気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Casper Croes氏開発、PC/Mac/Linux向けに10月22日にリリースされた初代PS風ホラーアドベンチャー『Alisa』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、1990年代後半のスタイルで描かれるホラーアドベンチャー。舞台は1920年代のファンタジー世界で、プレイヤーは指名手配犯を追うエリートロイヤルエージェントのアリサとして、不気味な機械仕掛けの人形たちが徘徊する古いビクトリア朝の館からの脱出を目指します。日本語にも対応しており、本作の日本語訳は開発者の恋人が担当したそうです。
『Alisa』は、1,840円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Casper Croes氏(以下Casper)ゲームを作るのが大好きなCasper Croesです!趣味はゲームを作ることで、8歳ぐらいの頃から始めました。当時はガレージセールで見つけたレトロなPCを使ってゲームを作っていたのです。今では仕事としてゲーム作りをしています。
一番好きなゲームやジャンルというのは特にありません。以前一番好きだったゲームシリーズは『Halo』でしたが、それもBungieが開発から抜けるまでですね。他のゲームで好きなのは、フロム・ソフトウェアの『ソウル』シリーズ(『Bloodborne』と『DARK SOULS』)、『The Elder Scrolls III: Morrowind』、そしてもちろん多くのレトロゲームです。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Casper私が今の恋人と初めて出会った時、本作のアイデアが思い浮かびました。本作は、この時の私たちの会話の中から生まれたのです。まずはコンセプトから始まり、それから徐々に何年もかけて、実際のゲームになりました。
――本作の特徴を教えてください。
Casper本作は、初代PSと90年代後半のPC性能の制限に忠実に作っています。背景はプリレンダリングですので、かなり昔のコンピュータでも動かすことができますよ。また、本作には血が登場しません。これがまた、不気味な雰囲気を与えていると思います。
本作はまた、ただ『バイオハザード』からインスパイアされたゲームではありません(もちろん、かなりの部分で参考にさせていただきましたし、原作へのオマージュはありますが)。本作にはお店が登場し、様々な服、武器、アイテムを売っています。
プレイヤーは同時に2つまでしか武器を持つことができず、武器の変更はセーブ部屋で行います。すべての服が固有の能力を持っており、防御力を上げたり、パッシブスキルがついていたりするのです。
また、本作にはリリース前にカットされたコンテンツがいくつかあり、これらは無料アップデートとして今後追加されます。もっと多くのユニークな要素が登場しますよ。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Casperもちろん90年代のゲーム(初代PS、セガサターン、Windows95/98)をプレイして大きくなった年代の人にプレイしていただきたいですし、またはただ純粋にこの時代のゲームの雰囲気が好きな人にも遊んでいただきたいです。たくさんの人から本作のグラフィックに対する不満の声が届いていますので、本作は間違いなくニッチなゲームでしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Casperもちろん初代『バイオハザード』から影響を受けていますが、開発初期の段階で影響を受けたのは映画「アリス(1988年)」です。その後、『Bloodborne』からもインスピレーションを得ていますし、武器の装備システムは『コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア』を遊んでいた時に思いつきました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Casper最初の頃は集中して作業をする助けになったのですが、外に出てリラックスしたいなと思った時には、どこも閉まっていました…。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Casper大丈夫だと思います。個人的には無料の宣伝だと思っていますので。興味がある方は、どのみち購入していただけますからね。本作のボーナス要素は、一回クリアしただけではすべて見ることはできませんよ。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Casper日本のゲームはたくさんのインスピレーションを与えてくれました。それに、日本人はリスペクトをはっきりと示してくれるように感じますし、それがとても嬉しいです。
ありがとうございます、たのしんでください! : )
(↑ここだけ日本語でいただきました)
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。