先日突如発表され、多くのゲーム開発者の不安と疑念を煽った“Unity税”こと「Unity Runtime Fee」。発表の反響を受け、Unity側から改めての説明、およびQ&Aの一部更新があったようです。
再インストールへの課金は撤回へ
UnityによるSNS投稿および更新されたQ&Aによると、当初発表から翻って料金の対象が新規インストールに絞られたほか、独立したデモやベータ版、チャリティ目的のインストールやバンドルでは料金の徴収はないとしています。もちろん不正なインストールに対しての徴収もないといい、詐欺やボット等の悪意が疑われる場合は開発者と連携して解決に当たるそうです。また、今回の値上げの影響を受けるのは顧客全体の10%以下だとも示しました。
発表前にUnity社長をはじめとする組織幹部に株式売却の動き
一方で、UnityのCEOを始めとする組織幹部が、多くの同社株式を売却したとの報道も見られています。海外の投資家向けデータサイトGuru Focusによると、Unity CEOのJohn Riccitiello氏は、9月6日の2,000株売却を含め今年の合計で50,610株を売却したといい、追加の購入はありませんでした。
また、ナスダックにおける市場取引データでは、Unity傘下のironSource社長Tomer Bar-Zeev氏による37,500株、Unity取締役のShlomo Dovrat氏による68,454株の売却を中心に数人のUnity取締役が同様に大量の株式を売却したことが明らかになっています。
疑念払拭を図るもユーザーの不信は続きそう…。『Cult of the Lamb』配信停止は冗談か?
多くの批判や疑念の声を受け、懸念されていた部分の多くを変更、あるいは説明したUnity側ですが、内部関係者の株式売却という不穏な情報もでるなどユーザーの不信はまだまだ続きそうです。また、利用料やその処理方法と並ぶもうひとつの焦点として「利用規約やライセンスを遡及する形で変更された」という大きな問題に対し、多くの有名開発者やゲームメーカーらが異を唱える事態には代わりありません。Unityの競合となる各種のゲームエンジン群はこの騒動を味方につけようとしてか開発者向けの宣伝などをはじめており、この騒動の行き先は未だ不透明です。
なお、本騒動に伴いストア削除をアナウンスした『Cult of the Lamb』については、その後公式SNSにて冗談であったことをほのめかす投稿や、嘘かと聞かれたことに対して、投稿と関連して認めると取れる返信を行っています。