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中国のインターネットサービス大手テンセント(騰訊控股)が、ライアットゲームズとEpic Gamesの株式を引き続き保有するために、米当局の対米外国投資委員会(CFIUS)と交渉していることが海外メディアロイターにより報じられています。
ロイターによると、2020年下半期から続いているこの交渉において、テンセントに対して米企業株式の売却を命じる権限を持つCFIUSが、Epic Gamesとライアットゲームズのユーザー個人情報取り扱い状況が国家安全保障リスクに当たるかどうかを調べているとのことです。
テンセントは『フォートナイト』や「Unreal Engine」の開発元であるEpic Gamesの株式を40%保有しており、『VALORANT』『リーグ・オブ・レジェンド』の開発元であるライアットゲームズについては2011年に過半株式を取得し、残りを2015年に買収しています。
ロイターによると、テンセントは2社の株式保有維持を目指しリスク緩和措置を巡って米当局と交渉を進めているとのこと。Epic Gamesはテンセントとはいかなるユーザー情報も共有していないと関係筋がコメントしているとのことです。また、ライアットゲームズの広報担当者は同社がテンセントとは独立して運営されておりプレイヤー情報保護のため業界主導の慣行を実践していると説明。CFIUSとの交渉についてはコメントしなかったとのことです。
テンセントはこれまでも様々なゲーム会社に出資を行っており、カナダのディベロッパーKlei Entertainmentやスウェーデンのディベロッパー10 Chambersの過半数の株式をテンセントが取得。Amazon Game Studiosが香港のLeyou Technologiesとともに開発していた「ロード・オブ・ザ・リング」MMORPGがテンセントのLeyou Technologiesの買収により開発中止になるなどしています。今後もテンセントと米国当局の動向については、注視していく必要があると思われます。