トビアス氏にインタビュー!日本コミュニティからの反響や前作との“つながり”は

試遊の後、トビアス氏に個別やメディア合同でのインタビューも行われました。日本のコミュニティとのエピソードや失われた風景の再現など、興味深いトピックもたくさん飛び出しています。
~個別インタビュー編~
――本作は日本語字幕だけでなく、日本語のフルボイス対応も予定されている珍しい作品です。前作を含め、日本のコミュニティからの反響はどのようなものでしたか。
トビアス氏日本のファンの皆さんからは、すごく沢山のフィードバックをもらいました。前作は日本でビックリするぐらい成功を収めており、「実際のチェコの文化や歴史はこうだったんだ、ということを知れた」「中世のことや実際に起きた出来事に興味が湧いた」といったような反応が多くみられました。
実は6月に、プラハで日本のファンの方にお会いすることがありました。その人は前作をプレイしたことでチェコに強い興味を持ち、ゲーム内で訪れた場所を実際に訪問するという旅行をしていたそうです。
本来なら秘密にしておくものですが…本作に登場するロケーションに、日本から来たスペシャルなお客様を案内することもありました。(笑)

――前作についてはどのようなフィードバックがあり、そのフィードバックを受けてどういった部分を変化させ改善していきましたか。
トビアス氏フィードバックをもとに改善した点として大きなものは、コンバットシステムが挙げられます。本作でも「実際の戦闘で使われていた動き、戦い方を再現する」という部分は変わっていませんが、動きのバリエーションを増やしたり、あまり時間をかけずとも操作をマスターできるような改善をしていきました。
もう一つ挙げられるのは、セーブのシステムです。前作では「ポーションを飲まないと任意のタイミングでセーブができない」(※シナリオの区切りのオートセーブや、宿屋でのセーブ、中断時のクイックセーブは可能)という仕様で、このあたりにも少し手を加えています。
前作ではポーションの入手も難しく、とくにキャラクターが弱い序盤は苦労する場面が多くありました。本作でもポーションによるセーブなど基本的なシステムはそのままですが、ポーションを序盤から入手しやすくなるように改善しています。
――本作は前作に比べて、2倍の広さとなったマップが用意されています。ストーリーの舞台となる地域や、訪れるバイオームなど、ロケーションにはどのような変化がありますか。
トビアス氏前作の舞台であった「ラッタイ」から、本作では別の場所に移動しています。マップは北部と南部のニ種類が用意されており、北部のほうがサイズとしては少し小さいです。
北部では森林や砂岩など自然豊かな地形がある一方で、南部のマップでは銀の採掘場や工場など発展した工業都市が描かれています。
――本作は前作に引き続き、「ヘンリー」が主人公となっています。前作と本作の間には、どれぐらいの年月が流れているのでしょうか。
トビアス氏だいたい5~6日ぐらいでしょうか。前作のラストは、ヘンリーと仲間の兵士たちが夕陽に向かって駆けていくというものでした。本作は直接的にストーリーが繋がっているため、ヘンリーと兵士たちがこちらに向かってくる、という始まり方をします。
――今回「フス戦争」をストーリーの背景に選んだ理由は、どういったものなのでしょうか。
トビアス氏この時代を取り上げた理由ですが、ゲームの題材として歴史を見たときに「興味深く、短期間のうちに狭い地域でさまざまな出来事が起こる」というところに着目しました。
戦争や内乱の直前ということで、登場人物の誰もが漠然とした不安を抱えていたり、緊張感のある空気が漂っています。そういった雰囲気も、ゲームの没入感や面白さを引き立てるような要素になっていると思います。

――前作では多数のDLCにより、コンテンツやプレイの幅をさらに広げることができました。本作でも同様に、DLCなどの展開は計画していますか。
トビアス氏前作のリリース時はセールス面などで不安があったものの、成功を収めることができました。本作も同様に多くの人がプレイしてくれることを望みつつ、キャラクターやコンテンツなどを拡張していこうと考えています。
~合同インタビュー編~
――(本作に登場する一部のNPCはWarhorse Studiosのスタッフをベースにモデリングしているという話を受けて)主人公のヘンリーも、スタジオのスタッフをベースにしているのでしょうか。
トビアス氏残念ながらヘンリーは同僚がモデルではなく、イギリス人俳優のトム・マッケイという方をキャプチャしています。メインとなるキャラクターたちは俳優を起用していますが、農夫、悪党など、サイドストーリーで登場するNPCはスタッフをベースにしています。
ちなみに私もいますが……悪党役で、重要な役割を持ったキャラクターではありません。(笑)
――ヘンリー役にトム・マッケイさんを起用した理由はなんですか。
トビアス氏彼がスタジオにテープを送ってきたことがきっかけでした。そのテープを見たクリエイティブディレクターが、「声も顔も、彼こそがヘンリーにふさわしい!」ということで決定しました。

また、作品ではハンス・カポン卿を演じているルーク・デールさんも、当初はヘンリーの役を希望していました。ですが、こちらもクリエイティブディレクターがチェックしたところ「ちょっとヘンリーとは違う…でもハンス・カポンにピッタリだ!」ということで現在の役になっています。
川谷氏ちなみに、貴族のなかにもスタッフをベースにした人物がおり、地位の高い貴族はCEOのMartin Fryvaldsky氏をキャプチャしています。
――スタッフをNPCとして登場させるとき、役の希望などをするのでしょうか?それとも、見た目など独断で判断されるのでしょうか。
トビアス氏判断はデザイナーが行っています。実際に顔を見て、どういった役割がふさわしいかを想像してキャラクターを制作します。私の場合は「悪党」ですが、CEOの場合は…さすがにウチのデザイナーも悪党にはしなかったようです。(笑)

――本作ではヘンリーとハンス・カポンが手紙を届けることになる「トロスキー城」という城は、17世紀ごろに焼け落ちてしまい、資料が残っていないという話を伺いました。そうした状況のなかで、焼け落ちてしまったトロスキー城をどのように再現したのでしょうか。
トビアス氏とてもいい質問ですね!今日はネットも繋がっているので、トロスキー城について私がガイドします。現在のトロスキー城は完全に破壊されており、遺跡のようになっています。本来この城は14世紀の末に完成したもので、本作の設定と照らし合わせると完成してから数年しか経っていないような時期です。
つまり、この城がどのような形であったのかを見られるのは本作だけ、ということになります。開発チーム内の歴史学者や美術館、建築家などから情報を集めたり、同年代に作られた他の城の建築様式を参考にしたりしながら、「このような感じであった可能性が高い」というものをオリジナルで制作しています。

――先ほどのインタビューでも、日本のコミュニティから大きな反響があったという話がありました。本作を楽しみにしているユーザーへ向けた、メッセージをお願いします。
トビアス氏まずは、本作を日本のユーザーの皆さんに向けて発表できることを嬉しく思います。本作は歴史について学ぶことができる作品で、学校の授業のように退屈なものではなく、楽しく実際の中世ヨーロッパの世界に触れて、知ることができるゲームです。
本作はまるで、“ヨーロッパに舞台を移したサムライ”の物語という風に解釈することもできるとと思います。「すべてを失ってしまった人がそこから立ち上がり、色々なことを学びながら最終的に仇を討つ」というストーリーは、日本の作品でもみられるようなものではないでしょうか。
そういったストーリーがヨーロッパではどのようにして描かれるか、600年前の世界はどんなものだったのかということを、このゲームを通じてお見せしたいと思っています。日本のファンの皆さんには、「すごくカッコイイゲームなので、ぜひプレイして楽しんでください!」と言いたいです。


15世紀の中世ヨーロッパ世界、チェコの風景や歴史をリアルに描いた『キングダムカム・デリバランスII』はPC(Steam, Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年2月12日発売予定です。
© 2024 Warhorse Studios s.r.o. Published by Deep Silver. Deep Silver is a division of PLAION. Deep Silver and Plaion and their respective logos are trademarks of Plaion GmbH, Embracer Platz 1, 6604 Hoefen, Austria. Warhorse and Kingdom Come: Deliverance are registered trademarks of Warhorse Studios s.r.o. Portions of this software are included under license © 2019-2024 Crytek GmbH. All rights reserved. Crytek, Cryengine and their respective logos are trademarks of Crytek GmbH. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved.