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2023年4月30日、コナミデジタルエンタテインメント主催によるインディーゲームの展示・即売会『Indie Game Connect 2023』が開催されました。本稿では、プレイアブル出展されていたインディーゲームの中から7タイトルの試遊レポートをお届けします。
入場無料の本イベントは終日盛況で、ゲームファン、出展者と同じインディーゲーム制作者、親子連れなど幅広い客層が来場。午後には入場待ちが発生するほどでした。
カメラの回転で"世界が変わる"『カセットボーイ』
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緑を基調としたカラーで統一されたアクションアドベンチャーゲームです。一見すると見下ろし型の2Dに見えますが、アイテムをゲットして視点(カメラ)を回転させられるようになると、きっちり3Dで制作された世界であることが分かります。
猫を使った有名な思考実験「シュレディンガーの猫」に着想を得た「シュレディンガーシステム」が独特で、角度の関係でカメラに映らない(=プレイヤーが観測できない)ものは作中世界にも存在していないことになります。
たとえば、真正面から見ると障害物が行く手をふさいでいる通路でも、視点を変えて障害物が画面に映らない角度にすると存在しないことになり、すんなり通行できたりします。
試遊ではそうした謎解きやシステムの体験がメインでしたが、武器を装備して敵を倒すアクション性もある作品になる予定とのことです。
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開発者コメント
PC8801の『ハイドライド』やゲームボーイの『魔界塔士サガ』に衝撃を受けた世代の人間です。「あの魅力的な2D世界が3Dだったらどう見えるだろうか?」というのが本作の着想のきっかけでした。シュレディンガーシステムを思いついて遊びの核もできたので、2024年のリリースを目指して制作を進めます!
絵本のように雰囲気タップリの『OU』
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記憶喪失の少年、OUがオポッサムのサリーに導かれながら自分自身の物語を紡いでいく様を描くアドベンチャーゲームです。
OUは行く手にあるさまざまなものに付箋を投げつけることができ、それによって先への道が開けることがあります。投げつけるものが、なぜ投てきには不向きな付箋なのか?そんなところにもきちんと設定がありそうです。
手描きイラストの趣を感じられるグラフィックと、静かに奏でられる生のギターサウンドが醸し出す雰囲気は上質な児童文学のようで「誰もいない静かな部屋でじっくり遊びたい!」と思わせてくれる一本でした。
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ジー・モードからのコメント
企画・シナリオ・アートを手がける幸田御魚氏からは、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデにインスパイアされた部分もあると聞いています。2023年夏にPC(Steam)とニンテンドースイッチでリリース予定ですので、ご期待ください!
2人の主人公を切り替えながら進む『灯りの王子と陰りの塔』
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手にした魔法のランプで道を照らし、スイッチを起動させたりできる「灯りの王子」と、人では進めない地形も難なく通過できるが光にはとことん弱い「カゲ」。異なる特徴を持つ2人の主人公を切り替えながら操作し、ギミックを解きながら進むパズルアクションゲームです。
キャラクターのテイストはかわいらしいながら世界設定や物語はダーク寄りで、そんなギャップも魅力的でした。
各ステージはじっくり悩みながら進められますが、ボス戦は「敵の攻撃(ライフの概念はないので当たると即死)をかわしながらパズル的なギミックの解き方を考えて攻撃する」という流れになっており、そこはちょっと忙しない感じもしました(筆者が致命的にパズルゲームに向いてないだけという可能性もありますが)。
2024年3月にPC(Steam)での発売が予定されているそうです。
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開発者コメント
コロナ禍で大学の講義などがリモートになった時に感じたのは「人は直接触れ合わなくても助け合うことができるんだ」ということでした。その時の思いが本作の着想につながり、3人体勢で制作しています。ありがたいことに「ニンテンドースイッチで遊びたいです」という声もいただいているので、そちらも検討していきたいですね。