
Steamで『ヴァンガードプリンセス(Vanguard Princess)』を販売中のeigoMANGA。元々同作は個人デベロッパーのゲームであり、eigoMANGAはその複製・販売するに当たり、著作権者・著作権継承者を捜索していたはずですが、同名ゲームのSteamストアページを公開しました。
公開中のプレイ動画には「Nash Music Library」の音声。様々な疑い抱えたパブリッシャーが公開
『ヴァンガードプリンセス』とは、2009年に無料で公開されたスゲノトモアキ(SUGE9)氏による対戦格闘ゲームです。2012年にeigoMANGAより英語対応のバージョン(以下、「海外版」)がリリースされましたが、スゲノ氏は海外版について自身のブログで一切触れていないほか、同氏がeigoMANGAに許諾を出した明確な証拠は出されていません。
eigoMANGA自身はネットの書き込みやインタビューでスゲノ氏とコンタクトを取っていることや、ゲームのライセンス獲得を明かしているものの、一部は発言・書き込み時期によって若干食い違いと思われる部分もあり真相は不明。また、『ヴァンガードプリンセス』を「複製・販売するに当たり、ゲームソフトに収録された映像、プログラム及び音楽に関する著作権者」の情報を募集する広告を著作権情報センターに掲載しており、これは“仮にライセンスを得ているor連絡の取れる関係にあるならば本来は必要ない”はずの行動です。
そもそもSteamで販売している海外版には第三者のイラストの無断使用やゲーム制作ツールの規約違反の疑いがあるeigoMANGAですが、海外版の新バージョンのSteamストアページを公開しました。

この新バージョンは掲載されているイラストなどから同社が開発中のモバイル版『ヴァンガードプリンセス』のPC移植版と考えられます。しかし、こちらは以前にSteam DLCまたはWorkshopとしてリリースされる予定が告知されていましたが、今回のストアページは単体の作品として公開されているうえ、デモ版のページも用意されている状況です。
※再生時、音が大きく出る場合があります。ご注意ください。
ちなみに、執筆時点で新バージョンのストアページに掲載されているプレイ動画には「Nash Music Library」という音声が入っており、同名の著作権ロイヤリティフリーの音楽ライブラリから楽曲を採用していることがうかがえます。そしてこの音声はサンプル音源に含まれているガイドボイスですが、「公開される作品にはサンプル音源を使用することはできません」と音楽ライブラリの利用ガイドに記載されているため、規約違反の疑いがあります。
なお、Game*Sparkでは、『ヴァンガードプリンセス』にまつわる執筆時点までの騒動を時系列でまとめた記事「原作者を差し置き『ヴァンガードプリンセス』巡って争う二社、時系列でこれまでを紹介」を公開中です。
※UPDATE(2025/2/18 0:20):映像が自動再生されないよう修正し、再公開しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。なお、環境によっては自動再生される可能性がございます。ご了承ください。
※UPDATE(2025/2/19 0:35):本文にて一部ことばの重複により、誤解を生む表現となっていた箇所を修正しました。
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