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シリーズではお馴染み、強力な効果を与えてくれる「偉人」の皆様。『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は一部の文明固有のユニットに集約され、偉人を生み出す専用の「街区」を建築すると生産が可能になります。3時代性によって文明の格差が縮まった一方で、プレイする時代に文化繁栄を築いていた文明へ大きなボーナスを付与しました。
シヴィロペディアの偉人の項目はほぼ空白のため、ゲーム中では実質的に名前しか分かりません。教科書に載る有名な方々ももちろんですが、日本では馴染みがなくてもその地域の英雄的人物達も。女性の割合も増えているようで、こうした歴史に埋もれた人々にスポットを当てていきましょう。
クセノポン(BC427?~355?)
哲学者・ソクラテスの弟子。ソクラテス自身は書を残さなかったので、クセノポンが著述した所謂「ソクラテス言行録」やプラトンの対話など、間接的な記録からソクラテスの人物像を構築しています。
ヒュパティア(350?~415)
新プラトン学派の女性学者。アストロラーベ(星座早見盤の原形)の発明者とも言われています。しかし彼女の哲学がキリスト教の反発を招き、異端迫害によって殺害されました。
プタホテプ(プタハヘテプ)(BC2400?)
古代エジプト第5王朝の宰相。「セバイト(格言、教訓)」を数多く残し、一説には「沈黙は金」の起源はここまで遡れるとか。国内では「宰相プタハヘテプの教訓」として読むことできます。
イネス・スアレス(1507~1580)
ペドロ・デ・バルディビアの妻としてチリ征服に参加。サンティアゴがマプチェ族の襲撃を受けて被害が拡大する中、先頭に立って勇敢に指揮したと言われています。
バスラのラビア(ラービア・アダウィーヤ)(716?~801)
イスラム神秘主義において敬虔の模範的人物とされる女性信徒。生涯を通じて熱心に祈りと儀礼を務め、彼女の名を冠したモスクがエジプトにあります。聖人として人気も高く映画も作られました。
アル=ジャーヒズ(776?~869?)
アッバース朝の文筆家。世の中の様々な「けち」な話を収集した「けちんぼども」、図鑑的に様々な動物の情報を集約した「動物の書」が有名。『アサシン クリード ミラージュ』にも登場し「アル=ジャヒズの消えた書物」のミッションを請けられます。死因はなんと本に埋もれて圧死という説も。
エッタ・パルム・デルデール(1743~1799)
オランダ出身の政治活動家、諜報員。オランダ出身で複数の国のダブルエージェントを務めた後、フランス革命期に、史上初となる女性のみの政治結社「真実の友協会」を設立。組織は短期で消滅するものの、フランス革命の最中で女性の権利拡大を訴える活動を続けました。
カミーユ・デムーラン(1760~1794)
ジャコバン派として政治活動を行う傍ら、新聞を発行してロペスピエールらの側に立つ論陣を張りました。しかし強権化する政府を批判する方向へ転じ、死刑判決で斬首されました。享年34。
ピブーン(プレーク・ピブーンソンクラーム)(1897~1964)
タイ(旧シャム)において、クーデターによって王政を廃しタイ立憲革命を成す。第二次大戦後にクーデターで失脚し、戦中に協力していた日本に亡命。日本の地で生涯を終えました。
ペトラ・エレーラ(1887~1916)
メキシコ革命に参加した女性軍「ソルタデラ」の一人。約1,000人を率いる指揮官まで出世し、軍事的功績も挙げましたが「ガラスの天井」に阻まれてその活躍が公になることはありませんでした。最後は上官の命によって部隊を解散させられて密偵として活動することになり、潜入中に銃撃をうけたことによる感染症で28歳でその生涯を終えました。
張衡(78~139)
後漢時代の科学者。数学や機構、気象天文に秀で、円周率の計算を当時の世界に先駆けて進めています。渾天儀の改良や「地動儀(地震計)」など数々の発明品を製作しました。
歴史的背景の情報がたっぷり詰まったシヴィロペディア。ゲームに集中していると読む暇もあまりないでしょうが、たまには休息として目を通してみてください。新しい知の扉を開いてくれることでしょう。