この数カ月、イラスト生成AIはクオリティ高い生成結果への驚きと称賛、一方で学習元となるイラスト類の無断使用や今後の権利関係・法整備を巡る議論などが、SNSを賑わせない日はありません。
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イメージしたイラストを生成させるためのキーワード入力を「詠唱」「呪文」と表現する界隈もあり、“神絵師級”の画像生成が可能な「呪文」の組み合わせを指南する“魔導書”「元素法典」がSNSを中心に話題となり、注目を集めています。
中国語圏で生まれた「元素法典」はPDFファイルでネット上に公開されており、Game*Sparkの過去記事でも触れた「NovelAI」に「元素法典」の記述通りキーワードを入力した場合、陰影のつけ方、背景の書き込み度合、指先など細かにパーツの描写などに影響するようで、「元素法典」の有・無しの比較画像をSNS投稿しているユーザーも。「呪文」の傾向としては特定の要素を描かせない、意図した画風に近づけるための効果を固定するといった方向性とのこと。
また、同じくイラスト生成AIの「StableDiffusion」向けに「より美しくたわわなバストの生成」に特化した美・巨乳呪文を、数カ月単位で研究し錬成に励む新たな“学閥”も生まれており、今後「NovelAI」対応の呪文も研究してくれるのでは、と期待が向けられています。すでに有志による「元素法典」の日本語版をまとめる“学会”の噂もあり、当分この盛り上がりは続きそうです。
イラスト生成AIはSNSへの登場からあまりにも短期間で話題性・注目度ともに非常に高まり、AIの学習元がイラスト無断転載サイトであったり、AIの描いた絵の権利はどこにあるのか?など、付随する様々な議論の着地点はまだまだこれから。「元素法典」を使用したら魔女狩り…とはならぬよう、新たな技術を規制で“殺さない”環境整備もあわせて望まれます。