■プレイヤーに託された自由度が、「あなただけの冒険」を与えてくれる
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本作には8人の旅人がおり、この中から主人公となる人物を選び、冒険に旅立ちます。また、この時に選ばなかった仲間は、後々出会うことで、パーティに加えることが可能です。
今回のプレイで主人公に選んだのは、街の裏側から暗躍するならず者集団「黒蛇盗賊団」に属する盗賊の「ソローネ・アングイス」。ただし、彼女を含めた構成員のほとんどは「首輪」をつけられ、指示に従うよう強制させられている模様です。
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2人の権力者、「ファーザー」と「マザー」に絡めとられ、ささやかな未来さえ思い描けないソローネ。そんな支配から抜け出し、「自由」を得るための戦いに踏み出すことが、彼女の旅の幕開けでした。
また、今回のプレイで初めての仲間として出会った「オズバルド・V・ヴァンシュタイン」は、監獄を脱走してきた囚人。ソローネ以上に危険な立場ですが、それについてはいくつかの事情があります。
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オズバルドが投獄された理由は、妻子殺し。自宅を炎上させ、殺害した容疑で監獄送りとなりました。ですが、この罪自体が実は冤罪で、知人の「ハーヴェイ」に陥れられたもの。全てを奪われたオズバルドは、復讐の一念で囚われた監獄島から脱出し、ハーヴェイを追い求めて旅路につきます。
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こうした、自身の身に関わる過酷な状況から旅を始めた者もいれば、「テメノス・ミストラル」のように、教皇殺害の犯人探しとその背景に迫るため、住み慣れた村を後にした人物もいます。
今回のプレイでは手が回りませんでしたが、希望を胸に旅を始める踊子もいれば、商売人として大成すべく活動する商人もおり、主人公たちの性格や立場、目的は千差万別。誰を主人公とし、誰を仲間に加えるかを、プレイヤーは自由に選択できます。
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また、主人公になり得る8人の違いは、ゲーム性にも現れています。まず、非戦闘時に使える「フィールドコマンド」があり、ソローネなら「盗む」と「闇討ち」、オズバルドなら「探る」と「強奪」、テメノスなら「導く」と「暴く」と、それぞれの個性が見えるものばかり。
一見すると、同じような印象を受けるコマンドもあります。ですが、例えば「盗む」は確率で成否を判定しますが、「強奪」はバトルを仕掛け、勝敗によって結果が分かれます。「盗む」は、ソローネのレベルによっては成功率数%という場合も多々ありますが、運さえよければ強力なアイテムをさくっと手に入れられるお得な手段。また、ちょっとズルい手ですが、セーブ&ロードを繰り返すことで、根気さえあれば必ず入手できます。
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一方「強奪」は、バトルが必須なので多少の時間がかかりますし、勝てないとアイテムを奪えません。しかし裏を返せば、十分な戦力さえあれば、運に任せることなく確実に手に入るというメリットがあります。
また、「探る」と「暴く」は、情報収集の手段として活用できる点で共通していますが、切り口はやや異なり、また手段も違います。「探る」は、オズバルドの観察眼を活かした洞察力のようなもので、その人物自身に迫り、また確率で成否を判定します。
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ですが「暴く」は、異端審問官であるテメノスによる詰問で、バトルの形で表現されています。対象をブレイクすることで、その人物が知っている情報を引き出せます。「探る」はあくまでオズバルドの判断なので成否が揺らぎ、「暴く」はテメノスによる精神的な圧力(ゲーム的にはバトル)。過程の違いもさることながら、性格や振る舞いの差も「フィールドコマンド」に込められており、興味深いところです。
各キャラクターが持つ「フィールドコマンド」は、それぞれ昼夜で使い分けます。ソローネは昼間なら「盗む」が使え、夜になると「闇討ち」を行使します。昼と夜で住民たちが見せる顔を変え、それに応じてこちらのアクションもまた変化するのです。
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ちなみに昼夜も、本作で初めて実装された新要素のひとつ。フィールド上を歩いていると自然に変化するほか、ボタンひとつで気軽に切り替えられるので、「夜になるまで待たないと……」と待ち時間を強いられることはありません。
昼と夜では、その場所にいる住民も変化するので、昼夜を切り替えての探索も重要なポイント。ゲーム進行に必要な情報収集だけでなく、その世界に生きる人々や物語の背景をより深く知る手段にもなっているので、覗けば覗くほど『オクトパストラベラーII』への理解が深まります。
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全体の構成から見ると、まだ序盤に留まる程度のプレイですが、物語、バトル、グラフィック、音楽と、いずれも素晴らしい片鱗を見せてくれました。そして、ここまでのプレイを通して最も強く感じたのは、「冒険の自由度」です。
自由度といっても、例えば物語が大きく変化するといった意味ではありません。行動次第でエンディングが分岐するのか否かはまだ不明ですが、少なくとも序盤のプレイにおいて、選択肢などで物語が極端に変わるといった要素は見受けられません。
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ですが、解決手段がひとつではなかったり、仲間たちの物語をどこから手とつけるかといった自由があります。また、過去(それぞれの1章)を見ないで仲間に加えたり、そもそも仲間も増やさずひとりきりで冒険を続けることすら可能です。
「探る」や「暴く」などを使えば、個人や関連する出来事の背景を深く知れますし、ひいてはこの世界全体の解像度が上がっていきます。この「世界を深く知る行為」も、ゲーム進行に必要な最低限を除けば、全てプレイヤーの采配次第。世界をどこまで知るのか、知らずにいるのか、そうした自由度の高さが“自分だけの冒険”として彩ってくれます。
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限られた範囲でのプレイだったため、今回は序盤のみの取り扱いとなりましたが、ひたすら続きを遊んでいたいと思うほど、後ろ髪が引かれるひとときでした。本作にはまだ新要素があり、特に主人公同士の物語が交差する「クロスストーリー」が気になりますが、これは製品版での体験を楽しみにしたいと思います。
8人の旅人が紡ぐ物語。ターン制RPGに刺激をもたらすバトルシステム。懐かしいだけでなく、新しくも美しいグラフィック。誰の心を暴き、誰の持ち物を盗み、どこまでこの世界を識るのか。自分だけの冒険の幕開けが、今から待ち遠しいばかりです。
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ニンテンドースイッチ/PS5/PS4/Steam向けRPG『オクトパストラベラーII』は、2023年2月24日発売予定(Steam版は2月25日)。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに7,800円(税込)。e-STORE限定豪華版は、19,800円(税込)です。
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