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ノルウェーの子ども家庭省の取り組みとして行われた、オスロ・メトロポリタン大学のKamilla Knutsen Steinnes氏とClara Julia Reich氏による研究で、10~15歳の子供を対象とした親と子を取り巻くゲーム環境に関する調査を受け、研究者らが警鐘を鳴らしています。
◆オンラインで生きる子供たちとゲームデザインの問題点
ノルウェーの子ども家庭省の取り組みとして、オスロ・メトロポリタン大学のKamilla Knutsen Steinnes氏とClara Julia Reich氏によって、子供たちによるビデオゲームにおける消費に関する研究が行われました。
子育てとビデオゲームにフォーカスしたニュースレターサイト「Crossplay」の報道によると、研究者らは「若者の間でのゲーム人気は、仲間はずれやいじめを避けるためにアイテムやスキンを買わなければならないという社会的圧力を生み出している」と考えているようです。
オンラインとオフラインの境界線がない現代においてゲームは子供達の生活の一部となり、ゲーム内の見た目やスキンは重要な自己表現(アイデンティティマーカー)であると研究者らは解釈。「周囲に馴染まないといけない」という普遍的なプレッシャーは新しい形へ変化し、ゲームを遊ぶ環境(インターネットやゲーム本体、ゲームにかけるお金)などが足りていなければ疎外感を覚えるし、どのようなスキンをつけているかによっていじめられる可能性すらあると言います。
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また、ゲーム企業によるマーケティングが“ますます巧妙になっている”とも指摘しています。過去に『フォートナイト』などのEpic Gamesが、ダークパターン(プレイヤーを騙し不要な購入を促すようなインターフェースなど)で罰金が科されたことを例に、ゲーム内通貨の導入など意図的に難解な課金システムにしていたり、カウントダウンタイマーなどで“買い逃す恐怖”をもたらしたりと、欺瞞的なデザイン戦略などに対する規制が欠けているとしています。
Crossplayはこれらの研究によって、政府主導でゲーム企業が正しい方向で導かれると期待を寄せています。