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2009年11月17日の発売から14周年を迎えた名作ゾンビゲーム『Left 4 Dead 2』。今でこそ名高い本作ですが、発表当初は初代の発売からほぼ1年、コアゲームプレイにも大きな変更がない内容での発売にボイコット運動が行われるなど、否定的な意見も多い作品でした。14年が経った今、本作の開発における中心人物だったChet Faliszek氏がその理由についてGame Developerのインタビューで明かしています。
ジェンガのように脆いゲームエンジンに開発者たちは触れるのを躊躇
Faliszek氏曰く、初代『Left 4 Dead』のゲームエンジンには「バックグラウンドで各マップを2~3回ロードしている」といった具合にかなりの問題点が存在し、しかもその修正を行おうとするとプレイヤーキャラクターがランダムに消滅するなど、まるでジェンガタワーのように脆く繊細だったとのこと。Valveの開発者たちはその不安定な均衡に誰も触れたがらなかったといいます。
もちろん『Left 4 Dead 2』の製作の際に、初代のリリースから時間も経っておらずアップデートやDLCとして提供する方が合理的であることが問題になったそうですが、結局初代に手を加える危険を冒そうという開発者は一人も現れませんでした。Faliszek氏は「大きなリセットなしに 『Left 4 Dead 2』のようなModサポートを『Left 4 Dead』に加える方法はありませんでした」と語ります。
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「身を削って作ったゲームが世に出た後に、そのゲームに問題があったと言いたくないものです。」
Faliszek氏は「身を削って作ったゲームが世に出た後に、そのゲームに問題があったと言いたくないものです。それならばむしろこの販売方法が私のアイデアだと怒られる方がよかったと言えます。」と現在までこの点が明らかにならなかった理由も吐露。そうして生まれた『Left 4 Dead 2』が現在まで14年に渡り評価される作品となったことを考えれば、これも英断だったと言えるのではないでしょうか。