開発が難航したFPS『Duke Nukem Forever』の、世に出ることがなかった2001年時点でのビルドがリークされたことを受け、当時の開発スタジオの共同創設者同士が衝突しているようです。
ゲームプレイだけでなく、アダルトなユーモアなどで高い評価を得た『Duke Nukem 3D』の続編として開発された本作は、Apogee Software(現・Apogee Entertainment)のブランド「3D Realms」が1997年に発表。1998年の発売を目指していましたが、エンジンの変更や開発体制の変更などの紆余曲折を経て、開発が非常に難航しました。その後、13年越しとなる2011年にGearbox Softwareが開発、2Kが発売元としてリリースされましたが、メタスコアが49点~54点と批評家より低く評価されました。
そして今回、E3でトレイラーを公開した2001年時点でのビルドがオンライン上でリークされました。それをきっかけに『Duke Nukem Forever』の責任を巡り、当時の開発元Apogee Softwareの共同創設者同士が言い争う事態に。この争いは、責任のなすりつけ合いや当時の開発状況の暴露にまで発展しているようです。
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そのうちの一人で、現在もApogee Entertainmentに所属するScott Miller氏は、同社の公式サイトで「『Duke Nukem Forever』についての真実」と題したブログを更新。同氏によると『Max Payne』や『Prey』(2006)が同社を支えていた一方で、本作は“金食い虫”となり、最終的に3D Realmsをデンマークの投資家に売却する原因になったと述べています。現在の3D Realmsは過去のものとは一切関係がなく、当時の社員は全員退社、もしくは解雇されたとのことです。
同氏は本作の開発に直接参加はしていませんが、開発おいて以下のような問題を認識。E3で公開したトレイラーも、実際の内容に対して過剰に宣伝していたと言います。
常に、少なくとも50%の人員不足だった
開発ロードマップがろくに無く(少なくとも同氏は見たことがない)、アドリブ的に開発されていた
開発速度が遅いため、新しい3D技術が出るたびにそれを使うために開発がやり直し、大幅な遅延となっていた
同氏は2004年に、現在は『Warframe』で知られるDigital Extremesに開発の引き継ぎを依頼。相手側もそれを熱望し、当時のパブリッシャーであるテイクツーからも応援されていましたが、最終的に社内で却下されてしまいました。
その後『ボーダーランズ』で知られるGearbox Softwareとプロジェクトを守るために契約を締結。Gearboxはゲームを完成させてくれるだろうという考えで『Duke Nukem』のIPを託し、契約から1年ほどで発売されました。同氏は、いつかGearboxに『Duke Nukem』シリーズを復活させてほしいと述べ、ブログを締めました。
このブログ記事に対し、共同創設者の一人であるGeorge Broussard氏は猛反発。Miller氏を「無知なナルシスト」と罵り、同氏の行動が原因でGearboxの訴訟や軋轢を引き起こし、3D Realmsと『Duke Nukem』を失うことになったと反論しました。
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またブログでの暴露についても、同氏はナンセンスで、少なくとも私は自分の考えを秘密にしておく気概は持っていると述べ、「70年代の高校時代から彼を知っているから、この件について言えることがたくさんある。40年来の友人のビジネスパートナーを見捨て、自分を良く見せようと機会を利用しているのがよくわかるよ。この人とは一緒に仕事をしたいね。」と皮肉を込めてツイートしています。