現地時刻7月12日に、米国電気電子学会(IEEE)は光無線通信規格となる「802.11bb」を承認しました。
本規格の推進派によれば「Wi-Fiの100倍も速くかつ安全」とされる光無線通信「Li-Fi」ですが、今回の承認によりWi-Fi標準規格「IEEE 802.11」と並ぶものとなります。
そもそも光無線通信とは…?
光無線通信「Li-Fi」は、LEDによる可視光ないし赤外線といった近傍波長域の光を用いて情報のやり取りを行う通信技術で、2013年の時点で研究者らにより3.5Gbpsでの通信に成功しており、将来的には10Gbpsの通信速度を目標に入れるなど、次世代の通信技術として注目されています。

一方で、光は壁などの障害物を透過しないことから盗聴や妨害に強いというセキュリティ面でも優れているのに対し、そういった障害物に強いWi-Fiや5Gとは相補的に用いられる技術と言えます。
また、推進派はWi-Fiの3分の1ほどの低遅延や干渉や輻輳などにも強い点も強みだとしており、ゲーマーであれば低遅延という特徴には注目したいところではあります。
光を用いた通信は比較的古くから存在し、「ゲームボーイ」などでの赤外線通信もその1つで、無線と比較した時の通信の不安定さや通信距離の短さを覚えている方もおられるのではないでしょうか?
従来の赤外線通信の延長線上の技術ともいえる「Li-Fi」は、同様に発信側と受信側の位置関係が重要となることから、設置後に頻繁な移動を伴わないデスクトップPCや据え置き機、あるいは位置調節が簡単なスマートフォンなどのポータブル機器などが対象となると考えられます。

現時点で発表済みの「Li-Fi」関連製品は、受信側でギガビット対応、送信側が250Mbpsとなっており、そのフルスペックを発揮できていないまだまだ発展途上の技術と言えます。
今後どれほどの発展が見られるか、楽しみな技術ではないでしょうか?