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2024年7月19日に開催した「BitSummit」は京都で恒例のゲーム展示会となりました。ビジネスデイと一般開放日の3日間にわたって行われた「BitSummit Drift」から気になった作品をピックアップしてお届け。本記事では、インディーズゲームブースにて展示されていた『チキン・ポリス:巣箱の中へ!』をご紹介します。
痛快ハードボイルド……だけど主人公はニワトリ!?
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本作品はシリーズ作品になっていて、前作『Chicken Police - Paint it RED!(チキンポリス)』の後日談になっています。二羽の伝説のニワトリ刑事が主人公というコテコテの正統派ハードボイルドADV作品で、登場人物は頭以外は人間と変わりない……と書くとややネタっぽく聞こえてきますが、本作品は真面目な作品で、舞台となっているクロービルシティーでは動物種族間での捕殺や動殺といった事件も起きています。
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主人公はある出来事でトサカに銃痕を追い無期限休職中の「サンティーノ・フェザーランド」通称サニーと、トリガーハッピーで愛妻家な相棒「マーティン・マクチキン」通称マーティの二羽を主軸としています。本作品では、前作のエンディングで世界一周の旅に出るはずだったサニーが請け負ってしまった依頼のため、巣箱と呼ばれる危険地帯へ消えた死体を探しに相棒を巻き込んで赴くことになります。
動物たちは数々の苦難を乗り越え連合国家として手を取り合い一緒に住んでいるのですが、一部の種族はその連合に加わることができませんでした。今回の舞台となる巣箱は、そこから弾かれた昆虫族の住処となっており、ゴキブリ街などと呼ばれるほど動物たちからは爪はじきにあっています。
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ゲーム自体はポイントアンドクリックタイプになっており、マップ中のあらゆる場所をクリックする他、手に入れたアイテムを使用することなどでシナリオが進んでいきます。
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手に入れた情報などを元に、聞き込みや尋問をすることでシナリオは真相に近づいていくのですが、前作でも雰囲気の醸成に一役買っていたアートワークは健在でした。
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ハードボイルドな世界観には上質な日本語訳が欠かせない
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味のある英語音声だけではなく、高品質な日本語翻訳も雰囲気作りに一役買っています。本作品の日本語訳は動物に合わせた単語に書き換えられています。スクリーンショットの場面では「瓜二つ」という言葉が「卵二つ」になっている他、特にチキンポリスは二羽で活動する場面も多く「お二羽様」と呼ばれる場面が多々あります。鳥ジョークだけでなく、何かにつけて「唐揚げにするぞ」という煽りや、興奮してトサカが立つなど、種族に合わせた翻訳が行われています。
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見た目からは奇作に見える本作品ですが、挟まれるカットシーンもクオリティが高くハードボイルドな刑事ものが好きなプレイヤーなら確実に刺さることは間違いないでしょう。
「BitSummit Drift」は2024年7月19日から21日まで開催。Game*Sparkでは多数の現地取材記事を掲載していくので、今後もお楽しみに!