最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」です。
今回は、Blackstaff Gamesがデベロッパーを、Merge GamesならびにMaple Whispering Limitedがパブリッシャーを担当し、2021年04月22日にSteamではPC(Windows)向けに、コンシューマではXbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチおよび海外PS4(国内は未定)向けにリリースした都市開発経営シム『Buildings Have Feelings Too!』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Buildings Have Feelings Too!』とは?
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本作は、意思と手足を持った建物たちを束ねて街の発展を目指す都市開発経営シミュレーションです。実際プレイしてみると、似たようなジャンルでよくあるパラメータ管理を徹底するゲーム。
……かと思いきや、それよりも、建物が持つ能力が自他に及ぼす影響を考慮に入れた、「配置」を中心に試行錯誤するパズルゲームの要素が強いと個人的に感じました。操作系と日本語訳にやや難がありますが、あまり他に類を見ないタイプのプレイ体験が新鮮で面白いのです。さっそく紹介してまいりましょう。
19世紀にようこそ
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今からさかのぼること約100年とちょっと前のイギリス。産業の栄えるヴィクトリア朝末期が本作の舞台で、時代の移り変わりに取り残された建物たちは来る日も来る日も解体工事に怯え震えています。
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そんな中で主人公(無機物)である建物はひとつ手を打ちます。いつまでも老朽化した身体を抱えて時代遅れの産業に従事している場合じゃない。これからは仲間と協力して自分たちで街を発展させて生き残っていこうではありませんか。
建物たちの意見を聞こう
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横スクロールのステージが横並びに一本繋がった本作のマップにおいて、移動は、主人公(レンガ造り)が二本の足で立って歩いて行います。また操作系は、コントローラおよびマウス&キーボードに対応している……のですが、それらボタン配置や操作の誘導デザインがどうにも不便で、この一点が本作における最大の惜しい点だと筆者は感じます。
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さて話を戻して、ステージマップをうろうろ歩くと、主人公(三階建て)以外にも何棟か建物が佇んでいる様子が見えます。彼らもそれぞれ意思を持っており、現状の不満や今後の展望など色々な話を聞けます。
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ゲームの基本的な流れは、彼らのそうした話を組み上げて、適切に解決へと導くことにあります。その直接的な解決方法は、工事、ビジネス、そして何より建物の配置です。
新しく建設しよう
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工事……新しく建物を建設する際は、マップ上に表示された「ひし形」のアイコン箇所を選択します。建設が完了すると、このひし形をいくつか占有する形で建物が誕生。この「ひし形がいくつ使われるか」については、建物の横幅に左右され、それが長いほど使用される数も増えます。
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画像で言えば、この建設予定の建物は、中心のひし形から左右に一つずつ、つまり合計3つのひし形を使用する横幅ということですね。
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一方でこちらの画像では、一番右端のひし形アイコンに合わせて建設しようとしましたが、横幅サイズがさらにもう一つ右側へはみ出してしまい、工事不可という赤いバツ表示に。このように建設の際は、隣接する他の建物との位置関係にも注意しなければなりません。
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とりあえず煙突が建ちました。ここで画面右上のオレンジ色のアイコンに注目すると、その数字が16から10に減っていますね。これはレンガアイコンで、工事/修理や瓦礫除去(新エリア開通のため)などの行動に消費されます。
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ちなみにレンガはタスクや目標達成をすると報酬として支払われます。
ビジネスを展開しよう
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さて新しくおっ建てたは良いものの、ただそこにあるだけでは経済活動に何の寄与もせず朽ち果てる運命を辿るのみ。目前に迫る20世紀、乗るしかないこのビッグウェーブ……ということで建設した建物にはビジネスを割り当てていきましょう。
画像のようにビジネスの種類はいくつかあり、間貸し、雑貨屋、工場さらにはバーなど色々。ただし注意しなければならないのは、それぞれの建物には対応可能なビジネスの種類が決められているという点です。例えば間貸ししたい場合、煙突は割り当て不可なので、住居建物が必要になります。
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またそれぞれのビジネスには「属性」「アピール目標」と呼ばれるパラメータが設定されています。属性が周囲にある建物の、対応したアピール目標の数字を上げます。
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属性は、住民だったり野菜や酒などの商売品だったり工業的なものだったりします。
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例えば、「近隣住民が何人以上欲しい」というアピール目標を持った建物の近くには、「住民」の属性を持つビジネスを行う建物を配置すると良い……ということになります。
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このように目標が満たされると、ビジネスはさらにアップグレードが可能になり、場合によってはさらに別のビジネスへと発展していきます。
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建物の配置が意外と奥深い
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筆者も最初は「???」状態でしたが、これは実際にプレイしてみるとわかりやすいかもしれません。あーでもないこーでもないと工事を行い、ビジネスを展開し、建物を入れ替えることで上下する数字を見て理解していく過程はなかなか楽しいものがありました。
何より建物自体に意思があるという設定のおかげで、彼らに直接話を聞いてヒントを貰うことができるのが素晴らしい。ただ「貧困階級の住人がいる」とかでマイナスのアピールポイントに繋がることもあり、そういう部分についてはさすが英国、攻めてんなと思いました(?)。「Manners Maketh Man」という言葉を大事にしましょう。
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ゲームが進んで、建物がひしめいてくると、この属性とアピール目標の兼ね合いで、配置関係がパズルゲームのようになってきます。レンガという有限資材を消費して行動をするため、考えなしに発展させようとすると、必ずどこかで帳尻合わせに頭を悩ませる場面が生じる……こういった部分も、可愛らしい世界観の見た目に反してなかなかシビアで面白いです。
目標を達成しよう
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ただエリアを発展させるのでは味気ない……大丈夫、そんなマンネリ防止のために、各エリアでは画像のようにタスクがいくつか掲示されます。
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それらの達成のために、先ほど紹介した工事、ビジネス、配置を回しながら建物同士の適切な位置関係を模索していきましょう。
先ほど配置関係に頭を悩ますパズルゲーム化すると書きましたが、大変な一方で、少ない動作で割り当てた建物とビジネスが、周囲のアピール目標を連鎖的に達成していく時は大変爽快です。
おわりに
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今こうして執筆している時に気が付きましたが、エリアで表示されるタスクを達成しようとすると、自然と連鎖的な流れに乗っていましたね。個人的にこれは、ソリティアがランダムながらも柄と数が無理なく順番通り揃っていく気持ちよさに近いものがあります。
ともあれ、ちょっと一風変わった都市開発経営シムに興味のある方は、プレイしてみると良いかもしれません。
対応機種:PC(Windows)、PS4(海外)/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年04月22日
記事執筆時の著者プレイ時間:2.4時間
価格:通常価格 2,050円、セール価格 1,640円(21年04月30日まで)