
AMDのプロセッサには解像度のアップスケーリングなどに用いられる超解像度技術として「FidelityFX Super Resolution」(FSR)が搭載されていますが、この次期バージョンとなる「FidelityFX Super Resolution 4.0」(FSR4)はAIベースの技術となる予定であることが海外メディアTom's Hardwareのインタビューにて明らかとなりました。
携帯機などでのバッテリー持ちを重視し、AIベースの超解像度技術に路線変更か
歴代のFSRでは出力された映像に対し独自のアルゴリズムによるフィルター処理をかけることで超解像度技術を実現していましたが、FSR4では超解像度技術の対抗馬であるNVIDIAのDLSS、IntelのXeSSと同様に、AIベースの超解像度処理になることが予想されます。
この変更の背景には「携帯機でのバッテリー持ち」が影響しているものと思われます。アルゴリズムによるフィルター処理ではハードウェアに計算負荷がどうしてもかかりますが、AIベースの処理では既に計算されたAIのデータを適用するだけで済むため、ハードウェアへの負荷に大いに差が出ます。
FSR4での路線変更について、AMD幹部のJack Huynh氏は上記のインタビューで以下のように答えています。
ハンドヘルド機器では、バッテリー寿命が最優先事項です。ASUS ROG AllyやLenovo Legion Goを見ると、バッテリー寿命が短いことがわかります。数時間必要です。(ユーザーは)『黒神話:悟空』を60分ではなく3時間プレイしたいのです。ここでフレーム生成と補間が役立ちます。これが私たちが追加するFSR4です。FSR2とFSR3は分析ベースの生成でした。フィルターベースでした。私たちがそれを行ったのは、市場投入までの時間が非常に短いものを求めていたからです。チームに伝えたのは、「皆さん、未来はそこに向かっていません」ということでした。そこで、約9~12か月前にチームを完全に方向転換し、AIベースに移行しました。
こうしてAMDも実装に乗り出したAIベースの超解像度技術。どうやらこの分野は、AIが最も活用されている分野の1つとみてよさそうです。