ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2月21日に「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」を発売します。本記事では、ゲームでの使用例を交えた製品の概要とレビューをお届けします。
なお、執筆に当たってはソニー・インタラクティブエンタテインメントより提供された製品を使用しています。
近未来感のあるフォルムのヘッドセット!
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カラーリングは多くのPS5向け周辺機器と同様に、白と黒で統一され、スタイリッシュです。余分なパーツや装飾などもなく、シンプルにまとまっています。
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全体のフォルムは丸みを帯びた形状をしており、可愛らしくも近未来的な印象を受けます。
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付属品はUSB Type-A to Type-Cの充電ケーブル、PS5やPCなどに接続するためのPS Linkレシーバー、そして壁面のネジなどに引っ掛けて充電できるチャージングハンガーの3点。必要最低限のアイテムはもちろん、デスクや壁面に掛けて充電できるアタッチメントも付属しているのが好印象です。
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インターフェースは右耳側に集中しています。上から音量ボタン、充電/有線接続用のUSB Type-Cコネクタ、3.5mm音声端子、そして電源兼PS Linkペアリングボタンです。
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マイクは左耳側前方についており、伸縮可能です。また、ミュートボタンも搭載されています。
ヘッドセットの実力やいかに。3Dオーディオやマイクの有用性もチェック
ここからは、実際にPS5でゲームをプレイしながらその実力を確かめていきます。また、目玉のひとつである3Dオーディオや、マイクの性能もチェックします。
ヘッドセットやイヤホンで重要となるのは、ドライバーと呼ばれる振動板です。ドライバーの作りやサイズによって音質やサウンドの歪みなどが大きく左右されます。
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本製品には独自カスタムされたプレーナーマグネティックドライバーが搭載されており、ゲームのサウンドデザイナーが意図したであろう音を忠実に再生してくれます。
ステルスでジリジリと迫る戦闘シチュエーションがよく発生する『The Last of Us Part II Remastered』では音の方向を聴き分けることがかなり重要ですが、敵が立てた微細な物音までしっかり捕らえてくれます。
そして、本製品の目玉のひとつはPS5ならではの機能である3Dオーディオへの対応です。この機能は対応したゲームで有効化すれば、ゲーム内のキャラが感じているような音の位置関係をそのまま聞くことができるのです。
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『The Last of Us Part I』のプロローグでは、それを存分に感じることができます。サラが起きた後に隣の部屋から漏れ聞こえるTVの音もリアルに感じられますし、脱出を試みる際に周りで次々に混乱が起こる地獄絵図でも、音の位置感覚が伝わってきます。
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『Marvel’s Spider-Man 2』では、気持ちよく空を駆けている最中の市民の会話や車のエンジン音などがしっかりと聞こえてくるので、ニューヨークの街並みへの没入感が更に高まります。
聴く側の音響はゲーム用として申し分ない完成度ですが、マイクの音質には課題があると感じます。AIノイズリジェクションによって生活音などのノイズが乗ることはないものの、音質はDualSenseの内蔵マイクと同じくらいのレベルであり、ゲーミングヘッドセットのマイクとしては心もとない性能です。DiscordをPS5に転送して通話することもできますが、ややノイジーな声になってしまいます。
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PS5向けの使用が主でありながら、対応機種が柔軟に選べるところは好印象です。Windows PCやMac、PS PortalなどPS Link対応機器でも使用できるほか、3.5mm端子を使っての有線接続もできます。加えて、Bluetoothでスマホやタブレットでも使用できる上にPS LinkとBluetoothのデュアルデバイス接続も可能です。
先述したようにマイク音質はあまり良くありませんが、スマホとのデュアルデバイス接続で通話すれば良い音質のまま通話を楽しめるでしょう。最近は『HELLDIVERS 2』や『FOAMSTARS』などマルチプレイ向け作品がリリースされたため、それらとの相性も良いはずです。
インターフェースのアクセスは基本的には快適です。音量ボタンやマイクミュートなど使用頻度が高いであろうボタンは押しやすい位置にあり、直接見たり手で探さずとも自然と操作できるわかりやすさとなっています。一方USB Type-Cコネクタがやや奥まったところにあるため、少し接続しづらいのが難点。とはいえ、慣れるかチャージハンガーを使用すれば解消する問題ではあります。
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つけ心地は柔らかく、頭の大きめな筆者でも締めつけを感じません。イヤーパッドや頭部パーツには柔らかい素材が使われているため、装着していて不快感がなく好印象です。
バッテリー持ちの良さも特徴で、公称最大30時間ものバッテリー駆動時間を誇ります。実際に使用前にフル充電し、しばらく使用していましたが、切れることは有りませんでした。急速充電にも対応しているので、ワイヤレス製品にありがちな“充電待ちのイライラ”は極力抑えられた設計になっているように感じます。
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「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」は、今世代のゲーム向けにチューニングされた印象のゲーミングヘッドセットです。クリアでゲームが鳴らした音を逃さず再生でき、3Dオーディオにも対応する本製品は、リッチでシネマティックなゲームでも瞬発力やサウンドが重要なアクション重視の作品でもさまざまな場面で活躍するでしょう。
インターフェースの使いやすさ、つけ心地、バッテリー持ちの良さや他デバイスでも使用できる仕組みなど快適さの面でも高水準で、PlayStationコンソールをメインとするユーザーにとっては非常に良い選択肢といえます。一方でマイク音質は大きな欠点であり、ボイスチャットなどの機会が多いユーザーは、音声入力のみスマートフォンや他デバイスを使うことを検討してみてもよいでしょう。
「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」は、2月21日に発売予定。価格は1万8,981円です。販売店は公式サイトからご覧ください。