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みなさん。PlayStation Portable(PSP)というハードをご存じでしょうか?
ソニー・コンピューターエンターテインメントより2004年に登場した携帯ゲーム機であり、なんとその生産台数は8,252万3,607台。出荷が終了した2014年までに様々なソフトが発売されていました。
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本記事では筆者が独断と偏見で選んだ名作タイトルを3本ご紹介。執筆時点で全て、PSPタイトルに対応の下位互換機能があるPlayStation VitaでもDL版を購入すれば遊べるので、同ハードを所持している方も是非参考にしてみてください。
なお、本記事掲載の画像は一部を除き、PSP実機の外部出力機能を使い、キャプチャーボードで記録したものとなっています。
自分でステージ作れるロックマン!?ボスキャラも操作できちゃう『ロックマンロックマン』
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アクションゲームの金字塔『ロックマン』。数多くの派生作品が今までリリースされ、総作品数130以上を誇るカプコンを代表するシリーズですが、『ロックマンロックマン』はそんな本家大元『ロックマン』第一作のリメイク版です。
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ドット絵だった原作からグラフィックが3Dに一新されたほか、新ボス追加にステージ構成の変更、カットシーンの追加、主人公「ロックマン」だけでなく10人以上に増えたプレイアブルキャラクター、オリジナルステージを作成できる「コンストラクション」、やり応え抜群の「チャレンジ」など、ほとんど新作と言っても差し支えない新要素を多く備えており、原作ファミコン風の「オールドスタイル」モードも用意されています。
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詳しく解説していくと、まず『ロックマン』といえば8体のボスと戦い、ボスから奪った武器で別のボスの弱点を突く、という流れが“攻略のあるある”かもしれませんが、初代に関しては実は6体しかボスがいませんでした。そこで本作は2体の新たなボスと対応するステージを加え、弱点の見直しが行われています。
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また、プレイアブルキャラクターに関しては、前述のボスたちが操作可能となっているだけでなく、シリーズのヒロイン的ポジションの「ロール」、味方としての出番が多い第三勢力的キャラクター「ブルース」で遊べるように。元々の主人公ロックマンについても、原作より後に追加されたアクション「スライディング」や「チャージショット」が使えるバージョンや、戦闘用に改造される前のお手伝いロボットのバージョンでプレイできるようになりました。
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これだけでも十分な追加コンテンツ量ですが、本作のポテンシャルを更に押し上げるのが「コンストラクション」。このモードではステージを自作することができる、いわば『スーパーマリオメーカー』のロックマン版です(※『ロックマンロックマン』は同作の10年近く前にリリース)。
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ステージに使える素材として、本編中のギミックや雑魚敵に8ボスが存在するほか、床ブロックなどには、原作ドット絵風のものから『魔界村』モチーフのものまで用意されており、プレイヤーの遊び心をくすぐります。
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「チャレンジ」の方は各キャラクターの基礎を学べるステージから、応用アクションを学べるステージもあり、前述した「コンストラクション」の自作ステージにアイデアをそのまま転用できることが多いので、実力試しとしても、参考資料としても楽しめるモードです。
なお、ここまで褒めちぎっていましたが、本作には致命的な欠点として専用サイト“「ロックマンロックマンWEB」のサービス終了”があります。
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本サービスでは「コンストラクション」で作ったステージをユーザー間で共有し合う機能のほか、カプコン公式が作成した高難度ステージなどが公開されていました。有志が作ったステージの中には高い評価を得た結果、再現版「クイックマンステージ」や“一切操作せずにクリア”できる“全自動ロックマン”的なステージといった、殿堂入りしているものもあります。
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さらに、本サービスでは“SPデータ”として本編だけでは解放できないコンテンツを配信しており、前述したプレイアブルキャラクター「ロール」や多くのステージ背景素材もその中に。そのため、記事執筆時点でプレイを開始したユーザーにとってこれらコンテンツは、実質的に楽しめないものとなっています。
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本作は新作と比較しても単体で十分に遊べるコンテンツ量を誇るうえ、SNSの恩恵が受けられる現代だからこそユーザー同士で楽しめる「コンストラクション」をそのまま眠らせておくのは惜しく思います。
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たとえPC・現行機への移植などで復活しても、将来的にサーバー維持コストの観点から自作ステージ共有の場が無くなる可能性も有りますが、せめて追加キャラクター含む“SPデータ”を事前収録したバージョンがリリースされ、新規でもゲーム内コンテンツを100%楽しめる環境が出来れば嬉しいです。
古代ローマ・バスケ開催!殺るか殺られるかの3Dアクション『剣闘士 グラディエータービギンズ』
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古代ローマを舞台に剣闘士が戦う3Dアクションゲーム『剣闘士 グラディエータービギンズ』。本作は、アクワイアが発売した『剣闘士(グラディエーター)』シリーズのPSP向けタイトルです。
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ゲームは史実をベースにしているものの、プレイヤーは歴史を大きく変える立場にはならず、奴隷の剣闘士として闘技場で戦い続け、報酬で借金を返したり、貴族に取り入って特権を手に入れたりするのが目的となっています。
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本作の中心となる闘技は基本的に敵を倒せば勝ちのルールであり、敵をひたすら倒す「サバイバル」や1対1で闘う「デュエル」、アクティウムの海戦といった戦争の様子を模した「模擬戦争」などのバリエーションが存在します。プレイヤーは闘技を通して様々な武器や防具を手に入れられるほか、興行する貴族とのストーリーを進めることもできます。
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ここまでが作品の概要となりますが、本作で特に注目して欲しいのがその戦闘システムです。本作では体力が無くなれば敗北となりますが、ダメージを受けた際のノックバックが非常に強く設定されており、“一度攻撃を喰らった後、立て直すころには次の攻撃を喰らっていた”というシチュエーションも珍しくありません。
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さらに、ノックバック中に壁にぶつかった場合、壁とは逆方向、つまり大抵は攻撃してきた相手の方にキャラクターがバウンドする仕様があるため、モーションや武器のリーチ次第では、 ドリブルのごとく“ひたすら相手と壁の間でノックバックとバウンドが続く”、血みどろの古代ローマ・バスケットボールが開催されてしまいます。
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これだけでは一方的な試合に聞こえるものの、鍵を握るのが防具とドッジ(回避)、そしてパリィの存在。防具は頭、両腕、両足に装備でき、ダメージやノックバックを防いでくれる一方、ドッジ・パリィ(パリー)は相手の攻撃をかわしたり弾いたりできるシステムとなっています。
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しかし、これらも良いことばかりではなく、防具は性能が良いほど重量がかさむ傾向にあり、使っている武器次第で全身に装備する余裕が無くなってしまったり、ドッジは回避時に後ろに移動するため、壁に追い詰められるリスクがあったり、パリィはパリィ無効な攻撃が存在したり…と状況や戦術に応じた使い分けが求められます。
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これらを活かし、いかにノックバックを避け、いかにノックバックを相手に押し付けるか、この駆け引きが本作における戦闘の楽しさと言えるでしょう。
なお、装備剥がしや戦闘を盛り上げる評価システムなど、これでも紹介しきれていない部分もあり、奥深さとポテンシャルを見せる『剣闘士』シリーズ。残念ながら、続編である『グラディエーターバーサス』がその出来から有志企画2011年度「クソゲーオブザイヤー(据え置き)」にノミネートされてしまったほか、最新作『剣闘士X』が2020年リリース予定と発表されたにもかかわらず、2024年時点でも音沙汰無しと、先行きはあまり良くありません。
しかし、『剣闘士X』の開発元とされているStarcaster Gamesが“再起プロセス中”とアナウンスしているため、今後の展開に期待です。
ちなみに『剣闘士X』以外の、本作含めた『剣闘士』シリーズに携わっていたゲーム会社「娯匠」は、ローグライト3Dアクション『CYBORG-PROTOTYPE』を開発中。Game*Sparkではプレイレポなどを掲載しています。
ハクスラ的な楽しさがクセになる!ハイスピードなSFアクションRPG 『煉獄弐 The Stairway to H.E.A.V.E.N』
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かつて存在したゲーム会社「ハドソン」。同社は『ボンバーマン』をはじめ、様々な名作を輩出しており、『煉獄弐 The Stairway to H.E.A.V.E.N(煉獄弐)』もその内の1つと言っても過言ではありません。
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『煉獄弐』とは、戦争の道具として使われ、終戦後、「煉獄」なる塔に閉じ込められた自律型戦闘兵器体「A.D.A.M(ADAM)」の一体「GRAM」が最上階を目指すSFアクションRPGです。本作は同じくPSP向けに発売された『煉獄 THE TOWER OF PURGATORY』の続編となっており、舞台設定は共通しているものの、独自のストーリーが展開されています。
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ゲームはひたすら敵を倒し続け、各フロアを制覇したら最奥でボスを倒し次のフロアへ…という流れを繰り返して進行。道中では刀剣や銃器、アーマーといった様々な種類の武装を拾えるほか、集めたエリクシルスキン(ポイント)でパラメータを上げたりしてキャラクターを強化可能です。
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本作ではシンプルなマップ構造、軽快なプレイヤーのモーション、そして全体的に低めな敵の耐久力が合わさり、テンポよく敵を倒しながらキャラクターのビルドを整える、ハック&スラッシュ的な楽しさを味わえます。
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また、一部を除きフロア毎に特殊なギミックが設定されていることに加え、ゲーム後半からはパラメータがリセットされ、その場で手に入れた武装だけしか使えないローグライク風のルールも登場。“強いビルドを整えたら後はずっと一緒”といった一辺倒なプレイを防ぐ、飽きにくい作りも特徴です。
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筆者個人としてはハードの制約を配慮した快適な作りで新作に期待…したいところですが、本作の置かれた状況を考えると展望が開けないのも否定できません。
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2024年時点でハドソンはコナミデジタルエンタテインメント(コナミ)に吸収合併されており、『煉獄』シリーズの販売元は同社に変更されています。
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ハドソンブランドのゲームについて、コナミは『ボンバーマン』や『桃太郎電鉄』の新作を展開していますが、これらシリーズに比べ、圧倒的に歴史が浅く、ビジュアル・設定ともにハードコアな『煉獄』を唐突に復活させる可能性は高いとは言い難いです。
ベタ移植でもいいので、既存タイトルだけでも現行ハードやPCで遊べるようになればと願います。
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今回のPSP名作タイトルの紹介は以上です。記事執筆時点でも各タイトルはPlayStation Storeで配信中であり、なかでも『ロックマンロックマン』は記事内で触れた問題を抱えているものの、“500円”とお手頃な価格です。
なお、Game*SparkではPSPで遊べるタイトルについて複数の特集を掲載中。次回はピエール瀧氏プロデュースの“くだらないのに、やめられない。”ミニゲーム集『バイトヘル2000』の特集を予定しております。
※UPDATE(2024/09/02 10:15):『煉獄弐』の一部説明に関して、語弊の少ない表現に変更しました。SNSでのご指摘ありがとうございます。