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Intelは現地時間12月12日から15日にかけてシドニーにおいて開催されたSIGGRAPH Asia 2023にて、現在開発中の独自のフレーム生成技術「ExtraSS」のデモを公開しました。
「DLSS 3」や「FSR 3」にて採用されているフレーム補間ではなく、フレーム外挿という技術を用いているとのことです。
同じフレーム生成でも原理は違う!Intelの独自路線は功を奏すか?
「DLSS 3」や「FSR 3」にて採用されている技術はフレーム補間と呼ばれるもので2つのフレームから1つのフレームを生成するのに対し、今回のデモによれば「ExtraSS」にて使用されているのはフレーム外挿と呼ばれる技術とのこと。
これは各フレームのあとに前フレームから生成されたフレームを追加するというもので、いわば2:1の割合でフレームが生成されるフレーム補間に対し1:1で生成されるフレーム外挿という異なる技術を使用しているとしています。
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そのため「DLSS 3」や「FSR 3」では遅延を抑えるReflexやAnti-Lag+といった技術を組み合わせて使用されるのが一般的である一方で、「ExtraSS」ではこうした付加的な技術の併用は不要としています。
これに対しフレーム外挿の一番のメリットは遅延を抑える事が可能な点なのですが、その一方で生成元として高解像度なデータの入力を要し、かつ視覚的な不具合が生じやすいことが欠点とされています。
ただ、今回の発表により研究を重ねることで指摘されている欠点をある程度克服しうる段階にまで達したとも考えられることから、この点において独自技術で競合に追いすがろうとするIntelの意地を感じさせるものと言えるでしょう。
端的にまとめると原理の違いからそれ単体で遅延を押さえつつ、フレーム生成による高フレームレート化の恩恵をうけることが可能という文字通り「ExtraSS」は「DLSS 3」とも「FSR 3」とも異なる独自の技術であると言っても過言ではありません。
さらに今回のデモで使用されたのは「AMD Ryzen 9 5950X」と「NVIDIA GeForce RTX 3090」の組み合わせだったとのことで、Intelによれば「ExtraSS」は構成に依存しないとしておりこれもまた強みであると言えます。
独自路線を行くIntelがNvidiaとAMDに対する第三極としてゲーマーの心強い味方となるか、引き続き注目したいところです。