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2023年4月30日、コナミデジタルエンタテインメント主催によるインディーゲームの展示・即売会『Indie Game Connect 2023』が開催されました。本稿では、プレイアブル出展されていた『鋼鉄帝国-STEEL EMPIRE-クロニクル』の試遊レポートをお届けします。
ファミコン末期のSTG『オーバーホライゾン』移殖版を収録!
メビウスがニンテンドースイッチでのリリースを予定している本作は、ホット・ビィが1992年にリリースしたスチームパンク2Dシューティングゲーム『鋼鉄帝国』3バージョンと、同社が1991年にリリースしたファミコンのシューティング『オーバーホライゾン』の移植版を合わせた1タイトル3バージョン+1タイトルを収録したソフトです。
『鋼鉄帝国』はメガドライブ版とゲームボーイアドバンス版に加え、3DS版をベースにしたHDリマスターが収録されています。今回は、今ではプレイ環境を用意しづらい『オーバーホライゾン』を試遊しました。
本作は自機のカスタマイズ性の高さが特徴で、ゲームスタート時にレーザーとボンバーの強さ(レーザー2:ボンバー3というように合計で5段階まで設定可能)やオプション(※『グラディウス』などでもおなじみのサブフライトユニット)のフォーメーションを設定できます。フォーメーションは2つ設定してボタン一つで切り替えられるので、ステージ道中は自機から離れたところに置いて殲滅力を上げ、ボスでは自機と横一列に並べて特定箇所への火力を上げる…というような柔軟な運用が可能です。
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また、レーザーやボンバーなどの攻撃は『鋼鉄帝国』同様にいつでも自機の後方(画面左側)にも撃てるようになっているので、それを前提として敵も自機の後方からそれなりの頻度で出現します。2D横スクロールシューティングは前方(画面右側)からの敵に対応するため画面左側に陣取ることが多いですが、本作は画面中央あたりにいた方が臨機応変に対応できそうです。
筆者はこれが『オーバーホライゾン』初プレイであったため移植度について語ることはできませんが、高難度をウリにしていたゲームではないとのことで、筆者のような「往年の2Dシューティングは結構好きだが、特にうまいわけではない」プレイヤーにも実にフレンドリーで遊びやすいタイトルでした(この傾向は『鋼鉄帝国』にも同じことがいえます)。
また、アイテムなどを必要とせず自機のスピードをいつでも変更できるのも、遊びやすさに拍車をかけていると感じます。往年の魅力が詰まったタイトルを気軽に遊べるコレクションアイテムというところでしょうか。発売は2023年中を予定しているとのことです。
ボタン押しっぱなしでいつでもプレイを巻き戻せる!
試遊がてら、メビウスの方に話をうかがいました。
――『オーバーホライゾン』は1991年発売と聞きました。スーパーファミコンが前年に登場していますから、ファミコンとしてはかなり後期の作品ですね。
一つ一つの要素は決して斬新ではなかったかもしれませんが、それらを巧みに組み合わせたクオリティの高い作品であったと思っています。フォーメーションを設定できるオプションは、弾よけにもなるのでうまく使ってください!
――なるほど、敵弾がオプションにぶつかるとすり抜けたりせずここで消えるんですね(試遊しながら)。
また、本作独自の使用として、どのタイトルでもLボタンを押している間はプレイを巻き戻せるようになっています。ミスしてしまった場合もこれで少し戻していただければグッとクリアしやすくなるので、幅広い方が楽しめるようになっています。
――これは嬉しい機能です。『鋼鉄帝国』は日本語版に加えて海外版(英語版)も選べるのがファンには嬉しい要素となりそうですね。本作に収録されるタイトルは、ダウンロードでの個別販売の予定などはないのでしょうか?
「ひとつにパッケージングされたコレクションアイテム」としての性質を重視しているため、現在は予定しておりません。GBA版『鋼鉄帝国』は液晶画面の小ささに対してキャラが大きめなので他プラットフォームより少し遊びづらいのですが、これも同じ観点から手を入れることはせず、完全移殖となっています。「当時はこんな感じだったんだな~」と思いながら遊んでいただければと思います。
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