原作未プレイ者が『SILENT HILL 2』世界最速試遊に行ったら、その偉大さを現代基準で味わえることに感動した【先行プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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原作未プレイ者が『SILENT HILL 2』世界最速試遊に行ったら、その偉大さを現代基準で味わえることに感動した【先行プレイレポ】

『SILENT HILL 2』という作品が抱える独特な魅力は何か。

連載・特集 プレイレポート

人気サイコロジカルホラーのリメイク作『SILENT HILL 2』がついに10月8日より発売されます。多くのゲーマーが名作の復活にソワソワする中、8月8日に本作の世界最速先行プレイイベント「『SILENT HILL 2』Tokyo Media Premiere」が開催されました。

筆者もすごく楽しみなタイトルのひとつですが、実は原作をプレイしていません。本作がゲーム史において偉大であることはなんとなく知っていましたが、Game*Spark編集部から本イベントの取材に呼び出されたときは少しの不安を抱えながら向かいました。しかしいざ体験してみると、『SILENT HILL 2』の凄さをリメイクとして現代基準で楽しめることに深い感動を覚えました。

本記事では、原作未プレイかつシリーズもほぼ初心者という筆者の目線から先行プレイイベントの内容をお届け。同じく原作未プレイという方も、ぜひ楽しんでください!

背景のディテールが凄まじい。ゲームの進化を感じるリメイク

本作の物語は、アメリカ北東部に位置する閑散とした住宅街・サウスヴェイル地区を訪れたジェイムス・サンダーランドの視点で描かれます。彼がこの地を訪れた理由は、3年前に亡くなった妻のメアリーから手紙が届いたこと。ジェイムスはゴーストタウンを探索しながら、メアリーを探さなければなりません。

先行プレイでまず驚いたのは、背景のディテールが凄まじいこと。序盤から荒れ果てた道路や廃車、歩くのが大変そうな獣道などがかなり細かく描写されており、今世代機らしい美麗さに圧倒されます。

とはいえただ綺麗なだけではなくどこか色褪せて生気のない、不気味さはしっかり醸し出されてます。メインの探索エリアとなる霧に包まれた街や廃墟と化したアパートは先に進むのが躊躇われるほど、暗く恐ろしい雰囲気に包まれています。

そのほか、羽虫が大量に飛んでいたり、汚いトイレに手を突っ込まなければいけなかったりと、生理的な嫌悪感をもよおすエリアや仕掛けも印象的でした。

戦闘は近接戦闘用の角材と、ピストルやショットガンなどの銃を使って戦うというサバイバルホラーとしてはオーソドックスなもの。

角材は何回振るっても壊れない代わりに反撃されるリスクが高く、銃は比較的低リスクである代わりに弾数に制限があり、狙いを定める必要もある……という感じで、リスク・リターンがしっかり噛み合っています。しっかり探索すれば弾薬やアイテムがたくさん手に入るという、このジャンルではおなじみのご褒美もあります。

リメイクにあたってドッジ(避け)アクションが追加されており、腕の立つプレイヤーであれば近接を主体とした戦い方ができます。一方で、序盤に出てくるような単純な攻撃をする敵であれば成功させやすいものの、4本足のマネキンと呼ばれる敵は動きがトリッキーでドッジのタイミングを掴むのは困難。弾数は少ないけど、時には妥協が必要……というリソース管理の楽しさはしっかり味わえます。

本作の魅力的なところは、キャラクターとの出会い方だと感じました。基本的にはジェイムスが妻を探す孤独な旅であり、しょっちゅう遭遇するのは謎のクリーチャーばかり。しかし時折、陰がある雰囲気で包丁を手にしているアンジェラや、死体を見て嘔吐しまくる姿が痛ましいエディーなど、どこか心に問題を抱えているであろう人物たちに出会います。

この人物たちは一見普通の人間ですが、どこか狂気的な面もあり「不気味なサウスヴェイル地区に迷い込んだ仲間」というような親近感はとてもではありませんが湧いてきません。基本は孤独で、時折こうした狂気的なキャラクターに出会うという手法は『Alan Wake』や2024年版『Alone in the Dark』など後年の作品に通ずるものがあります。

プレイヤーとジェイムスの存在が必ずしも“イコール”ではないという部分も特徴。本作序盤ではジェイムスが公衆トイレの鏡で自分を見つめている……という部分から始まりますが、筆者が試遊した範囲ではジェイムスがどういった人間なのか……という深堀りはあまりされていません。

「亡くなっているはずの妻を探すなんて、よほど愛していたんだな……」というような感想は抱きましたが、共感できるような場面が(おそらく意図的に)少なく、プレイヤーはジェイムスを含む多くのキャラクターに対してある種の居心地の悪さを感じながらプレイすることになります。

出会うクリーチャーは確かに不気味ですし、かの有名なレッドピラミッドシングもカッコよさと無機質な不気味さが同居していて、すごく心を揺さぶられます(初見時はすごく興奮しました)。しかし、本作の怖さにはそれだけでなく、更に深い何かがあるのではないか……と感じさせる体験でした。

原作の精神がしっかり受け継がれているかという判断は筆者にはできないものの、4時間もプレイした今でも、改めて製品版をプレイするのが楽しみになる試遊でした。

なお、今回の試遊イベントでは、メディア向けにお土産も!箱を見たときは「えっ!?ピザがお土産なんて前代未聞だなぁ……」と驚きましたが、中身はTシャツやコースター、水筒やステッカーなどが収録されていました。


『SILENT HILL 2』は、PC(Steam)/PS5向けに10月8日発売です。

※画面は開発中のものです。
©Konami Digital Entertainment


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《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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