2024年の隠れた名作『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』は“難易度変更”の新たな可能性を教えてくれる。アクセシビリティの凄さが際立つ2D ACT【Steamウィンターセール2024】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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2024年の隠れた名作『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』は“難易度変更”の新たな可能性を教えてくれる。アクセシビリティの凄さが際立つ2D ACT【Steamウィンターセール2024】

苦手なものは調整してOK。

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12月20日午前3時より、Steamウィンターセール 2024が開催されています。2024年を締めくくりながら2015年1月3日まで続く大型セールで、多種多様なジャンルのさまざまなタイトルをお得に購入できます。

Game*Sparkでは人気ジャンルのセール情報をお届けする特集記事を掲載していますが、本記事ではオススメタイトルを1本のみに絞ってご紹介。本記事では、Ubisoft Montpellierが開発した2D探索型アクション『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』アクセシビリティの凄さについてお届けします。

「Steamウィンターセール2024」特集記事はこちら!

「アクセシビリティ」はゲーマー全員に関係のあること

「アクセシビリティ」と聞くと、色覚特性を持つ方や身体障がいを持つ方向けの機能という印象を受けるかもしれません。確かにその側面はありますが、実際のところこの言葉が意味するのは「利用しやすさ」であり、ゲームにおいては“誰にとっても使いやすくする機能”という方が本質的と言えるでしょう。そのため、アクセシビリティはすべてのゲーマーにとって関係のある要素なのです。

メトロイドヴァニアというジャンルは、2Dアクションの中でも要素の多いサブジャンルです。作品によっても変わりますが、『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』では「探索」「パリィ重視の戦闘」「謎解き」「プラットフォームアクション」が挙げられます。そして本作のアクセシビリティは「どの要素を楽にするか」という調整ができるようになっています。

メトロイドヴァニアで「目的地が見える」って……大丈夫?

なかでも代表的な例として「ガイドモード」が挙げられます。これはストーリーで行くべき次の目的地が表示されるほか、探索済みの場所であれば今の状態では行けない入口を自動で記録してくれたりと、探索要素をかなり緩めてくれます。

加えて「記憶」というゲーム内スクリーンショット機能では、探索中に見つけた「行き止まり」にある仕掛けがどんなものだったのかを記録できます。マップ上に紐づけされるため、行く先を突破できる能力を入手した際に戻るのが簡単になり、「さっき獲得したこの能力、前に行った所で使える気がするけど……どう行くのか忘れちゃった」というメトロイドヴァニアでありがちな問題を解決しています。

他にも、マップ中のトゲなどで受けるダメージを減らすことでプラットフォームアクションの難しさを緩和したり、戦闘の受け流し(パリィ)の猶予を長くすることで戦いやすくしたりと、自分の得意な部分にあわせて調整可能。ゲームプレイの様々な点をセッティングできるシステムは、本作のユニークかつ優れたポイントです。

筆者はメトロイドヴァニアで「プレイ中に迷ってしまう」という体験が苦手なのですが、このジャンルにおいては探索要素が緩くなると全体的に大味になってしまうのではないか……という心配も同時に抱いていました。しかし、実際のところ本作は戦闘やプラットフォームアクション、謎解きなどにしっかり歯ごたえがあったため、むしろストレスを感じずに最後まで楽しく遊べたのです。

もちろん「迷うのは好きだけどパリィ戦闘は苦手」という人や「小さい足場を飛び移るのは緊張してしまう」といった苦手な部分がある人も、自分にあわせて調整できるという柔軟さも備えています。

こうした細かい調整を用意できるのはアクセシビリティオプションに力を入れる傾向の強い海外大手デベロッパーならではの強みであり、この人気ジャンルにおいて好例を示したことは非常に大きな意義があります。セールス的に大ヒットと言えるタイトルではないのが正直なところですが、すべてのゲーマーに『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』の素晴らしさが伝わってほしいと感じます。

現在Steamでは50%オフの2,805円(通常版)とお得に購入できます。惜しくも隠れてしまったこの名作を、ぜひ冬セールで楽しんでください。

「Steamウィンターセール2024」特集記事はこちら!



ライター:みお,編集:キーボード打海

ライター/超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

編集/「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『恐怖の世界』。

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  • スパくんのお友達 2024-12-27 3:06:31
    素晴らしい取り組みだと思う。
    メトロイドヴァニア系のゲームで低評価がつく理由に行き先がわかりにくいというものがあげられるのをたびたび目にするけど、かといって案内が親切すぎると探索の楽しみが損なわれると感じるコアゲーマーもいるし、両者のバランスをとったいい配慮じゃないかな。
    10 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2024-12-26 22:56:11
    トゲトゲ床が嫌い
    1 Good
    返信
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