中国河南省の大学生が、ゲームプレイ映像の配信企業の実習として5日連続での徹夜ゲーム配信を行い、急死する事故が発生しました。
月240時間以上配信の契約。5日連続での徹夜後の悲劇
中国国内向けメディア「澎湃新聞」の記事を基に香港01やNownewsといったメディアが報じるところでは、11月10日、河南省平頂山職業技術学院コンピュータサイエンス・応用学科の3年生である大学生が、5日連続での徹夜の後、学校外に借りている住宅で休んでいた際に突然死したといいます。
大学生は学校から課せられた6か月のインターンシップの受け入れ先としてゲーム配信のプロデュースを行う会社「河南欽義文化媒体有限公司」を選択し、月240時間以上配信するとの契約を結んだとのことで、長い日には9時間連続でプレイすることもあったそうです。
学生の父親は、学生は普段から健康体で、健康診断でも異常は見つからなかったと話し、「会社側は責任を認めず見舞金5000元(約10万3000円)の支払い意思を見せるのみです」と批判。父親が学生のクラスメイトに聞いたところでは当初は昼の配信を行い、徹夜でのプレイを望んではいなかったのですが、会社側から「夜にプレイを鑑賞する人が多いので、稼げるお金も多い」と言われで徹夜プレイを始めたといいます。
企業側は責任認めずも専門家からは事実上の雇用関係と指摘
会社側の法務担当者は澎湃新聞の取材に対し、契約は協力協定に相当する物であり「両者の間にはいかなる雇用関係や労働契約もありませんでした。」と責任を否定。さらに「借りている賃貸住宅での死亡事故である以上、現時点では私たちに責任はありません。」とも述べています。一方で、今後は仕事と休息のバランスに注意し、徹夜を避けるよう配信者に呼びかけるとも語りました。
また、香港01が北京市にある法律事務所の弁護士に意見を求めたところ、「多くの配信者は会社と協力協定を締結していますが、その実情の多くは労働関係にあります。そのため遺族は学生と会社との間に事実上の労働関係があったと主張することができ、労務中の傷害となれば、事実上の雇用主である会社も相応の責任を負わなければならないでしょう。」との見解を示しています。