デベロッパーKatsuya Abe氏は消費問題を考えるウォーキングシミュレーター『Black Cycle』をWindowsPC向けにSteamにて発売しました。
本作はモノが作られては消費され、また新たにモノが作られるという当たり前のサイクルをテーマとした三人称のウォーキングシミュレーターです。プレイヤーは商品の作り手となって、ゲーム内の人々と会話をしながら、上司の指示に従って消費者の需要に応えるモノを作り、そのサイクルとそれに伴う社会の変化を見届けることになります。

シュールな画風で単純かつ大げさに描きながら、どこか普段の生活を思い起こさせるようなオルタナティブな世界を通して、消費という行動が社会へ与える影響の大きさ、消費者も案外強い力を持っているというメッセージをプレイヤーに投げかけます。
作者のブログによると、大学の講義でのプレゼンのためにいろいろ調べていた際に見つけた1枚の写真が、本作の制作に至ったきっかけだと言います。「リサイクル」の名目で先進国から発展途上国へと違法に取引される電子廃棄物から、劣悪な環境下で貴重な金属を取り出して生計を立てる様子を端的に表す写真。これを見た作者は「とてもじゃないけど解決できそうにない」と思ったと同時に、「モノを作っている上流の過程に何か影響を与えることはできないか」と考えた結果、このゲームが生まれたそうです。

また、こういったテーマとゲームの相性を知るため実験的に作ってみた作品だとも述べ、ゲーム自体はシンプルな物とのこと。長くても20分程度で終わるため、あまり堅苦しく思わず、イソップ寓話のアリとキリギリスでも読むくらいの気持ちで気軽にプレイして欲しいと結んでいます。


『Black Cycle』はWindowsPC向けにSteamにて500円で発売中です。
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