アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2025年3月12日にリリースされたローグライトアクションゲーム『メタルブリンガー』です。
1000年の時を経て目覚めた少女の物語
『メタルブリンガー』は、日本のアルファウイングが手掛ける作品（パブリッシャー：PLAYISM）。同社は過去に和風ローグライトアクション『サムライブリンガー』を開発したことでも知られています。
本作は2023年に行われたオンラインイベント「PLAYISM Game Show 2023.8.20」にて発表。SF世界を舞台としたローグライトアクションで、主人公のキャラクターデザインおよびキーアートにはヤスダスズヒト氏、世界設定やシナリオ制作には篠崎砂美氏が参加しています。
ゲームの舞台は、人々が地下都市で生活している世界。1,000年のコールドスリープから目覚めた主人公の少女スーリア・ユーガが、生き残りの人類や母親を見つけるために、人型アンドロイド“レイバー”を操作して、AI「シヴァ」によって支配されている地下都市を探索していきます。
“レイバー”は単独で戦闘能力を持つだけでなく、“アームズ”とよばれる重機に乗り込むことも可能。“アームズ”はパーツを付け替え可能で、ゲーム内で取得したディスクを反映させることで、さまざまな能力を得られます。多彩な武器やパーツ、ディスクの組み合わせで“アームズ”を強化して地下の奥を目指していきます。
母と人類を救う冒険の始まり
本作の物語はスーリアがコールドスリープから目覚めるシーンからスタート。サポートメカ・バドによれば、現時点で施設内で活動してるのはスーリア1人しかおらず、残りはすべてコールドスリープ状態とのこと。スーリアは、残された研究室にて、母が残した記録映像を確認します。
この施設は祖父の開発したAI「シヴァ」によって統制されていて、抵抗する人間は強制的に冷凍睡眠させられているようです。その目論見を知った母はスーリアを独自の研究施設で保護していたのです。スーリアは母のメッセージを受け取り、地下施設を調査することになります。
しかし、地下施設は機械達が支配する世界のため、生身では向かうことができません。そこで、人形アンドロイド“レイバー”を組み立て、研究室から遠隔操作することになります。“レイバー”は見た目や両手に持つ武器を選択可能で、二刀流や二丁拳銃なども自由に選択できます。
最初の出撃ではチュートリアルとして、基本操作や重機“アームズ”の扱い方などを学んでいきます。“アームズ”は圧倒的なパワーを持ち、敵の兵士であれば簡単に蹴散らすことができます。また、敵の操る“アームズ”を倒すことで、敵のパーツを奪って利用することもできます。
チュートリアルは中ボスを倒し、階層を守るボスとの戦闘で敗北することで終了します。ここからスーリアはより強い“レイバー”と“アームズ”を作り上げ、母と非飛び地を救うため「シヴァ」に会いに行く冒険が始まるのです。
“アームズ”を駆使して敵を蹴散らせ！
ゲーム内で使用できる“アームズ”は、脚部と頭部（胴体）、両手の武器のという4つのパーツで構成されています。武器は剣や槍、刀、ハンマーといった近接武器やマシンガン、ミサイルランチャー、ショットガンなどの銃があります。また、頭部パーツによっては内蔵武器や、4つ武器を持てるものも存在しています。
ジャンプや攻撃などの行動にはエネルギーを消費し、0になるとスタン状態に。武器も使いすぎるとオーバーヒートしてしまい、無理に使おうとするとダメージを受けてしまいます。適度に休ませながら戦わなければ、無数の敵を倒すことはできません。
また、各パーツには耐久度があり、破壊されると使用不可になるだけでなく、頭部が破壊されれば搭乗している“レイバー”が剥き出しになってしまいます。“レイバー”が倒されれば出撃終了になってしまうので注意が必要です。一応“レイバー”状態でもある程度戦えますが、やはり“アームズ”を相手にするのは難しいです。
ステージ内で“APPディスク”を入手することで機体を強化できます。強化には移動力や回復アイテムの効果アップといった基礎的なものから、特定の武器種の強化、オーバーヒートの軽減、取得できるBP（お金）の割合アップなど、非常に多彩です。ディスクはステージ内にあるお店で売買もできます。
各種武器やディスクにはクセの強いものもありますが、“アームズ”は非常に強力で頼れる存在です。何度も倒されながらパーツやスキルの知識を得て、いかに最強の“アームズ”を作り上げていくのかが本作の醍醐味です。
潜って拾って最強の機体をアセンブル！
『メタルブリンガー』では、ステージ内で拾ったディスクや“アームズ”のパーツをお店で「解析」することができます。解析することで、研究所でアセンブルやディスク選択ができるようになり、自由な機体づくりができるようになっていくのです。
ディスクはステージで拾った状態で効果を発揮するのですが、解析してないとどのような能力なのかがわかりません。また、ディスクごとにレベルがあり、拾って解析を進めることで、高レベルのスキルを初期から発動することができます。また、不要なディスクを拾っても効果を発揮しないようにする設定も可能です。
また、BPを払うことで体力や武器熟練度、ディスクのインストール容量などを恒久的に強化できる「OSチューニング」ができます。OSはゲーム中の行動でも各項目が成長していくので、自分のプレイスタイルを楽しむだけで、どんどん強化されていくのです。
また、ステージ内には隠された「本」があり、中には世界のログや“レイバー”の新たなパーツ設計図などが記されています。世界観も作り込まれている作品なので、本を集めてログを見るのも大きな楽しみです。
「強くなって無双する」というシンプルな面白さ
『メタルブリンガー』は強化の効果が実感しやすいゲームです。お気に入りの武器を選び、ディスクやOSはチューニングで強化していくことで、どんどん豪快で爽快な戦闘ができるようになります。
筆者は「二刀流」のディスクを入手してから、近接攻撃とオーバーヒート対策のディスクを中心に構成。“アームズ”はなるべく機動力に優れたアセンブルにすることで、ステージをハイスピードで移動しながら高火力で切り裂くスペシャルな高機動マシンとして運用しています。
組み合わせによっては銃撃のスペシャリストにしたり、属性攻撃を得意にしたり、バランスに優れた安定性を求めたり、“アームズ”の選択は無限大です。最初は苦労したボスやステージも、強化していけば無双できるようになります。そこには「強くなって無双する」という、シンプルな面白さがあるのです。
ただし、奥の階層に行けば敵もどんどん強くなり、どんなに強化しても油断すれば武器もパーツも失ってしまいます。ある程度技術で補ったとしても、運が悪ければ、修理屋や替わりのパーツが見つからないといったピンチに追い込まれることも珍しくありません。
何度も挑み、倒され、少しずつ改善していくことで、“レイバー“も“アームズ”もどんどん強くなっていくのです！
『メタルブリンガー』は、豊富なパーツとディスクの組み合わせにより、驚くほど豊富なプレイスタイルを構築できます。強化の効果を実感しやすいのも嬉しい要素で、狙った強化プランがハマったり、ランダムで拾ったディスクで思わぬ効果を発揮したり、遊ぶほどに発見や閃きも得られます。
なんとなくレトロな雰囲気ながら、レイトレーシングにも対応した微細なグラフィックも大きな特徴。BGMも状況に合わせたものに変化するなど、プレイに没入できる演出面も大きな魅力です。
ちなみに、カスタマイズでは、機体の色を細かく変えることもできます。バッチリとカッコいい自分だけのカスタム機を作り上げて「強くなって無双する」という、ゲームのシンプルな面白さを堪能してください！
