最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は日本時間2022年7月6日にGames IncubatorよりPC(Steam)向けにリリースされた『Placid Plastic Duck Simulator』について生の内容をお届けします。
変わり種続々、約50種のアヒルちゃんを君は制覇できるか!?
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熱中症だのコロナ対策だのと、せっかくの夏も外出できなければ全然楽しめません。家にこもってゲームをするのも最近は身が入らない…『Placid Plastic Duck Simulator』は、そんな退屈を持て余すあなたにぴったりなリフレッシュツールです。作者は類似作として『Unpacking』『Dorfromantik』などを挙げており、ゲーム的な遊びよりもミニマルなできごとを味わうことが主眼のようです。
なにか良い雰囲気に包まれたプールには最初は何もありませんが、一定間隔でアヒルちゃんが投入されていき、様々な柄や機能のアヒルちゃんを集めていくのが、本作における一応の目標です。プール内にはわずかに水の流れがあり、奥のスライダーからもうひとつのプールに流れていきます。そこから元のプールに戻ってくる循環で、勢いがつきすぎてプールの外に弾き飛ばされることもあります。
日本でも「アヒル隊長」でおなじみですが、著名人や有名作品とコラボした柄が出るなど、コレクションアイテムとして人気があるようですね。本作では実在しないトンデモ機能を備えた物もあり、ただ浮かんでるだけでない変わった動きも見せてくれます。
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まずはスタンダードな黄色いアヒルちゃん。これがあるだけでとりあえず心が落ち着きます。しばらく時間が経過すると何かが起きるカモ。
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スクリューつきタイプ。ある程度進んだら一旦水中に沈みます。
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石タイプ。投入されても浮かぶことなく沈みっぱなしです。君は一体何のために生まれてきたの……?
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ファイヤー! 理由は不明ですが、水に浸かっても消えない炎を纏っています。他のアヒルちゃんに燃え移ったりはしないのでご安心を。
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炎があるところに消火もあり。ファイアファイターのコスチュームで水を吹き出します。
謎のサンプリングとローファイラジオ。環境ソフトと割り切って楽しもう
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多様なアヒルちゃんをご紹介してきましたが、これを使って何をするかというと……一切何もできません!ちょっとぐらいつついて動かせるかと期待していたんですが、本当にノータッチでひたすら眺めているだけなのです。選べる視点もアヒルのクローズアップか、プール脇のデッキチェアのみで、自由に歩き回ったりなども特になし。アヒルが増えていくのをひたすら待つしかありません。自由に足し引きできれば無茶をして遊べるのですが、本作はそういう方向性ではないようです。
そう、このプールでは求めすぎることこそ罪なのです……青い空と静かな海、そしてプールがあれば、それ以上に何が必要だというのでしょう?
ということで、これはサンドボックス的な遊び場ではなく、むしろ何もしない時間を用意してくれるデジタルデトックスの一種として使った方が有益ですね。アヒルちゃんを全種類コンプリートするにはおおよそ4時間ほどかかり、その間は放置していても全く問題ありませんし、ゲーム内ラジオを聴きながら、積んでいた本を読む時間にしてもいいでしょう。ふと顔を上げたときに、目の前にプールがある。そんなプチ贅沢に200円を投じるのも悪くありませんよ。
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環境にも時々変化があり、海の向こうにクルーズ船や飛行機がやってきたり、急に雨が降ってきたりもします。運が良ければプールサイドの浮き輪が動いてプールに落ちるかも?とんでもないシュールな物体も登場して、のんびりと構えていれば結構意外な発見がありました。ヴェイパーな曲がかかるラジオもいい感じですが、時々入る謎の日本語CMが気になって仕方ありません。そんな謎のセンスも含めて、プールを海上に作る必要はあるのか、などと無粋な突っ込みはせず、あえて「なにもしないをする」時間を満喫してみてはいかがでしょうか。
タイトル: 『Placid Plastic Duck Simulator』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2022年7月6日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:205円