最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はSneaky Yak StudioとWhisperGamesが手掛け、2021年06月16日にSteamにてPC(Windows/Mac)向けに正式リリースした魔法学校経営シム『Spellcaster University』について生の内容をお届けしたいと思います。
魔法学校の経営とは?
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本作は、優秀な人材を輩出する魔法大学の学長として、次々とやってくる生徒に適切な環境を提供しつつ学校を経営していきます。周期的に復活する魔王によって、何度も破壊されながらも、その度にゼロから立て直していく様子はまさにスクラップ&ビルドの精神。
「業績や人材等で評判の高い経営をする」というのが、大きな目標である本作。そのなかでも特徴的なのが、カード形式で建物の増改築等を進めていくという部分ですね。
本作のプレイ感覚は……個人的な肌感覚に頼った表現になってしまいますが……ランダムに配られるカードをもとに、その場その時での最適解を繰り返し、全体の流れを繋げるというもの。他の管理系ゲームのように、なるべく細かいところまで自分のコントロール下に置くようなプレイ感覚を楽しみたい!という方には、このカード形式がかえってもどかしく感じてしまうかもしれません。
もともと2019年に早期アクセスとして始まり、着実な歩みによる開発の末、ついに製品版としてリリースされた本作。感慨深い思いとともにやってまいりましょう。またこちらの記事では開発者インタビューも掲載されています。もし良ければあわせて読んでもらえたら幸いです。
本編開始
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さて本編開始です。新規キャンペーンを選択すると、このようにどういうルールや条件でプレイするかという部分、つまり難易度を調整することができます。初めてなのでここは新米に準じたものにしましょう。そのためか、画面右側には“縛り”や“ボーナス”についての情報が並びますね。
筆者はこの手の都市開発、経営、管理系のゲームは大好物ですが、いわゆる下手の横好きというレベル。ここまで甘々な調整であるにもかかわらず、今回もよく見ると「明日って何?」という行き当たりばったりプレイが目立ちますが、どうか寛大な心で見守ってくださいませ。
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さて難易度の次は学校名と紋章の作成です。日本語入力に対応しており、紋章は背景とシンボルのデザインならびに各色を自由に調整することができます。公立か私立か悩みましたが、おそらく本作の時代は中世あたりのハズ。なのでここは大きく「王立SPA魔法大学」と名付け、由緒正しき魔法の名門校として名を轟かせてまいりましょう。なあに経営失敗しても大丈夫。どうせ魔王が破壊してくれます。
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名前と紋章を決めたら、次は場所です。キャンペーン開始直後では、画像のように学校を建てることができる場所は限られていますが、ゲームをクリアすることで他にも崖や砂漠といったエリアが解放されます。
学校の立地は、生徒のパフォーマンスや運営のコストなどに影響を及ぼすため、慎重に選ぶ必要があります。とりあえず今回は初めてということもあるので、無難に村を選択。「吟遊詩人が問題を起こす可能性がある」とありますが、アサシンに暗殺か水に突き落としてもらえばよいでしょう……他作品のネタですね(シンクロ解除)
基本的なルール解説
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さてここからが操作画面。さっそく魔法帽子をかぶった眼鏡の髭のパイプな、属性過多も良いところなドクロがチュートリアルをしてくれます。急いでこなさなくても大丈夫。ゲーム内時間はゆったりと流れており、画面右下のアイコンを選択することで一時停止から倍速経過まで調節が可能です。
「ええい、説明なんかいらん!ガンダムを映せ!」という脳みその代わりに筋肉が詰まってるタイプの人はスキップしても良いでしょう。というかプライベートで遊ぶときの筆者がそれです。そしてどこかで詰む。
ただし今回はプレイレポなので、ちゃんとチュートリアルを受けます。が、実際にプレイしないと「なにがどうしてそうなった……?」という感じだったので、ここでは以下に大まかな要素をまとめてみます。
貯めて引こう
本作の基本的な流れは、魔王復活という期限いっぱいまで、山札からカードを引き、経営目標のため学校環境を改善し続けるというもの。
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カードを引くためには金貨またはマナを使用します。金貨は、まあ授業料とかで主に学生から巻き上げるだろうから良いとして問題はマナ。そもそもどうやって魔法の元であるマナを貯めるの?という部分について掘り下げます。まあぶっちゃけると、これも主に学生から巻き上げます。
この学校で教える魔法科目には自然、光、アルカナ、影、錬金術という全部で5種類の属性があります。生徒が各属性を学ぶことでそれに対応したマナが生成され、貯蓄されるのです。
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マナが一定数集まると、これまた各属性に対応した山札(画面右下)からカードを引いて、手札(画面下部)に加えることができるようになります。カードにはそれぞれ効果があり、それらを適切に用いることで金貨とマナの貯蓄スピードが上がります。
ただしカードは引くたびに、新たに引く際のコスト(必要マナ数)が上昇していくので、考えなしに博打を打つのは避けたいところ。特に序盤は各属性のマナが圧倒的に足りず、主に金貨を支払うことで増改築をしているような状態です。素寒貧になれば、再び金貨やマナが貯まるまで時間を浪費することになって、その分魔王復活が目前に迫ってしまいます。
オーケーオーケー、カードを引くには金貨とマナが必要で、そのためには学生が必要だけど、それだけで完結するわけじゃないんでしょう?……と、思われることでしょう。まさにその通りで、学生単体の力では微々たるものです。
施設を利用しよう
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そこで重要になってくるのが「学生寮」や「教室」といった施設のカード。これらはそれ自体に、学生のパフォーマンスやステータスにブーストがかかる効果等があります。施設が充実するほど金づる……じゃなかった生徒が集まり、質の良い人材として卒業、それによって学校の評判が高まり、さらに人が集まるという好循環。
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ちなみに考えなしに施設をあちこちに継ぎ接ぎ増築していくと、魔法学校なのに見た目がどんどん禍々しくなっていく……。とはいえ、学校内の各部屋はいたって平和。本作は、各キャラクターやオブジェクトまで実に細かくデザインされており、全体で一つのスタイルにまとめ上げられているのが個人的に大変気に入っている部分です。下記画像のようにそれぞれの部屋にカメラを寄せてズームできるので、たまには経営を忘れて、のんびり学校を眺めるのも良いかもしれませんね。
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ともあれ、このようにしてマナを貯めてカードを引いては、生徒から金とマナをむしるために環境改善し、経営目標のために邁進していくのがこのゲーム。現時点ではどういう戦略がより有効なのかは定かではありませんが、プレイ序盤においては、どれか一つの属性に絞ってマナ貯めこんだ方が、上記の好循環に持っていきやすいような気がしました。
イベントをこなして将来につなげよう
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金を集めてカードを引いたらハイ終しまい……そんな単純に終わらないのが本作の良いところ。プレイ中、しばしば選択肢付きのイベントが表示されることがあります。
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魔法学校の近隣には様々な派閥があり、それらと交流を深めることで派閥からの評判が高まり、何かしらの追加イベントだったりメリットが発生します。
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例えば画像は、コストの支払い無しで新しいカードを貰うことができるというもの。積極的に交流を深めていきたいですが、一部選択肢には特定の条件が要求されることもあるので注意。
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もちろんなかにはデバフ効果をもたらすものもあります。例えば画像は特に面倒なイベントで、どの選択肢もネガティブな結果をもたらします。たいてい「今は何も起きないでくれ!」というここぞの場面で現れる……。そのため個人的には、こいつは魔王なんて目じゃない、おそらく本作唯一にして最大の敵だと感じています(暴論)。
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ちなみに「うるせえ!」と逆切れして無視できる選択肢もあったり。
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あと吟遊詩人は水底に沈めてやりたい(アサシンクリード)。
生徒を育てよう
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金の卵を産む未来の人材……そんな生徒を増やすには、そもそも学生寮が充実していないと始まりません。なので学校の増改築の際にはまず寮とベッド周りを整えると良いでしょう。学生寮にはベッドがデフォルトで用意されており、生徒のパフォーマンスを向上させるには、カードで特別なベッドを設置する必要があります。
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例えば記事冒頭でもちょっと紹介したこちらの画像。これはベジタブルベッドのカードですね。緑色の文字で説明されている通り、このベッドは、生徒に対して自然属性に関するバフをかけます。
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これ以外にも生き物だったり、ポスターだったり、様々なアイテムがありますね。
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次に学校であるからには教室が無ければ学びようがありません。そこでこのような教室カードを引いた場合は積極的に設置すると良いでしょう。
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教室を作る際に、合わせて教師も選択する必要があります。彼ら彼女らにもそれぞれ傾向があるので、適切なものを選んでいきます。一部重複してしまいますが、教室で教える属性と設置するアイテムの相性も考えると、より効果的に生徒を教育できるかもしれません。
また教室ではそれぞれ対応した属性を教えますが、属性にはそれぞれスキルと呼ばれるものが紐づけられています。平たく言ってしまえば「研究」ですね。その研究が進むことで、より上級の要素に繋がります。
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経営目標の他にクエストという目標があり、その中にはこういった属性の道を極めないと到達できないスキルレベルが要求されることもあります。ぜひ挑戦してみましょう。
卒業時に学校の評判が上下する
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そうしてある程度時間が経過すると生徒は卒業を迎えます。その際、卒業後の進路を決定することが可能で、それぞれに何らかのメリットデメリットの効果がつきます。れらは生徒の人柄と素養、これまで学んできたことによって左右されます。
例えば上記画像の農民について。魔法の能力にいささか疑問符がつくタイプの生徒だったので、そのまま農家に送り出されました。魔法使いとしては落第で学校の評判は落ちるかもしれませんが、村からの評判は上がるのでまあ良しとしましょう。ご近所付き合いも大切です。
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年月がだいぶ経過して、魔王復活目前の頃になると、学校もずいぶん大きくなっています。このくらいになると、流石にいくつかの属性は上級レベルに達しており、卒業生も以下のようになかなかの人材に育っています。
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おわりに
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こうして魔王が復活して学校は破壊されました。せっかく作ったのに!カード形式であるため同じ学校を作るのは至難の業。ここに本作の面白みとリプレイ性の高さがあるのだと感じます。
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クリアするとその総合成績に応じて、何かしらの解禁要素があります。それらを使用して次の学校はもっと充実させていきましょう。
管理系ゲームと聞くと敷居が高く感じてしまうかもしれません。しかし本作は、一見とっつきにくく見えますが、いざ遊んでみると、みるみる引き込まれて楽しんでしまう不思議な魅力があります。本記事で興味を持たれた方は是非プレイしてみてください。
対応機種:PC(Windows/Mac)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年06月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:2.3時間
価格:2,570円