◆第2部「稲妻」「スメール」を振り返り、ラストに「フォンテーヌ」へ!
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第2部のオープニングは稲妻の城下町で流れる「稲妻」からスタート。続いて神里綾華、神里綾人、珊瑚宮心海のテーマが演奏されます。稲妻からはオーケストラの中でも特に“三味線”が際立って活躍することになりました。日本を強くイメージした和風の世界観を、生のフルオーケストラでたっぷり堪能できるのが魅力です。
また、珊瑚宮心海のテーマ「睡竜の目覚め」は、和風の世界観から少し外れますが、静かで幻想的な海中の世界と心海が持つ芯の強さを束ねたような旋律であり、かなりオーケストラ映えする楽曲だと、個人的に強く感銘を受けています。そして、公式PVの名称と同名の楽曲「薄櫻が綻ぶ時」が映像と共に演奏された後、雷電将軍の「妄念と執念」が続きます。
「妄念と執念」は、キャラクター実戦紹介動画と会場を照らし出すライトアップの演出が特に調和しており、雷電将軍の持つ厳格なイメージ、電撃による閃光を耳と目の両方で体感できるという、こだわりを顕著に感じる仕上がりでした。本コンサートにおいては随一でカッコイイ演奏&演出だったのではないかと思います。
その後は神里兄妹を描いたストーリーPVの楽曲「羽ばたく時」、宵宮のエピソードPVで流れた「瞬きの永遠」を繋げて、稲妻のパートは花火祭りっぽく終わりを迎えました。
コンサートも終盤に差し迫り、後半戦のスメールパートに突入します。
ティナリのエピソードPVやスメール各地で耳にすることができる「揺らめく木々の影」で始まり、「輝く新芽のメロディー」「賑やかな港」と続きます。
スメールの楽曲は『原神』の中でもっとも民族性を感じられるような、思わず身体が動いてしまうキャッチーさが特徴的です。これを生で聴けるのは、ファンにとっても「最高」の一言に尽きるでしょう。暗闇の中、必死に音を出すまいと静かにメモを取り続ける筆者の隣りの方は、ノリノリでビートを刻んでいました。
そしてストーリームービー「花神の舞」の楽曲から、アルハイゼン、放浪者(スカラマシュ)のエピソードPV楽曲が演奏されていきます。放浪者の楽曲の後には、ボス敵のBGMが待っていました。この楽曲「三千娑界の御詠歌」では、俳優・オペラ歌手としても活躍しているパオロアンドレア・ディピエトロ氏が登壇し、ボーカル部分を歌唱していました。
パオロ氏による迫力満点のバリトンボイスはホール全体をこだまさせ、多くの原神ファンたちを一斉に魅了しています。歌いあげた後の拍手は一際大きいもので、間違いなく本コンサートにおけるハイライトシーンだったといえるでしょう。
割れんばかりの拍手の後、ストーリームービー「折れた枝、落ちた夢」と、アニメーションで描かれたスメールPVの楽曲が繋げて演奏され、スメールのパートも無事に幕を閉じていきました。
鳴り止まない拍手の中、舞台から退場したと思えば再び現れてまた姿を消す。アンコールのためにより盛大な拍手を欲しがる指揮者・栗田博文氏のお茶目な場面で会場から笑いを取りつつも、最後はフォンテーヌより「生い茂る木陰の原を訪ねて」などを披露して、本コンサートは終わりを迎えたのでした。
会場から出ると外はすっかり暗闇に包まれています。
しかし、東京湾に浮かぶ点々とした船の灯りがこれまた風情ある光景で、思いもよらないサプライズのように感じた人は多かったのかもしれません。今回の記念に改めて写真撮影をする人や、ホールの入口付近でコンサートの感想を語り合う人など、『原神』熱の冷めないファンたちが賑わっているようでした。
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コンサートで来場者向けに配られた特典は、コンサートの記念チケットとゲーム内アイテムが貰えるシリアルコードの2種類です。ゲーム内アイテムについては、現在ゲーム内のショップから購入できる「高鳴るメロディ」と同様のアイテムとなっています。
コンサートに行った人と行かなかった人で、特別入手できるアイテムが異なるわけでもないのでゲーマー的には1つ安心といえそうです。早速筆者も記念アイテムを身につけて、フォンテーヌの大空を自由に駆け抜けてくるとします。
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