能性があるとの専門家の指摘もあり、コンセントやネコソン、ヌク工二をはじめとしたオンラインゲームを運営する企業はシステムの導入に踏みとどまっているのが現状です。
そんな折、幼い頃に母親と生き別れたスウェーデン在住のVell Heim氏(27歳)が、このシステムを利用して母親と再会したというニュースが話題になります。
両親の離婚によって長いこと母親に会っていない同氏は、母親の所在を知りませんでした。父親が数年前に他界したこともあり、唯一の肉親の所在を気にするようになります。そこでメディアで報道された同作の「ママに通報プログラム」に注目し、わざとルール違反を犯して、AIに母親に自分の所在を知らせてもらおうと画策したのです。
同氏がオンラインマルチプレイモードを開始してしばらくすると、キルをしながら執拗に屈伸するプレイヤーが現れます。同氏もすかさず屈伸で反撃。この屈伸の応酬は3時間以上にわたって繰り広げられました。
「僕らの屈伸バトルは……侍の果し合いに近いものだったね。言葉では表現しきれない複雑な感情の流れが僕らの屈伸のひとつひとつに集約されていた。ログによると3時間くらい屈伸していたそうだけど、僕にはそれ以上長く感じられたね。それだけ濃密な体験だったんだ」と同氏は語ります。
もちろん両者は、「ママに通報プログラム」の対象となり、連絡先を含む個人情報が記載されたメールが同氏の母親に送信されることになりました。
さて、弊社が運営する大人気オンライン対戦型FPS『Cosmic Warfere:BattleZone』のオンラインマルチプレイモードにおいて、Vell Heim様が対戦相手に執拗なまでの屈伸をするという悪質行為を働いたため、アカウント停止処分とさせていただきました。
今後このようなことがないように息子さんのご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。(以下省略)
メールが送られた先はアラスカ州の寂れた港町。同氏の母親は、新たな家族と暮らしていましたが、それでも生き別れた息子のことは一度も忘れたことはありませんでした。このメールが届いた時は、何かのイタズラかと思いつつ、それでも一縷の望みをかけて記載された同氏の連絡先に電話をかけたそうです。
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こうして二人は、念願の再会を果たします。同氏は、これまで自分がどのような人生を歩んできたのか、どれだけ母親に会いたかったのか、オンラインFPSにおける屈伸とはどれほど罪深い行為なのか……そういった母と子の会話を数十年ぶりに楽しんだそうです。
この悪質プレイヤー対策システムがもたらした奇妙な感動物語は、Twiitterを中心に拡散し、ついにはEwin Studiosの運営スタッフの耳にも入り、同氏と屈伸プレイヤーのアカウント停止処分は無事解除されました(数日後、屈伸プレイヤーは屈伸行為で再びBAN)。
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心が晴れやかになるニュースですが、「ママに通報システム」の話はここで終わりません。このニュースを知ったTwiitterユーザーのDragonSlayer氏は、十数年前に両親を亡くしているにも関わらず、酒が入った勢いで同作のオンラインマルチプレイモードでわざと屈伸を行います。すると、「ママに通報システム」のAIは、なぜかニュージーランド在住の12才の少女にDragonSlayer氏の悪質行為を報告するメールを送信したのです。
不思議に思ったDragonSlayer氏は、なんとかしてその少女に連絡を取り、通話を試みることにしました。そして会話中、少女の声を聞いたDragonSlayer氏は、なぜか懐かしい気持ちになり、目から自然と涙が溢れてきたと言います。少女もそれに反応するように前世の記憶が蘇り、通話相手が自分の息子であることを悟ります。それからの少女は、純真無垢だった性格ではなくなり、政治と野球についての自論を長々と話すおじさんのような性格になったそうです。そんな変わり果てた愛娘を見た少女の両親が激怒。「うちの娘をもとに戻してくれ」とDragonSlayer氏を相手取り、裁判を起こそうとしましたが、前例がないとして裁判所から棄却されました。
この珍事は、母と子の再会の物語のインパクトを上回り、連日Twiitterのトレンドに。それに伴って『Cosmic Warfere:BattleZone』で面白半分に屈伸をしまくるプレイヤーが世界中から集まりました。
Ewin Studiosは、こうした状況を受けて同作のオンラインサービスの急遽停止を発表し、後日のアップデートで「ママに通報システム」の削除を行うことを明らかにしています。
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海外メディアの取材を受けた「ママに通報システム」の開発者は困惑した表情で、「もはやAIは、我々の理解が及ばないレベルにまで進化してしまった。君達は『なぜ来世の人間を特定できるのか?』と質問したいのだろう。私達もなまらわからないんだ。もしかするとAIは、ネット上のあらゆる情報の中から輪廻転生の理を見つけ出したのかもしれない。あるいは、人々が持つ、他者でも認識できない微弱な個性をデータベース化した上で、来世の人物を割り出しているのかもしれない。しかし、本当のところ何もわからないんだ……」と語っていました。
一方、社会学者のフィル・ミケルソン氏は、「今回は、Ewin Studiosの良心によって『ママに通報システム』が削除されることとなったが、これを利益のみを追求する企業が手にしたとしたら、おそらく人々の価値観が破壊されるだけではなく、臓器適任者の誘拐などのあらゆる犯罪に悪用されていたのかもしれない。我々人類は、AIの進歩に警戒し、監視しなければならない」と警鐘を鳴らしています。
前述したとおり、「ママに通報システム」は削除する予定であると発表されていますが、すでにシステムのデータがネット上に流出しているとの一部報道もあり、当編集部でもその動向に注目しているところです。
※UPDATE(2021/04/01 12:00):本記事は4月1日のエイプリルフールのために用意した創作ニュースです。生き別れていた親子も、BANされた屈伸プレイヤーも、前世の記憶が蘇ったおじさん少女もいないんです。よかったね。